1Q(2-4月期)決算速報(現地5/31引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):141.40ドル(-11.70%)
●売上高:6.93億ドル(予想6.77億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.57ドル(予想0.50ドル)〇市場予想を上回った
●5-7月期売上高見通し:7.17〜7.27億ドル(予想7.19億ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●5-7月期調整後EPS見通し:0.54〜0.57ドル(予想0.54ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●2024/1期通期売上高見通し:30.0〜30.4億ドル、今までの29.6億〜30.1億ドルから引上げた(予想30.0億ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●2024/1期通期調整後EPS見通し:2.32〜2.43ドル、今までの2.21〜2.39ドルから引上げた(予想2.33ドル)〇中間値が市場予想を上回った
Q1の調整後EPS、売上高実績や、同じくQ2、24年通期の会社予想も市場予想を上回りました。しかしながら受注の陰りを嫌気したようで、株価は引け後の取引で約11%の急落となりました。
引け後の時間外取引チャート
決算のポイント
●ARR(年間経常収入):27.3億ドル、前四半期は25.6億ドル(予想27.2億ドル)〇市場予想をわずかに上回った
●ネットの新規ARR(年間経常収入):1.74億ドル、前四半期は2.22億ドル(予想1.62億ドル)〇市場予想を上回った
●予想比較フリーキャッシュフロー:2.27億ドル(予想2.27億ドル)△市場予想と一致した
●サブスクリプション顧客(5モジュール契約):+62.0%(前年同期比横ばい)
●株式報酬:1.31億ドル(予想1.48億ドル)〇市場予想より少なかった
経営陣の主なコメント
●AI化、コンソリデーション化(設備統合)、クラウド化という 3 つのメガトレンドが展開し続ける中、当社サービスの優位性は高まろう。
●生成AIは悪意のあるサイバー攻撃者にとっても有力なツールだ。高度な技術が無くても攻撃力を高め、容易にし規模は大きくなろう。
●当社はAIを活用した技術の蓄積がある。新しい生成型 AI サイバーセキュリティである「Charlotte AI」をローンチした。このサービスにより顧客のスキルを問わずに脅威の検出、修復など迅速かつ効率的な対応が可能になる。
●1QのARRは1.74億ドルで会社計画を上回った。大口顧客との契約継続に下期への手ごたえを感じている。1 年前に比べて8 以上のモジュールを含む成約件数は50%以上増加した。
●本日、米国政府からインパクト・レベル 5 の暫定認可を得た。これにより米国防総省に幅広い安全保障システムの納入が期待できよう。
決算を受けたマーケットの反応
Q1実績、Q2および24年通期の会社予想も市場予想を上回る決算発表でしたが、株価は引け後の取引で約11%の急落となりました。成長期待が強かった半面、受注残の弱さを指摘する声も目立ち、売り先行となったようです。経営陣は、生成AIが攻撃者にも有力なツールになり得る事実を指摘。下期の手ごたえを示唆しております。ChatGPTなど生成AIにより、サイバー・セキュリティの関心が高まるなか、株価の調整局面は投資の好機かもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:171.32ドル、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.73(5/31時点)