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1Q(1-3月)決算速報(現地5/4引け後発表)
●決算発表翌日の取引:173.57ドル(+4.69%)
●売上高:948.4億ドル(予想926.0億ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:1.52ドル(予想1.43ドル)〇市場予想を上回った
売上高、EPSとも市場予想を上回りました。なかでも売上高の半分近くを占めるiPhoneが市場予想のマイナス成長に対してプラスで着地。同社のブランド力の再評価につながり株価は好意的な反応を示しました。
決算発表翌日のチャート
※通常、引け後のチャートを記載しておりますが、今回はGW連休中に決算発表をしているため決算発表翌日のチャートを採用します。
決算のポイント
製品別売上高
●iPhone 513.3億ドル、前年同期比+1.5%(予想489.7億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●Mac 71.7億ドル、前年同期比-31.0%(予想77.4億ドル)x市場予想を下回った
●iPad 66.7億ドル、前年同期比-13.0%(予想66.9億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●ウェアラブル・家電87.6億ドル、前年同期比-0.6%(予想85.1億ドル)〇市場予想を上回った
サービス収入
●209.1億ドル、前年同期比+5.5%(予想211.1億ドル)×市場予想にわずかに届かなかった
地域別売上高
●北米:377.8億ドル(予想404.5億ドル)×市場予想を下回った
●欧州:239.5億ドル(予想219.9億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●大中華圏:178.1億ドル(予想171.6億ドル)〇市場予想を上回った
●日本:71.8億ドル(予想68.1億ドル)〇市場予想を上回った
●その他アジア太平洋:81.2億ドル(予想68.5億ドル)〇市場予想を大きく上回った
経営陣の主なコメント
●1-3月期におけるiPhone売上高は過去最高だった。
●サービス事業の売上高が過去最高を更新した。
●インストールベースの端末稼働台数が過去最高を更新した。
●営業キャッシュ・フローは286億ドル。株主には230億ドル(約3.1兆円)を還元した。11年連続で増配を決定、追加で上限900億ドルの自社株買いを承認した。
●インドで直営店2店舗目をオープン、1-3月期の売上高は過去最高。世界最多の人口を抱えるインド。消費と製造拠点を兼ね備える存在で巨大市場のポテンシャルを強調。
決算を受けたマーケットの反応
機能的な目新しさは薄れたとはいえ、ハイエンドモデルとしての地位を揺るぎないものとするiPhone。看板商品を軸に堅実な成長とサービス事業で利益を稼ぐ同社のビジネスモデルは評価が高いと言えよう。予想PERは29.1倍とS&P500指数の18.8倍と比較すると高めだが、ナスダック100指数の26.2倍と比較するとさほど割高感は感じられません。インドを始めとしたエマージング市場の潜在力や、AR・VRなどウェアラブル製品への期待。さらには金融サービスの展開力や自動車事業への進出といった次なるボーナス・ステージを考えると同社株への投資は早い方が良さそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:179.15ドル、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.42(5/5時点)