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金は米雇用統計などを確認
2021/10/4
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米国債の利回り上昇が圧迫
9月27日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)見通しによる米国債の利回り上昇を受けて軟調となった。ただ米議会で予算を巡り与野党が対立すると、米国債の利回り上昇が一服し、買い戻し主導で急反発した。中心限月となる12月限は8月10日以来の安値1,721.1ドルを付けたのち、下げ一服となった。米FRBが11月にテーパリング開始を決定するとの見通しを受け、米10年債利回りは1.57%まで上昇し、6月17日以来の高水準となった。長期金利の上昇を受けてドル指数は昨年9月以来の高値94.5を付けた。今週は8日に9月の米雇用統計の発表があり、労働市場の改善が示されると、ドル高が金の圧迫要因になるとみられる。事前予想は非農業部門雇用者数が50万人増(前月23万5,000人増)、失業率は5.1%(同5.2%)となっている。ただ新型コロナウイルスの感染拡大などで第3四半期の景気減速が見込まれており、労働市場の改善が遅れる可能性もある。
米議会で暫定予算が成立し、米連邦政府機関の一部閉鎖は回避される見通しとなった。ただ債務上限の引き上げや再度の適用停止は暫定予算に盛り込まれず、先行き懸念が残っている。イエレン米財務長官が米連邦政府の債務上限を引き上げなければ取り返しのつかない害が及ぶと改めて警告した。米議会予算局(CBO)も報告書で、10月後半か11月初めまでに財務省の資金が尽きるとの見通しを示した。モルガン・スタンレーのアナリストらはXデーを10月28日前後と予想しており、今後の協議の行方を確認したい。
中国では不動産部門のデフォルト(債務不履行)に対する懸念に加え、深刻な電力不足が次の危機になっている。不動産開発大手である中国恒大集団のドル建て社債の利払いは9月23日に続き、29日も実施できなかったもようである。30日間の猶予期間に入っているが、今後も利払い期日を控えており、年内でさらに5億ドルの資金が必要になる見通しである。同業大手の融創中国も資金難に陥ったことが伝えられており、不動産部門の行方を確認したい。一方、中国政府が火力発電所を抑制したことから、相次いで操業停止に追い込まれ、深刻な電力不足につながった。中国政府は二酸化炭素の排出量を2030年までに減少させ、2060年までに実質ゼロにする目標を掲げているが、目標未達の地方政府が多く出ていた。李克強首相は30日、エネルギーと電力の供給を確保し、経済活動を合理的な範囲内で維持すると述べており、電力不足の行方も当面の焦点である。
10月1日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.98トン減の986.54トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)見通しを受けて米国債の利回りが上昇し、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月28日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万8,399枚となり、前週の18万7,647枚から縮小した。今回は手じまい売りが2,856枚、新規売りが1万6,392枚出て1万9,248枚買い越し幅を縮小した。
プラチナはドル高で戻りを売られる
ニューヨーク・プラチナ10月限は、米国債の利回り上昇によるドル高を受けて軟調となった。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)見通しが圧迫要因になった。また米自動車メーカーが半導体不足を受けて追加減産を発表し、パラジウムの売り圧力が高まった。ただ9月の米ISM製造業景気指数が上昇しており、製造業の回復見通しが強まると、下支え要因になるとみられる。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、30日のロンドンで19.63トン(前週末19.26トン)、ニューヨークで38.13トン(同38.42トン)、南アで13.66トン(同14.18トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月28日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは5,653枚となり、前週の1,218枚から拡大した。
ニューヨーク金は米国債の利回り上昇が圧迫
ニューヨーク金12月限は米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)見通しによる米国債の利回り上昇を受けて軟調となり、8月10日以来の安値1,721.1ドルを付けた。金ETF(上場投信)から投資資金が流出し、圧迫要因になった。ただ予算を巡って米与野党の協議がこう着すると、買い戻し主導で急反発した。米債務上限引き上げ問題の協議の行方を確認したい。また今週は米雇用統計の発表がある。
10月4日からの週の注目ポイント
4日 | 中国休場 | ☆ |
米製造業新規受注(8月) | ☆☆ | |
5日 | 中国休場 | ☆ |
豪準備銀行政策金利公表 | ☆☆☆ | |
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(9月確報) | ☆☆ | |
米貿易収支(8月) | ☆☆ | |
米ISM非製造業景況指数(9月) | ☆☆☆ | |
6日 | 中国休場 | ☆ |
NZ準備銀行政策金利公表 | ☆☆☆ | |
独製造業受注(8月) | ☆☆ | |
ユーロ圏小売売上高(8月) | ☆☆ | |
全米雇用報告(9月) | ☆☆☆ | |
7日 | 中国休場 | ☆ |
独鉱工業生産指数(8月) | ☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
8日 | 中国財新サービス業購買担当者景況指数(9月) | ☆☆ |
米雇用統計(9月) | ☆☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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