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2024-05-02 23:11:06

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “FRBとECBの限界、ペット関連は強力なディフェンシブ”

“FRBとECBの限界、ペット関連は強力なディフェンシブ”

2022/9/6
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“FRBとECBの限界、ペット関連は強力なディフェンシブ”

  • 世界各国・地域の中央銀行は高インフレとの闘いを宣言し、利上げ競争を繰り広げようとしている。その中でも、欧州中央銀行(ECB)は8日、前例の無い0.75ポイントの利上げという金融引き締めを発表すると予想されている。20-21両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では少なくとも0.50ポイントの追加利上げが決定される公算だ。今週は、FOMCを控えて「ブラックアウト期間」(中央銀行の政策メンバーが政策決定会合の前後の時期に金融政策に関して踏み込んだ発言を行うことが禁止された期間)に入る前の最終週であり、ECB理事会と同日の8日にはパウエルFRB議長の発言も予定されている。
  • FRBとECBには、それぞれインフレとの闘いを最後までやり遂げることを困難にさせる高いハードル(制約条件)があることが注意されよう。FRBへのハードルは基軸通貨に伴う制約条件だ。FRBの金融引き締めにより世界各国は米ドル建て債務利払い費が嵩んだり、資金調達がより困難に陥ることとなり、中には通貨危機・債務危機のリスクが高まる国・地域が出ても不思議ではない。
  • 次に、ECBの前途に横たわるハードルは、相対的に財政の脆弱な国の国債利回りが急上昇する「市場分断」のリスクである。1日にイタリア10年国債利回りが6月以降で初めて一時4%を上回り、ドイツとイタリアの10年国債利回り格差が2.43ポイントまで拡大。イタリア総選挙を25日に控え、同国の財政の脆弱性に焦点が当たりやすい面も出て来よう。FRBもECBもインフレ抑制のための超タカ派スタンスが持続的なものとはなりにくい面があることは重要だろう。
  • 主要中央銀行による相次ぐ金融引き締めに伴う景気後退リスク、およびインフレに伴う消費者の購買力減退、企業のコスト上昇への抵抗力がある銘柄の物色が求められる局面である。そのような要望に応えられる「究極のディフェンシブ」と捉えられる可能性がある候補としては、ペット関連銘柄が挙げられる。最近はペットを「より密接な関係を人間と持つ動物」として「コンパニオン・アニマル(伴侶動物)」と呼ぶ風潮も高まり、消費者の財布の紐が固くなる中でも関連製品・サービスの高付加価値化が加速傾向にある。何より、飼い主がペットに対して低価格ブランドへの変更を強要できるとは考えにくく、企業はペット関連市場で一旦シェアを握れば、経済環境の如何にかかわらず成長が可能となるような強力な参入障壁を築くこともあり得よう。
  • 高インフレの中で、中高所得者層がブランド力のある製品の購買をEコマースを通じて拡大する傾向も高まっている。最近は小売りウォルマート(WMT)もEコマースを通じた中高所得者の購買が拡大。Eコマースの比率拡大は小売り企業にとって利益率上昇を通じた業績への貢献も大きいだろう。(笹木)
  • 9/6号では、ブロードコム(AVGO)チューイ(CHWY)フレッシュペット(FRPT)ファーストソーラー(FSLR)ルルレモン・アスレティカ(LULU)ネオジェン(NEOG)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄の騰落率(9/2現在)

主要企業の決算発表予定

9月7日(水)コパート
9月8日(木) ドキュサイン、ゼットスケーラー
9月9日(金)クローガー

主要イベントの予定

9月6日(火)
  • 米中間選挙予備選(マサチューセッツ州)、英新首相就任の見通し
  • S&Pグローバル米総合・サービス業PMI・改定値(8月)、 米ISM非製造業総合景況指数(8月
9月7日(水)
  • 米バーFRB副議長(銀行監督担当)講演、地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、アップル新製品発表イベント、
  • 米貿易収支 (7月)
9月8日(木)
  • 米パウエルFRB議長が講演、ECB政策金利発表・ラガルド総裁記者会見、インド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚級会合(ロサンゼルス、9日まで)
  • 米新規失業保険申請件数 (3日終了週)、消費者信用残高 (7月)
9月9日(金)
  • 米シカゴ連銀総裁が講演、米大統領がインテル新施設起工式に出席し半導体法について演説(オハイオ州)
  • 米卸売在庫 (7月)
9月11日(日)
  • 米同時多発テロから21年
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ブロードコム(AVGO)市場:NASDAQ・・・2022/12/9に2022/10期4Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 1961年設立のブロードコムを2016年にアバゴ・テクノロジーが買収。工場を持たないファブレスで無線(ワイヤレス、ブロードバンド)および通信インフラ向け半導体製品、ソフトウェアを製造販売。
  • 9/1発表の2022/10期3Q(5-7月)は、売上高が前年同期比24.9%増の84.64億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同39.8%増の9.73USD。クラウド関連の堅調な需要が牽引。部門別で主力の半導体ソリューションが同32%増収、通信インフラソフトウエアが同5%増収。全体の前四半期比でも4.5%増収。
  • 2022/10期4Q(8-10月)の会社計画は、売上高が前年同期比20.2%増の89億USD、調整後EBITDAマージンが同1.7ポイント上昇の63%。前四半期比で5.2%増収を見込む。同社CEOは、データセンター、ブロードバンド、ワイヤレスの次世代技術に対する顧客の継続的な投資の反映を強調。半導体業界の中でも、PCやスマホの需要減退の影響を受けにくい分野は好調の継続が期待されよう。

