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4Q(10-12月期)決算速報(現地2/1寄り前発表)
●決算発表当日の株価:47.54ドル(+5.55%)
●売上高:50.8億ドル(予想51.6億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:1.18ドル(予想1.17ドル)〇市場予想を上回った
●2023/12期通期調整後EPS見通し:4.98〜5.13ドル(予想5.02ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●2023/12期資本的支出(CAPEX)見通し:1.75〜2.25億ドル(予想2.25億ドル)中間値が市場予想より少なかった
●売上高総利益率:69.1%
●新たに10億ドルの自社株買いプログラムを発表
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●タバコ関連製品売上高:44.6億ドル、前年同期比変らず(予想47.5億ドル)X市場予想を下回った
●オーラル・タバコ製品売上高:6.0億ドル、前年同期比-4%(予想6.4億ドル)X市場予想を下回った
たばこ販売本数等
シガレット(紙巻き):197.1億本、前年同期比-12.1%(予想206.7億本)X市場予想を大きく下回った
シガ−(葉巻):4.25億本、前年同期比-3.8%(予想4.39億本)X市場予想を下回った
オーラルたばこ(無煙):1.97億本、前年同期比-4.3%(予想2.03億本)X市場予想を下回った
●22/12月通期の調整後EPSは4.84ドルで前年同期比+5.0%(予想4.84ドル)△市場と一致した
●22/12月通期の株主還元は84億ドル、前年は81億ドルだった。過去5年間で計368億ドルを還元した
経営陣の主なコメント
●22年は配当金、自社株買いを通じ84 億ドル以上を株主還元に充てた。2021 年の記録を上回る、2002 年以来の規模となった
●当社は「喫煙の先」の世界をめざしており「on!ニコチン・パッチ」を開発、けむりの出ない製品ポートフォリオの充実化を図っている
●Helix社(注)製品は初めて年間生産を行った年となるが8,250 万缶を出荷、前年比で70% 以上の伸びとなった
●10 月アルトリアはJT グループと戦略的パートナーシップを発表した。米国における加熱式たばこの合弁事業を計画している
●ギフォードCEOは3月にインベスター・デイを開催すると発表。内容については今日は控えるとした。(注:無煙たばこ関連製品に関するアップデートを示唆)
注:Helix社は21年に傘下に収めた企業でニコチン・パッチなどを手がける
決算を受けたマーケットの反応
4Qの実績値では売上高が市場予想を下回ったものの、調整後EPSはわずかに市場予想を上回りました。あわせて発表した10億ドルの自社株買い計画を発表。好感した株価は大幅高で、200日移動平均線を上回って取引を終えました
喫煙が世界的に減少するなかで販売本数の減少に苦しむ同社。インフレにより消費者の可処分所得が圧迫されるなか主力ブランドのマールボロからの顧客離れも起きている。「喫煙の先」という戦略を掲げるアルトリアは無煙製品の拡充を図り、生き残りを賭ける。一方、既存ビジネスに支えられた利益は厚く、株主還元にも余念がない。増配を継続する同社の配当利回り(2/1時点)は7.91%と高く、10億ドルの自社株買い計画と併せて魅力を放つ
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:49.29ドル(2/1時点)