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4Q(10-12月期)決算速報(現地2/14引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):5.35ドル(+7.00%)
●売上高:14.5億ドル、前年同期は6.4億ドル(予想12.8億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●純損益:0.58億ドル、前年同期は0.66億ドルの赤字
●顧客口座:7,460万、前年同期比+38.0%(予想7,540万)×市場予想より少なかった
●現金同等物:41.7億ドル、前年同期比+54.0%(予想42.3億ドル)×市場予想より少なかった
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●顧客口座は4Qに420万増加。2022年は2,070万口座、前年比38%増、合計で7,460万口座に達した。これはブラジルで5番目、南米で6番目
●稼動口座月間平均収入は8.2ドル、前年比で37%増となった。当社が顧客よりメインバンクとして選ばれたこと、サービスを新たに提供した効果などによりクロスセル、アップセルとも良好な効果が見られた
●システムコストは四半期を通して安定。年末時点における稼動口座の月間平均サービスコストは0.9ドル。当社の効率化のレートは、過去4四半期連続で継続して改善されており、過去最低水準に達している
●4Qの純利益は5800万ドルを計上。二期連続の黒字達成。年率換算のROEは35%で業界でも高水準を誇る
●4Qの売上高は14.5億ドル。22年通期では48億ドル、前年比168%増で過去最高となった。背景にはブラジルでのビジネスが良好であったこと、顧客増および収益化の向上という両面からの効果の結果であり、2022年の総売上のうち45億ドルがブラジルからのものだった
経営陣の主なコメント
●当社は過去最高水準の四半期決算を発表できたことを嬉しく思う。収益の拡大を含め様々な指標で継続的な成長を示した。4Qは 400 万人を超える顧客を獲得し合計で 7,500 万人近くの顧客を有する。ブラジルで 5 番目に大きい金融機関であり、ラテンアメリカでは顧客数で 6 番目に大きい金融機関となった
●4Qの売上高は概算で15 億ドル、前年比 112%増。 3 桁に達する成長率の原動力はブラジルの顧客基盤がより強固になったこと、サービスのクロスセルおよび顧客の利用率強化策による複合的な効果だった。利益は前年比 137%増の 5800 万ドルに達した
●22年の金利の推移は予想をはるかに上回るもので厳しい環境だった。しかしコスト管理、資金調達を鑑みたクレジット・レートの適正な運用がうまくいった
●すべての年齢層に利用される革命的なプラットフォームであるよう改善を続ける。ブラジルでは公的給与など安定的なサービス獲得を目指す。また、メキシコとコロンビア両国で普通預金口座のサービス立ち上げを計画、世界展開の初期段階にあると認識している
決算を受けたマーケットの反応
4Q決算は売上高は市場予想を上回り、利益も2四半期連続の黒字と良好な結果でした。投資家はブラジルを中心とした同社のビジネスの浸透を改めて評価したようです。顧客基盤を確固としつつ国内の潜在成長力は依然高く、加えてメキシコ、コロンビアなどにも展開。そして大株主にはセコイア・キャピタルやテンセントなど、デジタル・プラットフォーマーを見出す実績に長けた企業が名を連ねる同社。米国の金利政策による不透明感は漂いますが、IPO価格の9ドルを大きく下回る現在の株価は投資意欲をそそります
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:6.09ドル(2/14時点)