2024年10月14日〜2024年10月18日
更新 : 2024/10/11 18:00
(通常毎週金曜日夜更新)
業績相場への移行視野、円安観測も支えに
今週の株式見通し
主要指標の推移 | 日経平均株価 | 39605.80 (前週末比 +970.18) | TOPIX | 2706.20(前週末比 +12.13) |
---|
石破新内閣が発足して最初の週の日本株相場は、7月以来の4万円をうかがう展開となった。堅調さを維持した米国株や、円安が下支えとして機能した。注目された米経済指標の9月CPIは根強いインフレを示唆する内容ながら、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが継続するという大局観は揺らいでいない。
一方で、為替市場ではドル・円の先高感を指摘する声が目立っている。11月の米大統領選を争う民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領は、いずれも積極財政を志向しているためだ。特にトランプ氏が当選した場合はその規模が大きくなるとみられ、同時に行われる議会選の結果次第でドルが一段高する(円安になる)シナリオも現実味を帯びる。
こうした中で、足元の日経平均は先物主導の値上がりが続いている。ただ個別レベルでは値動きがさえない銘柄も少なくない。決算シーズンを迎え業績相場へと移行できれば、スムーズな4万円台の回復も可能となるだろう。
来週は半導体関連企業のASMLホールディング(オランダ)が16日、TSMC(台湾)が17日にそれぞれ7〜9月決算を発表する。生成AI(人工知能)市場の勢いが試され、日本株にも大きな影響をもたらす可能性がある。11日から始まる米金融大手の業況も注目される。
また、27日の投開票が正式に決まった衆院選後の展開にも関心が集まる。自民党の勝敗は相場にインパクトをもたらしやすく、経験則では議席増や微減の場合に中期で株高になっている。00〜21年にあった8回の衆院選で、自民が議席を拡大したケース(05、12年)と同数維持(17年)、10議席未満の微減(14年)の4回はいずれも日経平均やTOPIX(東証株価指数)がその後上昇し、3カ月経過時のTOPIXは平均で19%高の好成績を上げている。石破政権には政治資金問題の逆風もあるだけに、早ければ来週にも出るメディアの情勢調査に注意したい。自民の現有議席数は256。「与党で過半数(233議席)」という勝敗ラインをクリアする程度では、市場は好感しないかもしれない。
日経平均の予想レンジは3万8,500〜4万500円とする。
注目材料・為替
米インフレと雇用情勢を注視
予想レンジ:1ドル=145円00銭−151円20銭
7−11日のドル・円は、1ドル=150円手前でもみ合った。週初7日のドル・円は軟調。日本政府高官の円安けん制発言や米国株の下落を背景とした、リスクオフのドル売り・円買いが出た。8日は、中東情勢の緊迫化や日本株の急落を受け、ドル・円の上値は抑制された。9日は中国の景気刺激策が好感され、ドル・円は切り返した。10日は米9月CPI(消費者物価指数)が強い結果となりドル買いが先行したものの、米雇用情勢への懸念が高まるとドル売りに傾いた。週末11日は様子見姿勢が強まり小動き。
米経済指標では、11日の9月PPI(生産者物価指数)、10月ミシガン大学消費者信頼感指数、14日の週には10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、9月小売売上高、9月鉱工業生産、9月住宅着工件数などが発表される。インフレや雇用情勢への不透明感から、11月6−7日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)における金利の据え置きを正当化する可能性は否定できず、注意が必要。
緊迫化する中東情勢では、イスラエルとイラン双方による報復が続いており、原油先物価格や金融市場への影響を注視しておきたい。
ドル・円は、上値のフシが多く、150円を越えても、日足100日移動平均線と200日移動平均線が控える151円20銭があることから、上昇には強いドル買い・円売り材料が必要とみられる。下値メドは145円ちょうど。
週間タイムテーブル
国内 | 海外 | |
---|---|---|
10月14日(月) | スポーツの日 |
中国9月貿易収支 インド9月消費者物価=21時 |
10月15日(火) |
衆議院議員選挙公示(10月27日投開票) Japan Mobility Show(旧東京モーターショー)・「CEATEC 2024」併催(〜18日幕張メッセ) ◆決算発表=東宝(9602) |
独10月ZEW景況感指数=18時 米10月NY連銀製造業景気指数=21時30分 ◆決算発表=バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ユナイテッドヘルス・グループ |
10月16日(水) |
8月機械受注=8時50分 ◆新規上場=日水コン(261A) |
米10月NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ=21時30分 米9月輸出入物価=21時30分 ◆決算発表=(欧州)ASMLホールディング、(米国)モルガン・スタンレー、USバンコープ |
10月17日(木) |
9月貿易統計=8時50分 8月第3次産業活動指数=13時30分 ◆決算発表=ディスコ(6146) |
ECB定例理事会(ラガルド総裁会見) 米9月小売売上高=21時30分 米10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数=21時30分 米9月鉱工業生産・設備稼働率=22時15分 米10月NAHB住宅市場指数=23時 米8月対米証券投資=18日5時 ◆決算発表=(アジア)TSMC、(欧州)ABB、ノキア、(米国)インテュイティブサージカル、トラベラーズ、ネットフリックス |
10月18日(金) |
9月消費者物価=8時30分 ◆新規上場=インターメスティック(262A) |
中国7〜9月期GDP=11時 中国9月工業生産=11時 中国9月小売売上高=11時 中国9月都市部固定資産投資=11時 米9月住宅着工件数=21時30分 米9月建設許可件数=21時30分 ◆決算発表=(米国)キンダー・モルガン、アメリカン・エキスプレス、プロクター・アンド・ギャンブル、シュルンベルジェ |
- ※ 海外の時刻は日本時間。