チューイ(CHWY)市場:NYSE・・・2022/12/9に2023/1期3Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 2011年に設立。ペットフードなどペット関連製品を手掛けるECサイト大手。2,000種類超のアイテムを扱う。「Autoship」と呼ばれる定額購入サービスを展開。20年10月からネット診療サービスに進出。
  • 8/30発表の2023/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比12.8%増の24.31億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同7.5倍の0.15USD。1稼働顧客当たり売上が同14.4%増、Autoship売上高が同17.4%増の17.77億USD。販売価格引き上げを受けて粗利益率が同0.6ポイント上昇の28.1%となった。
  • 通期会社計画は、売上高を前期比11-12%増の99-100億USD(従来計画102-104億USD)と下方修正の一方、調整後EBITDAマージンを1.75-2%(同0-1%)と上方修正。ウクライナ情勢や中国都市封鎖に伴う供給制約で顧客需要を捌けない状況が続く一方、販売価格引上げによる利益率向上を見込む。消費者の財布の紐が固くなる中でもペットフードの高付加価値化は加速すると期待されよう。

フレッシュペット(FRPT)市場:NASDAQ・・・2022/11/8に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2004年設立のペットフードメーカー。犬や猫の健康のため保存料、添加物、人工成分を使用しない自然で新鮮な素材で、低温加熱で栄養価を損なわず調理した冷凍食品やおやつを製造・販売。
  • 8/8発表の2022/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比34.4%増の1.46億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAが同64.6%減の385万USD。ブランド浸透に伴う成長の一方、材料コスト増、生産能力拡大や物流費用が嵩み、調整後粗利益率が同3.7ポイント、調整後販管費率が同3.6ポイント悪化。
  • 通期会社計画は、売上高は前期比35%増の5.75億USDで従来計画据え置きも、調整後EBITDAを同12%増の48百万USD(従来計画55百万USD)と下方修正。一方、資本的支出額を今年9月の新工場(フレッシュペット・キッチン)稼働による効率化で80百万USD減額の3.20億USDとした。業界団体推定で全米約6割の世帯が犬猫を飼育。犬や猫は特定のブランドからの変更を嫌がる傾向がある。

ファーストソーラー(FSLR)市場:NASDAQ・・・2022/11/4に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1999年設立の太陽電池モジュール製造会社。低コスト薄膜半導体技術を用いて太陽光発電モジュールを製造のほか、発電所プロジェクト開発に係る建設や運用・保守などのソリューションを提供。
  • 7/28発表の2022/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比1.3%減の6.20億USD、純利益が同32.3%減の55百万USD。前四半期比では、モジュール販売数量増、および日本プロジェクト開発プラットフォーム売却の貢献により売上高が69.2%増、純利益が▲43百万USDからの黒字転換と改善。
  • 通期会社計画は、売上高を前期比▲13-▲4%の25.5-28億USD(従来計画24-26億USD)、期末純現金収支を▲28-▲17%の13-15億USD(同11-13.5億USD)と上方修正の一方、EPS(前期4.38USD)を▲0.25-+0.25USD(従来計画0.00-0.60USD)と引き下げた。8/16成立の「歳出・歳入法」に盛り込まれた再生エネルギー分野への投資優遇策を契機に新工場建設で最大12億USD投資を発表。

ルルレモン・アスレティカ(LULU)市場:NASDAQ・・・2022/12/9に2023/1期3Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 1998年にバンクーバーで設立。「lululemon」、「ivivva」等のブランドのもと、ヨガ、ランニング、トレーニング向けのスポーツアパレルを提供する。北米、欧州、アジアに600店舗展開(2022年6月末)。
  • 9/1発表の2023/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比28.8%増の18.68億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同33.3%増の2.20USD。既存店売上高は同23%増。その内、Eコマース収入が同30%増かつ売上構成比が同1.0ポイント上昇の42.0%。調整後営業利益率も同0.3ポイント上昇の20.9%。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比26-27%増の78.65-79.40億USD(従来計画76.1-77.1億USD)、調整後EPSを同25-27%増の9.75-9.90USD(9.35-9.50USD)とした。インフレが一般消費者の購買力に打撃を与えるなか、高所得購買客の消費需要が同社のEコマースを通じた購買を拡大。利益率向上にも貢献。また、男性向け商品を増やすこと、海外展開の拡大と同社の成長戦略は明確。

ネオジェン(NEOG)市場:NASDAQ・・・2022/9/21に2023/5期1Q(6-8月)の決算発表予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1981年設立の食品・動物向け診断テストに係るヘルスケア企業。食品・動物飼料中の意図しない危険物質を検出する食品安全事業、獣医器具や医薬品・ワクチン等提供の動物安全事業を営む。
  • 7/26発表の2022/5期4Q(3-5期)は、売上高が前年同期比9.9%増の1.41億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同20.0%増の0.18USD。過去126四半期中120四半期で増収達成。粗利益率はコスト増を吸収して同1.1ポイント上昇の46.4%。食品安全事業が同5.1%増収、動物安全事業が同14.8%増収。
  • 9/1に化学・電気素材大手スリーエム(MMM)の食品安全事業のスピンオフ子会社との統合を完了し、スリーエムが50.1%の持株比率を取得。この統合により、食品と飲料の多くの業界を跨いで世界60ヶ国、10万以上の顧客の製品をカバーできる。この統合は親会社が子会社を税務メリットのある形で売却する際の米国におけるM&A手法の一つである「リバース・モリス・トラスト」が活用された。
  • (※)決算発表の予定は9/2現在であり、変更される可能性があります。
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