3Q(7-9月)決算速報(現地11/2引け後発表)
2003年に創業したビッグデータ分析などのソフトウェアを提供する企業です。米国のテロ対策当局や国防総省でも使用されている「Palantir Gotham(ゴッサム)」、組織のデータを一元的に扱うためのオペレーティングシステムを提供する「Palantir Foundry(ファウンドリー)」のプラットフォームを擁します。またAIを活用した新サービス「AIP(Palantir Artificial Intelligence Platform)」。3本目の柱に成長するかサービス内容を見極めたいところです。
●決算発表翌日の株価:18.89ドル(+5.12%)
●売上高:5.58億ドル(予想5.56億ドル)〇市場予想をわずかに上回った
●調整後EPS:0.07ドル(予想0.057ドル)〇市場予想を上回った
●予想比較フリー・キャッシュフロー:1.32億ドル、(予想1.22億ドル)〇市場予想を上回った
●10-12月期売上高見通し:5.99〜6.03億ドル(予想5.99億ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●10-12期調整後営業利益見通し:1.84〜1.88億ドル(予想1.78億ドル)〇下限値も市場予想を上回った
●12月期通期売上高見通し:22.2億ドル、今までの22.1億ドル以上から修正(予想22.1億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●12月期通期調整後営業利益見通し:6.07〜6.11億ドル、今までの5.76億ドル以上から上方修正(予想5.78億ドル)〇市場予想を大きく上回った
日足チャート(6ヶ月)
※通常レポートを公開する決算発表翌日が日本の祝日だったため、今回は決算発表翌日の日足チャートを使用しております
決算のポイント
●政府向け売上高:3.08億ドル(予想3.19億ドル)×市場予想を下回った
●民間向け売上高:2.51億ドル(予想2.37億ドル)〇市場予想を上回った
●顧客数は前年同期比+34%の453社、(予想447社)〇市場予想を上回った
●請求額 :5.50億ドル(予想5.44億ドル)〇市場予想を上回った
●4四半期連続でGAAPベースの黒字を達成した
●5ヶ月前にリリースしたAIPは既に300近い組織が利用。その業種はエネルギー、金融、医療、ヘルスケアなど多岐にわたる
●利用企業の中にはシスコ・システムズ、ヤマト運輸、富士通、インテュイット、NYSE、ユナイテッド航空などがある
経営陣の主なコメント
●4四半期連続でGAAPベースの黒字を達成した。なかでも米国の民間向け事業が加速。売上高は前年同期比33%増となった。
●米国の法人顧客数は、前四半期比で12%増。3年前から10倍増となった
●米国最大規模の住宅会社と複数年4,000万ドル規模のパイロット契約を締結するなど大規模ディールが増えている。これらにも*AIPの効果が働いていると言えよう
*AIP(Artificial Intelligence Platform:人工知能を活用したプラットフォーム)
決算を受けたマーケットの反応
4四半期連続でGAAP黒字を達成。顧客基盤も米国を中心に拡大しており黒字体質が定着した模様。また新たに提供するAIを活用したサービス、AIPが業種を問わず好調。ロシア-ウクライナ問題に加え、中東紛争の影響がサイバーセキュリティに対するニーズを更に高めているようです。S&P500指数採用期待とあわせて、株価は上値追いが期待できそうです
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:15.76ドル
アナリスト・レーティング:5段階評価の2.90
最低投資金額:2,900円(11/3終値、1ドル150円換算)