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2024-05-03 12:43:12

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “「痛み」に備える投資、供給制約緩和メリット銘柄”

“「痛み」に備える投資、供給制約緩和メリット銘柄”

2022/8/30
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“「痛み」に備える投資、供給制約緩和メリット銘柄”

  • 26日、ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル議長が約8分間の短い講演を行ったが、その株式市場への衝撃はダウ(工業株30種)平均株価の終値を前日比1000ドル超安まで突き落す大きなものとなった。金融引き締めは、家計や企業に「痛み」を伴ったとしてもインフレが抑制されるまで必要であり、やり遂げるまで続けるという内容であり、株価の下落も厭わないと言うに等しいものと言える。
  • その一方、26日の米国債市場は、2年債が一時3.4%を突破して「景気後退の予兆」とされる長短逆イールドは拡大したものの、10年債利回りの終値は前日比横ばいと何事もなかったかのようだった。つまり、債券市場にとってはパウエル議長発言は想定の範囲内であり、株式市場のショックが金融市場全体に影響するものではないということを示唆するものと考えられる。株式市場において6月下旬以降のガソリン価格低下を契機として、インフレのピークアウト観測から来年早期の利下げ観測といった行き過ぎた期待が足元の株価上昇に繋がっていたことの反動安と捉える余地があり、今回の株価下落が更なるパニック的な暴落に繋がるリスクは限定されていると考えられよう。
  • 家計や企業に伴う「痛み」は、景気後退で現れる可能性が高い。投資の観点からは景気後退の影響を受けにくい銘柄への投資、またはETFを通じた長期国債への投資が考えられる。先週号(2022年8月23日号)で述べた通り、消費者の財布の紐が固くなるなかで「生活防衛銘柄」へ物色が集中する可能性が高い。「1ドルショップ」のダラー・ゼネラル(DG)ダラー・ツリー(DLTR)が25日に22年5-7月決算を発表。ダラー・ツリーは相対的に高価格帯の「ファミリー・ダラー」の値下げが足を引っ張る形となり、ダラー・ゼネラルと明暗を分けた。また、売価引上げ余力のある強いブランドを擁する企業の場合、低価格PB(プライベート・ブランド)商品との競争が待っているだろう。
  • 主要企業の決算で、7/26発表のアナログ半導体のテキサス・インスツルメンツ(TXN)、8/17発表のネットワーク機器のシスコシステムズ(CSCO)など、供給網の制約による半導体不足とそれに伴う部品不足が緩んできたという話が相次いでいる。特に通信ネットワーク機器や医療機器に係る事業では、堅調な需要の中で部品不足で注文に応じられなかった事態が改善に向かう可能性が出て来た。都市封鎖で止まっていた中国の工場生産再開のほか、中国から北米への輸出に際してのコンテナ標準運賃も今年8月は1年前の約半値水準まで値下がりするなど物流コストも低下傾向だ。会社予想ガイダンスは供給制約を厳しく見積もっている場合が多いように見受けられる。(笹木)
  • 8/30号では、シエナ(CIEN)コストコホールセール(COST)キャンベルスープ(CPB)メドトロニック(MDT)テキサス・インスツルメンツ(TXN)ユビキティ(UI)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄の騰落率(8/26現在)

主要企業の決算発表予定

8月30日(火) クラウドストライク・ホールディングス、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、PVH、HP、ベスト・バイ、百度[バイドゥ]
8月31日(水)オクタ、クーパー、ブラウン・フォーマン
9月1日(木) ブロードコム、ルルレモン・アスレティカ、ホーメルフーズ、キャンベルスープ

主要イベントの予定

8月30日(火)
  • 米ニューヨーク連銀総裁が講演、ロシア軍事演習「ボストーク2022」(9月5日まで)・中国軍参加
  • 米主要20都市住宅価格指数(6月)、FHFA住宅価格指数(6月)、求人件数(7月)、消費者信頼感指数・コンファレンスボード(8月)
8月31日(水)
  • 米クリーブランド連銀総裁と米アトランタ連銀総裁が講演、G20環境・気候変動担当相会合(インドネシア・バリ)、ロシアのガスプロムがパイプライン「ノルドストリーム」停止(9月2日まで)
9月1日(木)
  • 米アトランタ連銀総裁が講演
  • 米自動車販売(8月)、米新規失業保険申請件数(27日終了週)、建設支出(7月)、ISM製造業景況指数(8月)、非農業部門労働生産性(2Q)、S&Pグローバル米製造業PMI・改定値(8月)
9月2日(金)
  • 米雇用統計(8月)、製造業受注(7月)
9月5日(月)
  • レイバー・デー(労働者の日)により米国市場休場。
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

シエナ(CIEN)市場:NYSE・・・2022/9/1に2022/10期3Q(5-7月)の決算発表を予定 

  • 1992年設立。通信ネットワークのプラットフォーム、サービスおよびソフトウェアを開発・提供し、顧客の動画・音声のデータ伝送に関するアクセスやスイッチング、データ収集を管理・サポートする。
  • 6/2発表の2022/10期2Q(2-4月)は、売上高が前年同期比13.8%増の9.49億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同19.4%減の0.50USD。顧客企業からの幅広い需要増を受けて2桁の増収率となったが、供給制約問題に伴うコスト増が響いて調整後粗利益率が同6.2ポイント低下の43.0%へ悪化。
  • 通期会社計画を下方修正。売上高の前期比伸び率を1桁台半ば(従来計画11-13%)、調整後粗利益率を40%台前半(同43-46%)とした。供給制約に伴う部品不足のため注文に対応できないこと、および部品配送促進の追加コスト等が嵩むと想定。これに対し、主要企業の決算発表で世界的な半導体供給不足が緩和している旨の発表が相次いでおり、業績上振れに繋がると期待されよう。

