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2Q(4-6月期)決算速報(現地7/19引け後発表)
190ヵ国に展開、会員総数2億3000万人超、世界最大級のインターネット動画配信サービス企業。圧倒的なコンテンツ制作力や、提案ノウハウが強味。
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):438.15ドル(-8.26%)
●売上高:81.9億ドル、前年同期比+2.7%、(予想83.0億ドル)×市場予想を下回った
●EPS:3.29ドル、前年同期+2.8%(予想3.20ドル)〇市場予想を上回った
●有料契約者純増数:589万人増、前年同期は-97万人(予想207万人増)〇市場予想を大きく上回った
●7-9月期売上高見通し:85.0億ドル(予想86.7億ドル)×市場予想を下回った
●7-9月期EPS見通し:3.52ドル(予想3.23ドル)〇市場予想を上回った
●2024/12期通期フリーキャッシュフロー見通し:今までの最低30億ドルから、最低でも50億ドルに上方修正(予想38.6億ドル)〇市場予想を上回った
●2024/12期通期営業利益率見通し:18〜20%を据え置き(予想19.0%)△中間値が予想と一致
2Qの売上高実績、3Qの同見通しが市場予想を下回ったことから引け後の取引で株価は8.3%程下落しております。ただ決算発表前の2営業日で6%ほど上昇しており、その上昇分と期待値が剥落したと言えそうです。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●営業利益率:22.3%、前年同期19.8%(予想19.1%)〇市場予想を上回った
●フリーキャッシュフロー:13.4億ドル、前年同期は0.13億ドル(予想5.4億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●総契約者数:2.384億人、(予想2.345億人)、前四半期2.325億人 〇市場予想をわずかに上回った
◆地域別有料契約者動向
●北米:117万人増(予想8.9万人増)〇市場予想を大きく上回った
●欧州中東アフリカ:243万人増(予想54.1万人増)〇市場予想を大きく上回った
●南米:122万人増(予想32.3万人増)〇市場予想を大きく上回った
●アジア太平洋:107万人増(予想120.0万人増)×市場予想を下回った
●アカウントの使い回し防止策を拡大、ほぼすべての国に適用。かつ広告付加プランの着実な成長により2023 年下半期は収益の伸びは加速すると予想。
●新規会員は589万人増加。2Qとしては過去最高。
●広告付加プランの会員数は1Qからほぼ倍増。ただ現在は会員数のベースが小さいため広告収入の規模は小さい。
●フリー キャッシュ・フローは上方修正したが、これはハリウッド(全米脚本家組合および全米映画俳優組合)の ストライキにより23 年比較でコンテンツ向け支出が当初予想よりも減少する影響を含んでいる。
経営陣の主なコメント
●増収は新規の有料会員増加によるものが主。これは今年の主要施策であり、計画通りに進んでおり、今後数四半期にわたり拡大するとみている。
●北米は広告収入が他地域より良好。現在は初期段階だが市場規模は大きい。
●ハリウッドのストライキは24年のフリーキャッシュフローに打撃。
●将来的には値上げを考えている。
●アカウントの使い回し防止策強化による脱会などの影響は見られない。
●自社株買いは下半期により加速させる。
決算を受けたマーケットの反応
2Qの売上高実績と3Qの売上高見通しが市場予想を下回ったものの、決算内容自体は良好なデータも多い内容でした。
ハリウッドのストライキは過去最短1日、最長で3ヶ月ほど。ストの影響が同社の業績に直接的な影響を及ぼすかは不透明で悲観する必要もなさそうです。一方、アカウントの使い回し防止策の影響があるとは言え会員数は、2Qでは過去最高となる589万人の増加。懸念された解約も見られない模様。防止策の導入は順調とみられ今後の増収要因と期待できそうです。規模の大きな北米で広告付きプランの拡大余地なども見込まれる同社。足元の株価はスピード調整を経つつ、上昇トレンド継続が期待できそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:430.63ドル
アナリスト・レーティング:5段階評価の3.91
最低投資金額:約67,000円(7/19時点)