先週の225先物は前週末比510円安(下落率2.58%)の19190円と3週ぶりに下落した。17日に急反発した反動から売りが先行して始まり、その後も、NY原油先物相場で期近物が史上初めてマイナスになるなど暴落したことから、世界景気の減速に対する警戒感が台頭した。21日には、北朝鮮・金正恩委員長の健康問題報道が地政学リスクを想起させ、後場に下げ幅を拡げる展開となった。また、原油安や企業の業績悪化から21日のNYダウが大幅続落した流れを受け、22日の225先物は一時19000円を割り込む場面もあった。ただ、心理的な節目である同水準を割り込んだことで押し目買いが入ったほか、日銀のETF買いに対する思惑もあってその後は下げ渋った。週後半には原油市況も落ち着き、225先物は値を戻す場面もあった。それでも、依然として新型コロナウイルスの感染拡大による企業業績への下押し懸念は拭えていないだけに、戻りは限定された。
4月17日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆8303億円の売り越し(前週は1兆4440億円の売り越し)と増加した。株数ベースでは、7億1483万株の売り越しで、4月10日時点(5億5570万株の売り越し)から増加している。
日経平均と裁定残(4月17日時点)
海外勢のTOPIX先物売り続く
225先物の手口では、週を通じてコンスタントに売り越した野村が売り方トップに躍り出たほか、JPモルガン、シティGがこれに続いた。一方、買い手口では、AアムロC、ソジェンの裁定取引業者が継続的な買い越しで上位に名を連ねたほか、21日に2000枚超と買い越した三菱UFJも上位に入った。TOPIX先物の手口では、週を通じて売り越しを継続したソジェン、メリル、モルガンS、AアムロCなどの海外勢が上位に並んだ。一方、買い手口では、日銀によるETF(上場投資信託)買いの注文を執行したとみられる大和が21日と24日に5000枚超買い越した。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比1.06pt高(上昇率2.82%)の38.64ptと5週ぶりに上昇した。原油先物市況の暴落を受けて世界景気の減速に対する警戒感が増幅したことで、週初から市場の不安心理が高まり、VIは上昇基調をたどった。22日には一時45.24ptまで上昇し、6日以来約2週間ぶりの高値水準となった。その後、原油市況の下落基調がひとまず落ち着いたことから、VIも23日には37.69ptまで下げるなど上昇傾向は一服した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているほか、国内景気や企業業績の先行き懸念も拭えていないだけに、週末にかけては再び上げに転じた。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は低下、日経平均は週間ベースで3週ぶりマイナスに
NT倍率(先物)は低下。前週の日経平均は下落、週間ベースでは3週ぶりのマイナスに転じた。21日の日経平均は20日のNYダウが3日ぶりに急反落したことをうけ続落。翌22日も指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>や東エレク<8035>の下げが目立ち日経平均は大幅安となりNT倍率は低下。23日の日経平均は4日ぶりに反発し、NT倍率はやや拡大したが、週末24日の日経平均は米インテルの決算発表をうけ、半導体関連が軟調となり反落。NT倍率は13.54倍に低下した。
今来週の225先物は、本格化する企業決算や日米欧の金融政策決定会合の動向、国内での大型連休突入などにより、全般的に様子見気分が強まりやすくなりそうだ。国内では、週初の27日から決算発表がラッシュとなる。主要企業の決算が堅調な内容と受け止められれば、225先物にも好影響を与えそうだ。本日の日銀金融政策決定会合後も、28日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)、30日には欧州中央銀行(ECB)理事会と中銀イベントが集中するが、FOMCでは地方政府への融資範囲拡大など、追加の金融緩和策が想定されており、結果を受けた市場の動向には注意が必要だ。ただ、国内では来週前半が休場となるため、持ち高調整売りが相場の上値を重くする可能性がある。また、新型コロナウイルスの感染状況は依然として国内では拡大傾向にあり、6日に期限を迎える外出自粛期間も延長される可能性が高まっている。一方、海外では経済活動再開に向けた動きが出始めている。好悪材料が交錯するなか全般はもみ合い展開が続くと見込まれよう。予想レンジは19000-19700円とする。
経済スケジュール(4月27日〜5月8日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
---|---|---|---|---|
4月27日 |
月 |
国内 |
09:00 |
日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日のみ、終了後直ちに結果発表) |
10:10 |
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) |
|||
|
黒田日銀総裁が会見 |
|||
|
決算発表 ルネサスエ、京セラ、大和証G、日東電、日立ハイテク、日立化成、日立建機、JR東海、積水化、第一三共、花王 |
|||
海外 |
10:30 |
中・工業企業利益(3月) |
||
17:00 |
ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(4月22日まで1カ月間) |
|||
20:00 |
ブ・FGV消費者信頼感(4月) |
|||
20:00 |
ブ・FGV建設コスト(4月) |
|||
20:25 |
ブ・週次景気動向調査 |
|||
27:00 |
ブ・貿易収支(週次)(4月26日まで1カ月間) |
