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4Q(10-12月期)決算速報(現地1/31引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):76.21ドル(+1.41%)
●売上高:56.0億ドル(予想55.2億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.69ドル(予想0.67ドル)〇市場予想を上回った
●調整後粗利益率:51.0%(予想50.8%)〇市場予想をわずかに上回った
●1-3月期売上高見通し:50〜56億ドル(予想55.6億ドル)X予想中間値が市場予想を下回った
●1-3月期調整後粗利益率見通し:50.0%(予想51.5%)X市場予想を下回った
●2023/12期通期クライアント向けおよびゲーム向け売上高は前年同期比で減少を見込む
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●調整後粗利益率:51.0%、前年同期は50.0%、(予想50.8%)〇市場予想をわずかに上回った
●資本的支出(CAPEX):1.24億ドル(1.06億ドル)市場予想より多かった
●フリーキャッシュフロー:4.43億ドル(10.5億ドル)x市場予想を大きく下回った
●データセンター向け売上高:16.6億ドル、前四半期は16.1億ドル(予想15.1億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●クライアント向け(デスクトップ・ノートなどPC向け含む)売上高:9.0億ドル、前四半期は10.2億ドル(予想10.0億ドル)x市場予想を下回った
●ゲーミング向け売上高:16.4億ドル、前四半期は16.3億ドル(予想15.1億ドル)〇市場予想を上回った
●エンベデッド(組込型)向け売上高:14.0億ドル、前四半期は13.0億ドル(予想13.3億ドル)〇市場予想を上回った
経営陣の主なコメント
●デビンダーCFOが退任、ジーン・フー氏がエグゼクティブ・バイスプレジデントを兼任しCFO職にあたる。同氏は23年にAMDに入社、以前は上場企業のCFOとして14年以上のキャリアがある
●22年の売上高は前年比44%増の236億ドルで過去最高を更新。データセンター向けが加速、エンベデッド(組込型)向け及びゲーミング向けが好調、業績を牽引した。ザイリンクス、ペンサンドなど戦略的買収も実行し事業を多様化した
●4Qは売上高の50%以上を占めるデータセンター向け、エンベデッド向けの大幅な成長により、前年同期比16%増の56 億ドル(通年は44%増)。ザイリンクスの買収後、データ センターが64%増加、エンベデッドも貢献、売上高、粗利益、利益率では通年ベースでは過去最高となった
●4Qはデータセンター向けがクラウド・プロバイダーによる EPYCプロセッサの採用増により好調。アマゾンやマイクロソフトなどハイパースケーラーがEPYC プロセッサの移行を継続、北米地域のハイパースケーラー売上は前年同期比で倍増した。 現在、世界中で 600 を超えるパブリック・クラウドを支えている
●HPC(高性能演算)ではEPYCプロセッサの採用増をお知らせしたい。上位500のスーパーコンピューター・ランキングにおいて当社製品搭載が前年比で38%増となった。AMD は現在、世界最速のスーパーコンピューター100台超、世界で最もエネルギー効率の高い上位 20 台のスーパーコンピューターのうち 15 台をサポートしている
●22年、エンベデッド向け売上高は前年比大幅増14 億ドルで過去最高を更新。通信、自動車、産業およびヘルスケア、航空宇宙および防衛など、多くの業種で採用された。地域別ではインドの 5G ワイヤレス向けの拡大と、Tier 1の通信プロバイダーによる有線インフラストラクチャ構築に採用された
●23年の見通しとしてはゲーミング向け売上高は前年比で減速を見込む。ただその他のセグメントで相殺は可能な範囲と予想している
●巷間、投資家の注目を集めているAI向け戦略、当社のCPU,GPU,FPGAが損益や利益率に貢献するためにはどうしたらよいか。全体感を俯瞰したロードマップが必要で本年下期には大手クラウドベンダーと協力し、24年には事業を具体化すべく期待しており、投資機会を探っている
決算を受けたマーケットの反応
4Qの実績値では売上高、調整後EPS、調整後粗利益率が市場予想を上回った。インテルの不振などで垂れ込めた暗雲を払拭、引け後の取引で株価は78ドル近辺まで上昇。ただ17時からのカンファレンス・コールでゲーミング向けなど今季の慎重な見通しを示唆したことから上げ幅を縮小して取引を終えた
22年は過去最高の利益を叩きだしたAMD。PC向けが足かせとなったインテルと比較して、データセンター向けが好調なAMDは明暗を分けた。ただ成長減速、利益率の低下は伺える。1Q売上高見通し(50〜56億ドル)は22年1Qの59億ドルと比較して減収予想。これは2019年以来となり成長持続が途切れることを意味する。エンベデッド向けなどで成長を維持しつつ、次の成長エンジンと期待されるチャットGPTなどオープンAI向けで存在感を示せるか、投資家の視線が注がれる
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:86.22ドル(1/31時点)