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1Q(1-3月期)決算速報(現地5/15引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):6.58ドル(+8.05%)
●売上高:16.2億ドル、前四半期は14.5億ドル(予想14.7億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●純損益:1.42億ドル、前四半期は0.58億ドル 前四半期から黒字が大きく拡大した
●顧客口座:7,910万、前年同期比+33.0%(予想7,960万)×市場予想にわずかに届かなかった
●現金同等物:43.1億ドル、前四半期は41.7億ドル(予想36.6億ドル)〇市場予想を大きく上回った
売上高が市場予想を大きく上回り、利益も黒字が拡大。前四半期に続いて好調な決算を好感、株価は引け後の取引で8%を上回る上昇となりました。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●早期延滞指標(15日から90日延滞したローン)は、3月は4.4%(12月は3.7%)とわずかに上昇、90日以上延滞したローンの割合は同5.5%(12月は5.2%)だった。
●顧客口座は450万増で7,910万口座、4月には8,000万口座に達した。ブラジルの成年人口の46%を占める。月間稼働顧客は82%に達する。
●事業の収益化は順調に推移。純損益は3四半期連続で黒字を確保、前四半期の0.58億ドルから大きく拡大する1.42億ドルに達した。
経営陣の主なコメント
●財務指標は健全かつ堅調。売上高も増加し収益も拡大している。顧客数は過去 2 年間で大きく増加。2021 年初の 3,700 万人から1Qには 7,900 万人以上へと倍増、4 月には8,000 万人を超えた。
●進出後3 年が経過したメキシコとコロンビアでは人口に占める当社の割合は依然低く、大きな成長余地を感じる。両国での事業は当初ブラジルで経験したことよりもポジティブだ。顧客の増加速度、早期の収益化まで、事実上すべての指標でブラジルを上回っており、計画は予想を上回っている。両国で当座預金口座を開設できるようになれば、成長は加速すると見ている。
●不良債権は季節的には1Qがピークになる傾向がある。15〜90日延滞債権比率は 4.4%で4Qから70 ベーシスポイント増加した。これは、当社の過去の傾向より 10 ベーシスポイント低い結果だった。
決算を受けたマーケットの反応
売上高は市場予想を大きく上回り、利益でも3四半期連続で黒字を確保と黒字が定着してきた様子。主たる事業基盤であるブラジルでの存在感は高く、成人人口の46%を顧客として抱え、稼働率も高い。加えてメキシコ、コロンビアでの事業も順調な様子。
ブラジルは先進各国に先んじて政策金利を21年3月より引上げ、現在は13.75%となっている。インフレや景気不透明感から同社の不良債権の悪化が懸念されたが、わずかに留まり不安払拭の結果となった。現在、死角らしい死角が見当たらない同社、株価は3〜6ドル台のボックス圏から離脱の気配を示しており、一段高の可能性も感じられる。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:7.00ドル、アナリスト・レーティングは5段階評価の3.90(5/15時点)