keBu.Medien - stock.adobe.com
1Q(7-9月期)決算速報(現地10/24引け後発表)
アメリカを代表するビッグ・テックの一角。クラウド・サービスのアジュール、Microsoft365などのソフトウェア、WindowsやSurface、ゲームなどの事業などを展開。投資するオープンAI社の技術、「ChatGPT」などのAIテクノロジーが新たな成長の起爆剤と期待されます。
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):343.60ドル(3.95%)
●売上高:565.2億ドル(予想545.4億ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:2.99ドル(予想2.65ドル)〇市場予想を上回った
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
1Q(7-9月)実績値
●プロダクティビティ&ビジネスプロセス収入:185.9億ドル(予想182.9億ドル)〇市場予想を上回った
●インテリジェントクラウド収入:242.6億ドル(予想236.1億ドル)〇市場予想を上回った
●パーソナルコンピューティング売上:136.7億ドル(予想128.9億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後売上総利益率:71.2%、前四半期は70.1%(予想69.3%)〇市場予想を上回った
●アジュール前年同期比成長率:29.0%(予想27.6%)〇市場予想を上回った
●株主還元は91億ドルを実施。うち36億ドルを自社株買い、56億ドルを配当金として支払った
2Q(10-12月)会社予想 カンファレンスコールより
●プロダクティビティ&ビジネスプロセス収入見込み:188.0〜191.0億ドル(予想190.0億ドル)×中間値が市場予想をわずかに下回った
●インテリジェントクラウド収入見込み:251.0〜254.0億ドル(予想251.8億ドル)〇市場予想を上回った
●パーソナルコンピューティング売上見込み:165.0〜169.0億ドル(予想150.7億ドル)〇下限も市場予想を大きく上回った
●アジュール前年同期比成長率見通し(為替変動含まず):26〜27%(予想25.5%)〇下限も市場予想を上回った
経営陣の主なコメント
●新規顧客を含む18,000超の組織がアジュール・オープンAI・サービスを使用している。主要なAIスタートアップ企業もオープンAIを使用して AI ソリューションを強化。デジタル・ファースト企業とのリーチを拡大しており、それらの企業もアジュールの顧客になる好循環を生んでいる
●前四半期に導入した「ファブリック」が好調(前四半期では8,000社が利用)。同サービスを使用して、コンピューティング、ストレージ、ガバナンスなど包括的な分析ソリューションに統合。使用企業は、フォーチュン 500にランクする企業の50% 以上を含む16,000社が積極的に使用している
●*Copilot(コパイロット)も好調。これまでに、3M、ルーメン・テクノロジーズ、トヨタなど126,000 社がCopilotなどを使用している
*Microsoft 365 CopilotはOpeAIのGPT-4をベースとした大規模言語モデル(LLM)。LLMをTeams、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどの各Officeアプリケーションに組み込み、組織内のチームやメンバーの生産性の向上や業務効率化を改善するためのツール
●*Teamsは月間アクティブ ユーザー数が 3 億 2,000 万人を超えた。使用量は増加し続けておりチャット、コラボレーション、会議、通話などデファクト・スタンダードになりつつある。今四半期当社は最大2 倍高速化しつつもメモリ使用量を 50% 削減した新バージョンの Teams を導入した。Teamsの売上高は9四半期連続で大きな成長を遂げている
*主にOffice365ベースで提供されるグループウェア。チャット、ファイル共有、ビデオ会議など様々な機能をアプリを切り替える必要なく利用可能、業務効率化を図る
●検索、広告、ニュースではBingのユーザーは19 億件以上のチャットに参加。Microsoft Edge は10 四半期連続でシェアを伸ばしている
決算を受けたマーケットの反応
クラウド事業のアジュール中心に事業好調。景気に先行き不透明感が漂うなか企業の設備投資は抑制が懸念される。しかし同社はAI活用を中心とした業務効率化、攻めの合理化の恩恵を受けている模様。法人向け展開力の強さに目を見張る。現在、予想PERは29.9倍。24年も売上二桁成長が見込まれる同社。今後の成長ポテンシャルを考えると、株価の先行きは楽観できそうだ
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:398.39ドル
アナリスト・レーティングは5段階評価の4.77
最低投資金額:49,600円(10/24終値、1米ドル150円として換算)