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1Q(1-3月期)決算速報(現地4/27寄り前発表)
●決算発表当日の株価:47.19ドル(+1.07%)
●売上高:47.6億ドル(予想49.1億ドル)×市場予想を大きく下回った
●調整後EPS:1.18ドル(予想1.18ドル)△市場予想と一致した
●2023/12期通期調整後EPS見通し:4.98〜5.13ドルで据置いた(予想5.06ドル)△中間値が市場予想とほぼ一致した
●売上高総利益率:69.9%、前四半期は69.1%
売上高は市場予想を大きく下回りました。調整後EPSは市場予想と一致しました。売上高の落込みは消費者のタバコ離れが加速している模様です。
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●タバコ関連製品売上高:41.6億ドル、前年同期比-1.4%(予想44.6億ドル)X市場予想を大きく下回った
●オーラル・タバコ製品売上高:6.0億ドル、前年同期比+2.7%(予想5.9億ドル)〇市場予想をわずかに上回った
●電子タバコを取扱うNjoyホールディングスを買収した
たばこ販売本数等
シガレット(紙巻き):183億本、前四半期は197.1億本(予想191億本)X市場予想を大きく下回った
シガ−(葉巻):4.44億本、前四半期は4.25億本(予想4.33億本)〇市場予想を上回った
オーラルたばこ(無煙):1.91億本、前四半期は1.97億本(予想1.91億本)△市場予想と一致した
経営陣の主なコメント
●1-3月期の消費者の可処分所得はインフレなどにより圧迫されている。22年4-6月期から喫煙者の行動は変化を見せており売上高が減少傾向にある。
●オーラル・ニコチン・パッチは継続的に成長している。20四半期連続で伸びを示しており、米国のタバコ・カテゴリーのシェアでは前年同期の19.1%から26.2%に拡大した。
●1-3月期は17億ドルの配当金を支払った。28年までの長期配当計画を発表した。
●NJOYの買収発表のタイミングを考慮し自社株買いは実行しなかった。3月末時点の自社株買い枠は10億ドルある。
決算を受けたマーケットの反応
●売上高は市場予想を大きく下回りました。調整後EPSは市場と一致しました。売上高の落込みは消費者のタバコ離れが加速している模様です。
●安定的業績を誇る同社にとって1-3月期の売上高が市場予想を大きく下回ったのはネガティブ・サプライズでした。一部アナリストは「過去 10 年間で最悪の部類に入る」と指摘しています。消費者のタバコ離れがおさまらず、電子タバコなど他商品でのカバーにも限界があるようです。「喫煙の先」という経営テーマを掲げる同社ですが、生き残り戦略は喫緊の課題と言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:49.35ドル、アナリスト・レーティングは5段階評価の3.40、配当利回り7.97%(4/27時点)
※配当利回りは、配当頻度を基に算定した過去12ヵ月間の配当落ち後の1株当たり配当額の合計を直近の株価で割った値。