先週の225先物は前週末終値比で370円安(下落率1.32%)の27,560円と4週続落。前週末の米株市場では、小売売上高や消費者心理に関わるまちまちな経済指標を受けて景気回復期待が後退。史上最高値付近での高値警戒感もあり主要株価指数は下落。これを引き継ぐ形で、週明けの225先物は330円安の27,600円と大幅に4日続落した。
東京都での新型コロナウイルス新規感染者数が連日1,000人を超えていたことも重しとなったようで、連休前の手仕舞い売りも嵩んだ。日中取引の225先物の売買高は4万枚近くと、平常時の2倍以上となっており、短期筋も先物主導で売っていたようだ。20日の225先物は190円安と5日続落。
世界的な新型コロナのデルタ株流行で景気の先行き懸念が強まり週明けの欧米市場は急落、一気にリスクオフムードが強まった。米長期金利が1.2%を割り込み、ダウが一時900ドルを超える急落ぶりをみせた米株市場の流れを受けて、225先物は夜間取引の間に27,270円まで下げた。日中取引は売り一巡感からの買い戻しが入り正午前には27,590円まで戻したが、戻り一服感から結局27,500円を割り込んだ。
7月16日時点の裁定残高は、ネットベースで1,175億円の買い越し(前週は3,902億円の買い越し)と減少した。株数ベースでは、2,507万株の買い越しで、7月9日時点(1億2,782万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(7月16日時点)
TOPIX先物では海外勢売り越し、野村は両先物で買い方上位
売り方では225先物には目立った動きが見られなかった一方、TOPIX先物ではGSやBofA証券など海外勢の動きが引き続き目立った。
買い方では海外勢で唯一、BNPパリバのTOPIX先物での動きが目立った。また、野村が両先物において累計上位に入っており、バリュエーション面で割安感が出てきた水準での国内長期筋の買いや、逆張り志向の個人の日経レバ買いと思われる。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末終値比2.22pt高(上昇率11.30%)の21.85ptと3週上昇。東京五輪開催直前における東京都での連日の新規感染者数1,000人超えに加え、東南アジアや米国でもデルタ株が急拡大しており、世界経済の減速懸念が台頭。こうした警戒感を映して、日経VIも週初から20ptを超えた。
米長期金利が再び急低下しリスクオフムードが強まった週明け19日には米VIX指数も久々に20を超え、これを受けた20日の東京市場で日経VIは一時23.52ptまで急上昇した。連休前には過度な警戒感が後退したが、それでも日経VIは20ptを超える状態が続いた。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は低下、祝日連休前に手仕舞い売り
NT倍率(先物)は低下。経済指標の下振れを背景に下落した前の週末の米株市場の流れもあり週明けから225先物はギャップダウンでスタートし大幅に下落。東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が連日1,000人を超えていたことも警戒感を強めた。
また、新型コロナのデルタ株流行により景気の先行き懸念が強まったことで、米10年物国債利回りが1.1%台へと急低下するなか週明けの欧米市場が急落したこともリスクオフムードを強めた。こうした中、東京市場では国内祝日に伴う連休前に手仕舞い売りや短期筋による売りが嵩み、ファナック<6954>など値がさ株が大きく崩れるなかNT倍率は低下した。
今週の225先物は堅調か。東京市場が祝日の間、米株市場では過度なリスクオフムードの後退が続き、ダウ、ナスダック、S&P500の主要株価3指数は週末まで大きく4日続伸、週初の急落分を取り戻すだけにとどまらず揃って過去最高値を更新してきている。この流れを受けて週明けの225先物も大きく上昇して始まるだろう。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の225先物は週末に28,180円まで切り上げている。前々週、CSの売り手口で目立っていた商品投資顧問(CTA)など短期筋の買い戻しで大阪取引所の225先物も28,000円を回復することが期待される。
一方、28,000円近辺では戻り待ちの売り圧力が強いと想定されるほか、日本株の上値抑制要因となっている五輪開催に伴う感染動向や菅政権の求心力低下など各種不透明要素は解消されていない。そのため、買い戻しがどこまで進むかは分からず、週初の大幅反発以降の戻りは鈍いかもしれない。
また、4-6月期決算が始まるため基本的には個別株物色が主体となり、先物市場には目線が向きにくい。他方、翌週以降にまで目を向ければ、連休前に発表された日本電産<6594>のような好決算が増えてくれば、先高観から買い戻しが進展する余地はありそうだ。今週の225先物予想レンジは27,700-28,500円とする。
経済スケジュール(7月26日〜7月31日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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7月26日 | 月 | 国内 | 09:30 | 製造業PMI(7月) |
09:30 | サービス業PMI(7月) | |||
09:30 | 総合PMI(7月) | |||
10:00 | 営業毎旬報告(7月20日現在、日本銀行) | |||
14:30 | 全国百貨店売上高(6月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(6月) | |||
新型コロナ感染症対応の金融支援特別オペ(日本銀行) | ||||
海外 | 07:45 | NZ・貿易収支(6月) | ||
17:00 | 独・IFO企業景況感指数(7月) | |||
23:00 | 米・新築住宅販売件数(6月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(先週) | |||
米・イラク首相がバイデン大統領と会談 | ||||
欧・非公式欧州連合(EU)財務相会合 | ||||
決算発表 ロッキード、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、テスラ | ||||
7月27日 | 火 | 国内 | 08:50 | 企業向けサービス価格指数(6月) |
16:30 | 黒田日銀総裁が講演 | |||
サーキュレーションが東証マザーズに新規上場(公開価格:1810円) | ||||
海外 | 08:00 | 韓・GDP(4-6月) | ||
