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3Q(7-9月期)決算速報(現地10/26引け後発表)
米国半導体最大手の一角、製品および技術の設計と製造に従事。バイデン政権がすすめる半導体国内生産のキープレイヤーの一社。パット・ゲルシンガーCEOのもと攻めのリストラを実行、業績回復傾向強まる。王者復活を目指す。
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):35.01ドル(+7.66%)
●売上高:142.0億ドル、前四半期は129.0億ドル(予想135.4億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後EPS:0.41ドル、前四半期は0.13ドル(予想0.21ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後粗利益率:45.8%、前四半期は39.8%(予想43.1%)〇市場予想を大きく上回った
●10-12月期調整後売上高見通し:146〜156億ドル(予想143.5億ドル)〇下限値も市場予想を上回った
●10-12月期調整後EPS見通し:0.44ドル(予想0.31ドル)〇市場予想を大きく上回った
●10-12月期調整後粗利益率見通し:46.5%(予想44.2%)〇市場予想を大きく上回った
売上高、調整後EPSの実績値が市場予想を上回りました。また、10-12月の売上高、調整後EPS、粗利益率は市場予想を大幅に上回りました。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
事業別売上高
● クライアント・コンピューティング 売上高: 78.7億ドル(予想 73.5 億ドル)〇市場予想を大きく上回った
● データセンター・AI 売上高: 38.0 億ドル(予想 39.4 億ドル)×市場予想を下回った
● ネットワーク・エッジ 売上高: 14.5 億ドル(予想 13.7 億ドル)〇市場予想を上回った
● モービルアイ 売上高: 5.30 億ドル(予想4.87億ドル)〇市場予想を大きく上回った
● ファウンドリー・サービス 売上高: 3.11億ドル、前四半期は2.32 億ドル(予想 2.54 億ドル)〇市場予想を大きく上回った
7/27発表の会社見通しに対する結果
●7-9月期調整後売上高見通し129〜139億ドルに対して着地:142.0億ドル
●7-9月期調整後EPS見通し:0.20ドルに対して着地:0.44ドル
●7-9月期調整後粗利益率見通し:43.0%に対して着地:45.8%
経営陣の主なコメント
●3Qは素晴らしい成果だった。3 四半期連続で会社予想を上回る着地となった。売上高は会社予想の上限を上回り、EPSは強力な営業とコスト削減の両面から好結果を得た
●ファウンドリー サービスでは、AIをあらゆる分野に導入する当社戦略において好結果を得て、主要目標を達成した四半期となった
●*インテル18A に関する重要なマイルストーンに到達、顧客に間もなく提供できるとみている。24 年第 1 四半期には製造工程に投入予定で、予想より早く進んでいる(*インテル18A:1.8ナノ相当の最先端半導体チップ)
●AI向けのアクセラレータ製品群では*Gaudiが好調。顧客の引合い強い(Gaudi:AI向け最先端プロセッサー)
●モービルアイは引き続き好調。3Qの売上高は 5.3億ドル、前年同期比 18%増、前四半期比 17% 増。連結ベースの営業利益は 1.7億ドルで、前四半期比 32%だった
●インテルはイスラエルに進出して約50 年。インテル7などを製造する複数拠点を有する。紛争は発生しているが工場は稼働している
決算を受けたマーケットの反応
半導体設計分野ではエヌビディア、AMDの追撃を受けるインテルだが、この数四半期は業績改善傾向が強まっている。ゲルシンガー氏がインテルに復帰しCEOに就任してから約2年半を経て改革の成果が出始めた模様。景気の不透明感は同社にも覆いかぶさるものの、AI向けの伸びとPC向けの回復に同社の経営改善効果から粗利益率の上昇は継続すると見られる。株価は5年来の安値、24.59ドルを大底に上放れの期待が高まる
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:37.33ドル
アナリスト・レーティングは5段階評価の3.13
最低投資金額:4,900円(10/26終値、1米ドル150.4円換算)