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1Q(1-3月期)決算速報(現地4/24寄り前発表)
●決算発表当日の株価:63.95ドル(-0.16%)
●調整後売上高:109.6億ドル(予想108.4億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.68ドル(予想0.65ドル)〇市場予想を上回った
●調整後オーガニック売上成長:12.0%増(予想9.62%増)〇市場予想を上回った
●2023/12期通期調整後オーガニック売上成長見通し:7.0〜8.0%増で据え置いた(予想7.84%)×中間値が市場予想を下回った
●2023/12期通期比較可能EPS見通し:4.0〜5.0%増で据え置いた(前年は6.0〜7.0%増)
●2023/12期通期CAPEX(資本的支出)見通し:19億ドルで据え置いた(前年は15億ドル)
売上高、調整後EPSともに市場予想を上回りました。しかし通期のオーガニック売上高見通しは市場予想中間値を下回りました。株価は引けにかけ値を消しましたが3月末から続く上昇トレンドは維持しております。
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●ユニットケース販売量:3.0%増(前四半期は1.0%減)
「ユニットケース」は全世界のコカ-コーラで使用される共通のケース単位(5.678リットル)
●調整後オーガニック売上成長:12%増(予想9.6%増)〇市場予想を上回った
●調整後粗利益率:60.9%(予想59.3%)〇市場予想を上回った
●北米売上高:39.0億ドル(予想39.4億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●欧州・中東・アフリカ売上高:20.1億ドル(予想18.2億ドル)〇市場予想を上回った
●アジア太平洋売上高:13.6億ドル(予想14.4億ドル)×市場予想を下回った
●南米売上高:13.9億ドル(予想13.0億ドル)〇市場予想を上回った
経営陣の主なコメント
●本年も幸先の良いスタートをきった。経済環境はダイナミックに変化するが当社は全天候型の戦略を有する。ローカルで勝利し、グローバルに卓越性を追求する。通期の会社計画は達成可能とみている。
●消費者の状況は世界で異なる。アジア太平洋は中国の経済活動再開で消費活発、インドは雇用強く消費堅調で牽引力がある。日本は数年ぶりにインフレ圧力を意識している。欧州は銀行危機・エネルギー危機により消費行動が読みづらい。米国は低失業率、ガソリン価格の改善はプラス要因だがインフレと住宅ローン金利上昇は懸念材料だ。
●アルコール飲料の拡販を継続中。ブラウン・フォーマンと協力してコーラとジャックダニエルのカクテル販売をリリース。販売が拡大するにつれて消費者の支持も高まり手ごたえを感じている。
●フェアライフ(北米のミルクブランド)は昨年10億ドルのブランドに成長した。デジタル・ファーストのキャンペーンを展開、消費者の関心は高く販売チャネルと製品を拡充予定。
●発展途上国では手ごろな価格で提供、インドネシアとベトナムでは販売量が二桁成長を遂げ、特にベトナムではスパークリング飲料が記録的に伸びた。
●プロモーションの一貫でOpenAI、ChatGPT、DALL-Eを使用して広告をデザイン、タイムズ・スクエアの看板に登場させた。
決算を受けたマーケットの反応
●売上高、調整後EPSともに市場予想を上回りました。しかし通期のオーガニック売上高見通しは市場予想中間値を下回りました。株価は引けにかけ値を消しましたが3月末から続く上昇トレンドは維持しております。
●世界の景気動向に左右されること無く、安定した業績を示した同社。下期に向けてはパンデミック後の消費拡大が追い風になるものと期待されます。くわえてアルコール飲料や健康を重視する消費者向けなど新たな成長分野も有する同社。株価の先行きは明るいと言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:68.58ドル、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.43、配当利回り2.88%(4/24時点)