10:30 | 中・工業企業利益(6月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏マネーサプライ(6月) | |||
21:30 | ブ・経常収支(6月) | |||
21:30 | ブ・海外直接投資(6月) | |||
21:30 | 米・耐久財受注(6月) | |||
22:00 | 米・FHFA住宅価格指数(5月) | |||
22:00 | 米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(5月) | |||
23:00 | 米・消費者信頼感指数(7月) | |||
米・連邦公開市場委員会(FOMC)(28日まで) | ||||
国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)最新版公表 | ||||
決算発表 UPS、3M、GE、コーニング、スターバックス、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ | ||||
決算発表 アップル、ビザ、アルファベット、マイクロソフト | ||||
7月28日 | 水 | 国内 | 08:50 | 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月15・16日分) |
10:10 | 国債買い入れオペ(残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) | |||
14:00 | 景気一致指数(5月) | |||
14:00 | 景気先行CI指数(5月) | |||
15:30 | 日本取引所グループの清田CEOが定例会見 | |||
ブレインズテクノロジーが東証マザーズに新規上場(公開価格:1780円) | ||||
海外 | 10:30 | 豪・消費者物価指数(4-6月) | ||
21:00 | ブ・PPI製造業(6月) | |||
21:30 | ブ・融資残高(6月) | |||
21:30 | ブ・個人ローン・デフォルト率(6月) | |||
21:30 | 米・卸売在庫(6月) | |||
21:30 | 加・消費者物価指数(6月) | |||
27:00 | 米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表 | |||
米・FOMC終了後、パウエルFRB議長が記者会見 | ||||
ペルー大統領にペドロ・カスティジョ氏が就任 | ||||
決算発表 BASF、バークレイズ、リオ・ティント、ファイザー、ボーイング、スポティファイ、マクドナルド、ドイツ銀行 | ||||
決算発表 グラクソ・スミスクライン、ブリストル、フォード、アフラック、ヴァーレ、ペイパル、フェイスブック、クアルコム | ||||
7月29日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外・対内証券投資(先週) |
デリバリーコンサルティングが東証マザーズに新規上場(公開価格:950円) | ||||
決算発表 サイバーA、ヒューリック、大東建、東邦ガス、HOYA、積水化学工業、三菱電、ファナック、東武鉄道、小林製薬 | ||||
決算発表 NRI、大和証G、アコム、オムロン、村田製、京セラ、大日本住友、富士電、富士通、ルネサスエ、大ガス | ||||
決算発表 カプコン、パナソニック、オリランド、ベネフィト、キーエンス、信金中央金庫、ZOZO、三井住友H、SBIHD | ||||
海外 | 16:55 | 独・失業率(失業保険申請率)(7月) | ||
18:00 | 欧・ユーロ圏景況感指数(7月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(7月) | |||
20:00 | ブ・FGVインフレIGPM(7月) | |||
21:00 | 独・消費者物価指数(7月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・GDP速報値(4-6月) | |||
23:00 | 米・中古住宅販売成約指数(6月) | |||
決算発表 ネスレ、ダノン、ロイヤル・ダッチ・シェル、メルク、アストラゼネカ、フォルクスワーゲン | ||||
決算発表 ロイズ・バンキング・グループ、サノフィ、コムキャスト、マスターカード、STマイクロエレクトロニクス | ||||
決算発表 アマゾン、ギリアド、クレディ・スイス、サムスン電子、エアバス、ノキア | ||||
7月30日 | 金 | 国内 | 08:30 | 有効求人倍率(6月) |
08:30 | 失業率(6月) | |||
08:50 | 鉱工業生産指数(6月) | |||
08:50 | 小売売上高(6月) | |||
08:50 | 百貨店・スーパー売上高(6月) | |||
08:50 | 日銀金融政策決定会合議事録公表(2011年1-6月開催分) | |||
14:00 | 住宅着工件数(6月) | |||
AIメカテックが東証2部に新規上場(公開価格:1920円) | ||||
海外 | 17:00 | 独・GDP速報値(4-6月) | ||
17:00 | 台湾・GDP(4-6月) | |||
17:30 | 香港・GDP(4-6月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏失業率(6月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(7月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏GDP速報値(4-6月) | |||
19:30 | 印・財政赤字(6月) | |||
21:00 | ブ・全国失業率(5月) | |||
21:00 | 印・インフラ産業8業種(6月) | |||
21:30 | ブ・基礎的財政収支(6月) | |||
21:30 | ブ・純債務対GDP比(6月) | |||
21:30 | 米・雇用コスト指数(4-6月) | |||
21:30 | 米・個人所得(6月) | |||
21:30 | 米・個人消費支出(6月) | |||
21:30 | 米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(6月) | |||
23:00 | 米・ミシガン大学消費者マインド指数(7月) | |||
決算発表 BNPパリバ、エルメス・インターナショナル、エクソンモービル | ||||
決算発表 P&G、シェブロン、ルノー、ナットウエスト、キャタピラー | ||||
7月31日 | 土 | 海外 | 10:00 | 中・製造業PMI(7月) |
10:00 | 中・非製造業PMI(7月) | |||
10:00 | 中・総合PMI(7月) |
- 提供:フィスコ社