|||
|
決算発表 バイエル |
|||
4月28日 |
火 |
国内 |
08:30 |
有効求人倍率(3月) |
08:30 |
失業率(3月) |
|||
|
エコミックが東証ジャスダックに公募・売出し、新規上場(発行価格:829円) |
|||
|
決算発表 オリランド、キーエンス、シマノ、ヒューリック、レーザテク、中国電、中部電、信越化、富士通、ZOZO |
|||
|
決算発表 小林製薬、NEC、東ガス、JR東日本、邦ガス、豊田通商、NRI、ANAHD、LINE、ドコモ、SCSK |
|||
海外 |
07:45 |
NZ・貿易収支(3月) |
||
21:00 |
ブ・拡大消費者物価指数(iPCA-15)(4月) |
|||
21:30 |
ブ・ローン残高(3月) |
|||
21:30 |
ブ・融資残高(3月) |
|||
21:30 |
ブ・個人ローン・デフォルト率(3月) |
|||
22:00 |
米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(2月) |
|||
23:00 |
米・消費者信頼感指数(4月) |
|||
|
米・連邦公開市場委員会(FOMC)(29日まで) |
|||
|
決算発表 スターバックス、ファイザー、ヴァーレ、3M、BP、HSBCホールディングス、UBSグループ、UPS |
|||
|
決算発表 アドバンスト・マイクロ・デバイシズ、アルファベット、キャタピラー、サンタンデール銀行、ノバルティス、メルク |
|||
4月29日 |
水 |
国内 |
|
株式市場は祝日のため休場(昭和の日) |
海外 |
10:30 |
豪・消費者物価指数(1-3月) |
||
17:00 |
欧・ユーロ圏マネーサプライ(3月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏景況感指数(4月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(4月) |
|||
20:00 |
ブ・FGVインフレ(IGP-M)(4月) |
|||
21:00 |
独・消費者物価指数(4月) |
|||
21:30 |
米・GDP(1-3月) |
|||
23:00 |
米・中古住宅販売成約指数(3月) |
|||
27:00 |
米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表 |
|||
|
米・連邦公開市場委員会(FOMC)終了後、経済予測発表、パウエルFRB議長が記者会見 |
|||
|
決算発表 エアバス、クアルコム、グラクソ・スミスクライン、GE、ダイムラー、ドイツ銀行 |
|||
|
決算発表 フェイスブック、フォルクスワーゲン、 ボーイング、マイクロソフト、マスターカード |
|||
|
決算発表 サムスン電子、アフラック、スタンダードチャータード、テスラ、バークレイズ |
|||
4月30日 |
木 |
国内 |
08:50 |
小売売上高(3月) |
08:50 |
鉱工業生産(3月) |
|||
08:50 |
百貨店・スーパー売上高(3月) |
|||
13:00 |
自動車生産台数(2月) |
|||
14:00 |
建設工事受注(3月) |
|||
14:00 |
住宅着工件数(3月) |
|||
14:00 |
消費者態度指数(4月) |
|||
17:00 |
当面の長期国債等の買い入れについて(日本銀行) |
|||
|
決算発表 コーセー、デンソー、京成、京王電鉄、CTC、大塚商会、JT、日本取引所、JAL、日電産、Zホールディングス |
|||
|
決算発表 日本M&A、村田製、東エレク、東電HD、東武鉄道、JR西日本、豊田織、GHD、TOTO |
|||
海外 |
10:00 |
中・製造業PMI(4月) |
||
10:00 |
中・非製造業PMI(4月) |
|||
16:55 |
独・失業率(失業保険申請率)(4月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏GDP(1-3月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(4月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏失業率(3月) |
|||
20:30 |
印・インフラ産業8業種(3月) |
|||
20:45 |
欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁が記者会見 |
|||
21:00 |
ブ・PPI製造業(3月) |
|||
21:00 |
ブ・全国失業率(3月) |
|||
21:00 |
南ア・貿易収支(3月) |
|||
21:30 |
ブ・基礎的財政収支(3月) |
|||
21:30 |
ブ・純債務対GDP比(3月) |
|||
21:30 |
米・個人所得(3月) |
|||
21:30 |
米・個人消費支出(3月) |
|||
21:30 |
米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(3月) |
|||
21:30 |
米・新規失業保険申請件数(先週) |
|||
21:30 |
米・雇用コスト指数(1-3月) |
|||
22:45 |
米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(4月) |
|||
|
香港・株式市場は祝日のため休場(ブッダの誕生日) |
|||
|
決算発表 アップル、ANZ銀行グループ、アマゾン、コムキャスト、ビザ、マクドナルド、ツイッター、ロイヤル・ダッチ・シェル |
|||
5月1日 |
金 |
国内 |
08:30 |
東京CPI(4月) |
08:50 |
対外・対内証券投資(先週) |
|||
09:30 |
製造業PMI(4月) |
|||
