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2025-01-24 13:04:44

金価格は高値維持〜インフレヘッジ以外の需要増加

2024/6/12
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

金価格は高値での推移を続けている。伝統的に金はインフレヘッジを目的として物色されると考えられているが、リーマンショック後に日米欧を中心に行われた大規模な金融の量的緩和が金価格に与えた影響は大きい。もちろん量的緩和実施→インフレ観測強まり→実質金利低下によって金価格が上昇するという価格パス、メカニズムは存在するが量的緩和によって余剰資金が金市場に流入して価格が上昇したことも事実である。なお、「資金が流入して価格が上昇」するという表現は慎重に行う必要がある。というのも、新たな資金が市場に流入したとしても、その資金が商品市場で「買い」を入れることが価格上昇の必要条件となるため、資金が流入したとしても必ずしも価格が上昇する訳ではない。

株などの市場に資金が流入すれば、基本的には発行済み株式数が限られる中で1株あたりの株価は上昇することになる(もちろん、近年ではベア型のETFなども上場されているため、必ずしも株式市場でも資金流入=株価上昇、ではなくなってきている)。しかし、2003年以降に普及した金ETFは裏付け資産として金の現物保有を行う仕組みとなっており、金ETFを通じた金市場への資金流入は金の取引可能な現物の数量を減じるため、現物需給タイト化を通じて価格の上昇要因となる。現在FRBはQEを解除してQTに舵を切っているが道半ばであり、金価格は高止まりの状況。これまでの金価格の動きを見るに、金価格が各国のマネタリーベースに影響を受けていると考えられる。

出所:日銀、FRB、ECB

また、ロシアのウクライナ軍事侵攻への制裁として米国はドル決済の禁止を決定した。しかしこれを受けて中国をはじめとする「反米国」ないしは「中立国」はドルを決済通貨として用いることが、米国と対立した場合のリスク要因となるため、ロシア・中国が牽引するBRICs諸国は脱ドル化が急速に進んでいる。現在BRICs各国は西側諸国の通貨圏に依存しない通貨バスケットから成る仮想通貨の構築を検討中で、一部報道ではバスケットの4割は金価格に連動し、残りはBRICs参加国の通貨バスケットに連動するとの見通しが示されている。UAE、サウジアラビア、エジプトなど5か国がBRICsに加盟したが、さらに30以上の新興国がBRICsヘの加盟を希望している状況だ。その中にはアルゼンチンなど財政状況が芳しくない国も含まれるが、米金利の上昇と高止まりでドル建て債務の返済が困難であったり、自国通貨を防衛するためのドル(外貨)不足の状態に陥っている国も多く、BRICs諸国で運営するNDB(New Development Bank)によるドル以外の通貨での融資や、ドル以外での2国間貿易協定などを望んでいることがBRICs加盟を検討している背景にあると考えられる。このため、構造的な金需要の増加が特に新興諸国で顕著であり、恐らくこの流れが終了するにはまだ時間が掛かると予想される。また前述のマネタリーベースの水準が高く、この縮小に各国中央銀行とも手間取っていることも金価格を高止まりさせることになるだろう。

では金価格が急落する局面はあるか。まずインフレの沈静化関連を材料に売られるケースが想定されるが、現在、金価格のうち実質金利で説明可能なポーションは4割程度に止まるため、インフレ沈静化を題材に金価格が下落したとしても影響は限定されると考えられる。それよりは何らかの理由で安全資産としての需要が後退した場合だろう。BRICs通貨創設に向けた金確保の動きが事実だとした場合、これがご破算になる場合、あるいは中東・ウクライナでの戦争が終了した場合などが考えられる。恐らく前者の可能性は極めて低く、後者は年内いっぱいは続く可能性が高く終戦になるとしても来年以降になるのではと見られていることから、やはり当面、金価格は高値を維持すると見ておくのが妥当ではないか。

新村 直弘

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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