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2Q(4-6月期)決算速報(現地7/18寄り前発表)
同社はJPモルガンやシティなどと並ぶ米銀大手で世界規模で事業を展開する。米証券大手のメリル・リンチを2009年に買収、統合した。
●決算発表当日の株価:30.70ドル(+4.42%)
●経常収益(予想/比較):253.3億ドル(予想250.7億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.88ドル(予想0.84ドル)〇市場予想を上回った
●ROE(自己資本利益率:普通株ベース):11.2%(予想10.7%)〇市場予想を上回った
●ROA(総資産(平均)利益率):0.94%(予想0.88%)〇市場予想を上回った
経常収益と調整後EPSが市場予想を上回りました。特に証券部門である債券と株式のトレーディング収入が予想外に増加。好感した株価は4.4%高と大きく上昇しました。
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●純利息収入142.9億ドル(予想143.5億ドル)×市場予想を下回った
●純利息マージン2.06%(予想2.14%)×市場予想を下回った
●貸倒引当金11.3億ドル(予想12.1億ドル)〇市場予想より少なかった
●不良債権残高41.3億ドル(予想42.5億ドル)〇市場予想より少なかった
●投資銀行収入12.1億ドル(予想11.5億ドル)〇市場予想を上回った
●FICC(債券/為替/商品)トレーディング収入27.6億ドル(予想24.4億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●株式トレーディング収入16.2億ドル(予想15.4億ドル)〇市場予想を上回った
●人件費94.0億ドル(予想95.0億ドル)〇市場予想より少なかった
経営陣の主なコメント
●全ての事業でオーガニック・グロース(買収などを除く自律的成長)を達成した
●モイニハンCEO:米国経済は引続き健全と見込む、緩やかな拡大を維持
●CFO:総損失レートはパンデミック前の水準を維持している
●CFO:米国消費は健全で依然、強いと見ている
決算を受けたマーケットの反応
銀行部門は預金金利引上げ圧力が純金利収入を圧迫しているものの、大手行である同社は経営の安定感から顧客を増やし、融資も拡大させています。また証券部門では債券・株式トレーディングが好調。投資銀行部門も存在感を発揮。年後半はIPOマーケットの活況も見込まれ、収益増加の期待が高まります。
株価は予想PER9.1倍、予想配当利回り2.87%と割安感が感じられる水準。決算発表をきっかけに22年末から続くボックス圏を上放れる様子をみせており、エントリー・タイミングとしては良さそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:35.89ドル、アナリスト・レーティング:5段階評価の3.93、最低投資金額:約4,300円(7/18時点)