10/4(月)の東京株式市場では、日経平均株価が一時274円高水準まで買われたものの、次第に売りが優勢となり、前週末比400円超下げる場面もみられました。結局、大引けは326円安の28,444円となりました。
前週末のNY株高を受けて買いが先行しましたが、中国恒大問題への不透明感が続く中、当の中国恒大集団(03333)と、子会社で不動産管理事業の恒大物業(06666)が、香港株式市場において売買停止になり、不透明感を嫌気した売りを誘発したものと考えられます。
なお、10/4(月)の香港市場では、中国本土の不動産開発・運用等を営む合生創展(00754)も売買停止になっていました。同社が、上記の恒大物業(06666)の株式の51%を400億香港ドル(約5,700億円)で買収するとの一部報道があったことを考えると、売買停止の理由がこのM&Aにあった可能性はありそうです。だとすると、10/4(月)の東京株式市場の下落は、やや過剰反応であった可能性もありそうです。
ただ、恒大問題は長期化する公算が大きいと考えられます。10月も12日に1億4,813万ドル、19日に1億2,180万元、30日に1,425万ドルと利払い日が集中する予定です。年内は12月28日に2億5,520万ドルと大きめの利払い日があり、しばらくは目の離せない状態が続きそうです。
恒大問題について中長期的には、具体的な債務再編がより重要になってきます。考えられるシナリオとしては、以下の3つのパターンが想定されます。
(1)中国当局が介入せず、破綻を放置する。
(2)中国当局の介入のもと、秩序ある再編を実施する。
(3)中国当局が全面的に介入し、救済する。
総合的に考えると(2)の可能性が大きいと、SBI証券投資情報部では考えています。
なお、この日は臨時国会が召集され、岸田氏が第100代の内閣総理大臣に指名されました。4日の株価の下落を、新内閣の厳しい船出と結び付ける見方も出てきそうですが、主要な下落要因ではないかもしれません。特に一部で懸念されている配当や譲渡益に対する課税の強化ですが、総選挙を前に議題にのぼる可能性は小さいとみられます。
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