14:00 |
自動車販売台数(4月) |
|||
|
決算発表 三井物、協和キリン |
|||
海外 |
23:00 |
米・ISM製造業景況指数(4月) |
||
23:00 |
米・建設支出(3月) |
|||
|
米・判断は各州知事に委ねられる(連邦政府による社会的距離指針が期限切れとなる。実際)(経済活動再開時期) |
|||
|
OPECプラスが減産開始予定 |
|||
|
米・自動車販売(4月、2日までに) |
|||
|
決算発表 エクソンモービル、シェブロン |
|||
|
中・株式市場は祝日のため休場(メーデー、5日まで) |
|||
|
伊・印・スイス・独・仏・欧・ブ・露・南ア・香港・韓・株式市場は祝日のため休場 |
|||
5月4日 |
月 |
国内 |
|
株式市場は祝日のため休場(みどりの日) |
海外 |
10:45 |
中・財新製造業PMI(4月) |
||
14:00 |
印・製造業PMI(4月) |
|||
16:00 |
トルコ・消費者物価指数(4月) |
|||
17:00 |
欧・ユーロ圏製造業PMI(4月) |
|||
20:25 |
ブ・週次景気動向調査 |
|||
22:00 |
ブ・製造業PMI(4月) |
|||
23:00 |
米・製造業受注(3月) |
|||
27:00 |
ブ・貿易収支(4月) |
|||
|
欧・欧州中央銀行(ECB)専門家予測調査 |
|||
|
決算発表 ウエストパック銀行 |
|||
5月5日 |
火 |
国内 |
|
株式市場は祝日のため休場(こどもの日) |
海外 |
13:00 |
インドネシア・GDP(1-3月) |
||
13:30 |
豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 |
|||
15:30 |
スイス・消費者物価指数(4月) |
|||
16:00 |
マレーシア・中央銀行が政策金利発表 |
|||
17:00 |
ブ・FIPE消費者物価指数(4月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏生産者物価指数(3月) |
|||
21:00 |
ブ・鉱工業生産(3月) |
|||
21:30 |
米・貿易収支(3月) |
|||
21:30 |
加・貿易収支(3月) |
|||
23:00 |
米・ISM非製造業景況指数(4月) |
|||
|
米・シカゴ連銀総裁がメディアへ会見 |
|||
|
決算発表 BNPパリバ、ウォルト・ディズニー |
|||
5月6日 |
水 |
国内 |
|
株式市場は振替休日のため休場 |
海外 |
07:45 |
NZ・失業率(1-3月) |
||
10:30 |
豪・小売売上高(3月) |
|||
10:45 |
中・財新サービス業PMI(4月) |
|||
10:45 |
中・財新総合PMI(4月) |
|||
14:00 |
印・サービス業PMI(4月) |
|||
15:00 |
独・製造業受注(3月) |
|||
17:00 |
欧・ユーロ圏総合PMI(4月) |
|||
17:00 |
欧・ユーロ圏サービス業PMI(4月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏小売売上高(3月) |
|||
21:15 |
米・ADP全米雇用報告(4月) |
|||
22:00 |
ブ・サービス業PMI(4月) |
|||
22:00 |
ブ・総合PMI(4月) |
|||
|
ブ・ブラジル中央銀行が政策金利(SELICレート)発表(7日までに) |
|||
|
決算発表 メットライフ、BMW、GM |
|||
5月7日 |
木 |
国内 |
08:50 |
日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(3月16日分) |
08:50 |
マネタリーベース(4月) |
|||
10:00 |
営業毎旬報告(4月30日現在、日本銀行) |
|||
11:00 |
東京オフィス空室率(4月) |
|||
|
決算発表 NTTデ、ミスミG、丸紅、任天堂 |
|||
海外 |
15:00 |
独・鉱工業生産指数(3月) |
||
20:00 |
英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表 |
|||
21:30 |
米・新規失業保険申請件数(先週) |
|||
28:00 |
米・消費者信用残高(3月) |
|||
|
中・貿易収支(4月) |
|||
|
中・外貨準備高(4月) |
|||
|
米・フィラデルフィア連銀総裁がバーチャル討論に参加 |
|||
|
英・カーニー英中央銀行総裁が記者会見 |
|||
|
決算発表 ウーバー、ナショナルオーストラリア銀行 |
|||
5月8日 |
金 |
国内 |
08:30 |
毎月勤労統計-現金給与総額(3月) |
08:30 |
実質賃金総額(3月) |
|||
08:30 |
家計支出(3月) |
|||
09:30 |
サービス業PMI(4月) |
|||
09:30 |
総合PMI(4月) |
|||
|
決算発表 サントリ食、パンパシI、ミネベアミツミ、ライオン、リコー、京阪HD |
|||
|
決算発表 伊藤忠、住友商、住友鉱、日本製鉄、野村HD、HOYA、三菱商 |
|||
海外 |
14:45 |
スイス・失業率(4月) |
||
15:00 |
独・貿易収支(3月) |
|||
15:00 |
独・経常収支(3月) |
|||
21:30 |
加・失業率(4月) |
|||
21:30 |
米・非農業部門雇用者数(4月) |
|||
21:30 |
米・失業率(4月) |
|||
21:30 |
米・平均時給(4月) |
|||
23:00 |
米・卸売在庫(3月) |
|||
|
中・経常収支速報(1-3月) |
|||
|
ムーディーズがイタリアのソブリン格付け |
|||
|
決算発表 シーメンス |
- 提供:フィスコ社