コストコホールセール(COST)市場:NASDAQ・・・2022/9/22に2022/8期4Q(6-8月)の決算発表を予定 

  • 1976年創業。ウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型店舗)を運営しており、生鮮・加工食品、家電や自動車関連などを卸売価格で販売する。世界の店舗数は3/3現在で828店舗。Eコマースも展開。
  • 5/26発表の2022/8期3Q(3-5月)は、総収益が前年同期比16.2%増の525.96億USD、純利益が同10.9%増の13.53億USD。総収益の内、会費収入は同9.2%増の9.84億USD。ガソリンや為替変動を除いた既存店売上高は同10.7%増と堅調に推移。その内、Eコマースは同7.9%増収となった。
  • 同社は顧客への利益還元優先により会費収入のみを粗利益の源泉とする方針のため、高インフレで消費者の財布の紐が固くなる局面の価格設定で競合他社より優位に立とう。3Qの会費収入は前四半期比でも1.8%増。8/3発表の7月のガソリンや為替変動を除いた既存店売上高は米独立記念日の閉店の影響を吸収して前年同月比7.0%増。その内、Eコマースが同11.5%増と伸びが加速。

キャンベルスープ(CPB)市場:NYSE・・・2022/9/1に2022/7期4Q(5-7月)の決算発表を予定 

  • 1869年創業(1922年設立)の加工食品会社。象徴的なブランドである濃縮スープ・インスタントスープ「キャンベルズ」のほか、鶏出し汁の「スワンソンチキンブロス」、「プレゴパスタソース」などを展開。
  • 6/8発表の2022/7期3Q(2-4月)は、売上高が前年同期比7.4%増の21.30億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同37.3%増の0.70USD。製品ブランド力を背景とした価格引上げに加え、供給制約改善に伴う生産性向上、コスト削減プログラムへの取組みにより調整後粗利益率が同0.9ポイント向上。
  • 通期会社計画は、売上高伸び率を前期比0-1%増(従来計画▲2-0%)に上方修正の一方、調整後EPSは同▲4-0%の2.75-2.85USDと据え置いた。パウエルFRB議長が26日のジャクソンホール会議でインフレ抑制が家計の痛みを伴う可能性に言及した。同社製品需要は、ファミリー層の定番として高いブランド力があることから金融引締めに伴う景気後退の影響を相対的に受けにくいとみられる。

メドトロニック(MDT)市場:NYSE・・・2022/11/22に2023/4期2Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 1949年設立の世界最大の医療機器メーカー。心臓血管疾患、最小侵襲療法・手術支援、修復治療、糖尿病などの分野で製品を提供する。本社はアイルランドのダブリンで、150ヵ国に展開。
  • 8/23発表の2023/4期1Q(5-7月)は、売上高が前年同期比7.7%減の73.71億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同16.9%減の1.13USD。為替の影響を除けば同3.3%減収、同14.7%最終減益。供給制約による部品不足のほか前年同期の人工呼吸器特需および手術件数増による反動減が響いた。
  • 通期会社計画は、既存事業売上高が前年同期比4-5%増、調整後EPSが同▲0.4-+1.8増の5.53-5.65USDと従来計画を据え置いた。同社は主に中国起因の供給制約に関して厳しい見通しを示していたが、世界的半導体不足に緩和の兆しがあることから業績上振れが期待されよう。また、同社はインスリンポンプで必要インスリン量を自動調整して投与する「人工膵臓」の開発で先行している。

テキサス・インスツルメンツ(TXN)市場:NASDAQ・・・2022/10/26に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1930年設立の半導体の設計・製造企業。アナログのIC(集積回路)にフォーカスするほか、低価格のワイヤレス・マイコンを使用して多様な製品に導入する「組み込みプロセッシング」を手掛ける。
  • 7/26発表の2022/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比13.8%増の52.12億USD、EPSが同25.7%増の2.35USD。製品別収入は、主力のアナログ半導体が同15%増の39.92億USD、組込みプロセッサが同5%増の8.21億USD。供給制約の緩和が追い風となった。前四半期比でも6.3%増収。
  • 2022/12期3Q(7-9月)の会社計画は、売上高が前年同期比5.5-14.2%増の49-53億USD、EPSが同7.7-21.3%増の2.23-2.51USD。中国工場の都市封鎖からの生産再開に伴う受注増を受けて強気の見通し。同社は、連続した変化で推移するアナログ信号を取り扱うアナログ半導体にフォーカス。アナログICは、デジタル変革(DX)に必須なIoTのセンサー需要の追い風を受けると期待される。

ユビキティ(UI)市場:NYSE・・・2022/11/4に2023/6期1Q(7-9月)の決算発表予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2003年設立の無線通信機器会社。サービスプロバイダー向けに固定無線ブロードバンド通信用ネットワーク基盤を提供。企業向けに無線LAN基盤や映像監視製品、機器間通信用製品等を提供。
  • 8/26発表の2022/6期4Q(4-6期)は、売上高が前年同期比7.3%減の4.43億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同37.7%減の1.54USD。プラットフォーム別では企業向けが同9.6%増だったが、サービスプロバイダー向けが供給制約による部品不足が響き同39.7%減。前四半期比は23.7%増収と回復。
  • 2023/6期の会社予想は未公表。同社は世界的な供給制約による部品不足のため顧客注文を満たすことができず、部品配送促進の追加コストが発生するなどに伴い業績が悪影響を受けると想定。これに対し、ネットワーク機器メーカー最大手シスコシステムズ(CSCO)が7日の決算発表で、半導体供給不足が緩和し、多くの注文に対応できているとしており、同社も課題の解消が期待されよう。
  • (※)決算発表の予定は8/26現在であり、変更される可能性があります。
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