4Q(11-1月期)決算速報(現地2/21引け後発表)
同社はAIコンピューティングの世界トップ企業の一社。ChatGPTなど革命的なプラットフォームがサービスを開始するなかGAFAを筆頭に企業がこぞってAI化に取組む。同社は半導体開発やAI向けのソリューションで業界をリード。株式時価総額では一時、アルファベット(GOOGL)やアマゾン(AMZN)をも上回り大きな存在感を放っています。
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):735.74ドル(+9.04%)
●売上高:221.0億ドル、前四半期は181.2億ドル(予想204.1億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後EPS:5.16ドル、前四半期は4.02ドル(予想4.60ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後粗利益率:76.7%、前四半期は75.0%(予想75.4%)〇市場予想を上回った
●調整後営業経費:22.1億ドル、前四半期は20.3億ドル(予想22.3億ドル)市場予想より少なかった
●2-4月期売上高見通し:240億ドル±2%(予想219億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●2-4月期調整後粗利益率見通し:77%±50bps(予想75.5%)〇市場予想を大きく上回った
11-1月期の売上高、調整後EPSは市場予想を大きく上回りました。2-4月期売上高見通しや粗利益率見通しも市場予想を上回りました。「決算への期待が高すぎる」と警戒する向きもありましたが、予想を上回る決算内容に引け後の取引で株価は9.04%上昇しました
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●データセンター向け売上高:184億ドル、前四半期は145.1億ドル(予想172.1億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●ゲーム向け売上高:29億ドル、前四半期は28.6億ドル(予想27.2億ドル)〇市場予想を上回った
●プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上高:4.63億ドル、前四半期は4.2億ドル(予想4.36億ドル)〇市場予想を上回った
●オートモーティブ売上高:2.81億ドル、前四半期は2.61億ドル(予想2.72億ドル)〇市場予想を上回った
●R&D(研究開発)費用:24.7億ドル(予想24.3億ドル)市場予想よりやや多かった
●フリーキャッシュフロー:112.2億ドル、前年同期は17.4億ドル(予想108.2億ドル)〇市場予想を上回った
●株主還元は4Qに自社株買いと現金配当で28億ドル行った。24年度通期では95億ドルの自社株買いを含む99億ドルを株主還元した
●3/4にサンフランシスコで開催されるモルガン・スタンレー テクノロジー/メディア・カンファレンスに参加。3/18〜3/21にカリフォルニアで5年ぶりに対面開催する「GTCカンファレンス」を実施
経営陣の主なコメント
●4Qの売上高は 221 億ドルと記録的な四半期となり、前四半期比で22%増、前年同期比で265%増。会社見通しの200 億ドルを大きく上回った
●アクセラレーテッドコンピューティングと生成AIは転換点を迎えた。企業、業界、国境を超えて世界的に需要が急増している。1 兆ドル規模のデータセンターのインフラでは汎用コンピューティングから高速コンピューティングへと急速に移行している
●Hopper アーキテクチャ製品の供給能力が改善、また同製品に対する需要は依然として非常に好調である
●あるEコマースの企業は早期に AI を導入、検索から電子商取引、ソーシャル・メディア・ニュースやビデオ・オン・デマンド、エンターテイメントに至るまで、ディープ・ラーニング・ベースのレコメンデーション・システムに AIを活用している
●この1 年で最も注目すべきトレンドの 1 つは、自動車、ヘルスケア、金融サービスなどの業界全体でAI の大幅な導入が見られること。 NVIDIAは、自動運転、創薬、不正検出のための低遅延のマシン・ラーニング、ロボティクスなどの垂直領域で企業が AIを導入できるよう支援する複数のアプリケーションを提供している
●新型AI向けプロセッサー「H200」は従来モデル「H100」の推論パフォーマンスのほぼ 2 倍に達する。需要は旺盛
●米国政府は中国向けのNVIDIAアクセラレーション・コンピューティング、 最新AIの機能を規制している。一方、中国で成功することも可能な限り望んでいる。当社は中国向けの製品提供をリセットし、現在はサンプリング中。ビジネスは大幅に減少し今四半期も同様になると予想しているが、最善を尽くす
決算を受けたマーケットの反応
「世界中が注目する」とまで報じられた、エヌビディアの4Q決算。昨年の決算発表以降、急騰する株価から期待が高すぎるのでは!?と一部には警戒する声もありました。ふたを開けてみると11-1月期の売上高、調整後EPSは市場予想を大きく上回り、2-4月期売上高見通しや粗利益率見通しも市場予想を上回りました。
同業でライバルのAMDは昨年12月にメモリーを含むAIアクセラレータの最大市場規模(TAM)を1,500億ドルから4,000億ドル(約60兆円)に引き上げました。今回のエヌビディアのカンファレンスコールでは、それを裏付けるように自動車、ヘルスケア、金融サービスなどの業界全体でAI の大幅な導入が見られるとコメントしております。同市場で圧倒的シェアNo1と目されるエヌビディア。株価上昇はまだ初期段階かもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:735.99ドル
アナリスト・レーティングは5段階評価の4.77
最低投資金額:101,300円(2/21終値、1ドル150円換算)