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2024-05-03 03:04:57

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場サイクル”

“金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場サイクル”

2022/9/21
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場サイクル”

  • 20-21日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。3会合連続0.75ポイント利上げを決めるとともに、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を最終的に4%を超える水準まで引き上げた後は据え置くことが示唆されるのではないかと見られている。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「Fedウォッチ」では、FF金利誘導目標上限が来年2-3月までに4.50%または4.75%のピークを付けるとの見方が高い確率となっている。
  • 金融緩和・引締めと景気・株価の相関では、以下の4つのサイクルが重要だ。①第1に、不景気で企業業績が悪化すると政府が景気対策等を講じ、中央銀行が政策金利を下げる金融緩和を行うことで金余りを背景に株価が上昇する「金融相場」。②第2に、金融緩和の効果で企業業績が回復しはじめ景気や企業業績の上昇で株式が買われる「業績相場」。③第3に、景気が拡大し過ぎてインフレになることを抑制し、物価安定のために金融引き締めによって金利を高めに設定する「逆金融相場」。④第4に、金融引き締めにより景気が下降し、企業業績が悪化するサイクルの後半となる「逆業績相場」。そして、「逆業績相場」の次は①の「金融相場」に戻っていくとされる。
  • 2020年以降を振り返ると、新型コロナ感染拡大を受けてFRBが同年3月以降の強力な金融緩和措置で「①金融相場」がもたらされた。その後、同年11月の大統領選を契機に「②業績相場」に移行し、更に今年3月のFOMCでの利上げ以降、「③逆金融相場」へと移行して現在に至るとみることができよう。この「逆金融相場」の時期は、投資家の資金は債券など固定金利の金融商品に流れる傾向がある。16日の米債券相場終値の利回りは、10年国債が3.455%、5年国債が3.636%であるのに対し、平均期待インフレ率を表すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年が2.385%、5年が2.554%にとどまる。「名目利回り」からBEIを差し引いた「実質利回り」の縮小を見込んで、iシェアーズ米国債20年超ETF(TLT)といった債券型ETFなどが検討されよう。
  • 「④逆業績相場」では、長期金利低下に伴って業績が景気と連動しにくいディフェンシブ銘柄が買われやすい。医薬品・バイオは新型コロナ禍の落ち着きとともに臨床試験が進むようになり、FDA(米食品医薬品局)の新薬承認が相次いでいる。また、「業績相場」において長期金利上昇によって2021年内にいち早く過去最高値を付けて大幅に下落したグロース企業の中には、迅速な経営戦略転換を図る動きも見られる。また、地球温暖化で干ばつなどの自然災害が多発して食糧不足問題が顕在化してきている点も、景気と相関しないという面ではディフェンシブな投資テーマと見るべきだろう。(笹木)
    9/21号では、ブルーバード・バイオ(BLUE)ディア(DE)イーライリリー(LLY)モザイク(MOS)ネットフリックス(NFLX)パロアルトネットワークス(PANW)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄の騰落率(9/9現在)

主要企業の決算発表予定

9月21日(水)レナー、ゼネラル・ミルズ
9月22日(木)コストコホールセール、ファクトセット・リサーチ・システムズ、ダーデン・レストランツ、アクセンチュア゛

主要イベントの予定

9月20日(火)
  • 米FOMC(21日まで)、第77回国連総会一般討論(ニューヨーク、26日まで)
  • 米住宅着工件数(8月)
9月21日(水)
  • 米FOMC声明発表・FRB議長記者会見と経済予測、米銀CEOが下院金融委員会の公聴会で証言、アトランティックフェスティバル(ワシントン、23日まで)・米財務長官が期間中に講演、G20貿易・投資・産業担当相会合(インドネシア、23日まで)
  • 米中古住宅販売件数(8月)
9月22日(木)
  • 国連安保理でウクライナ巡る閣僚級会合、米銀CEOが上院銀行委員会の公聴会で証言
  • 米新規失業保険申請件数(17日終了週)、景気先行指標総合指数(8月)、米経常収支(2Q)
9月23日(金)
  • 米パウエルFRB議長がFRBイベントで冒頭挨拶(ブレイナード副議長とボウマン理事が司会)
  • 米S&Pグローバル米製造業・総合・サービス業PMI・速報値(9月)
9月26日(月)
  • シカゴ連銀全米活動指数(8月)、ダラス連銀製造表活動(9月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ブルーバード・バイオ(BLUE)市場:NASDAQ・・・2022/11/4に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1992年設立のバイオ医薬品企業。鎌状赤血球症やβサラセミアなど遺伝性疾患や難病向け遺伝子治療製品の開発のほか、がん細胞を破壊し患者自身T細胞の遺伝子組換等の研究開発を行う。
  • 8/4発表の2022/12期2Q(4-6月)は、前年同期比10.6倍の152万USD、経費削減策の寄与で純利益が前年同期の▲1.54億USDから▲1.08億USDへ赤字幅縮小。βサラセミア治療薬Zynteglo、脳副腎白質ジストロフィー治療薬Skysona、鎌状赤血球症へレンチグロビン遺伝子治療臨床試験を実施。
  • 通期会社計画は、今年4月開始の経費節減プログラムにより営業費用が前期比35-40%減。米FDA(食品医薬品局)は、8/17にβサラセミアに対する初の遺伝子治療Zyntegloを承認。生涯治療を必要とする希少疾病を1回治療で完治を目指す見通しが立った。 更に9/16に4-17歳の男児に発症する神経機能障害の脳副腎白質ジストロフィー治療薬Skysonaも承認。年内に部分的上市の見通し。

ディア(DE)市場:NYSE・・2022/11/23に2022/10期4Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 1837年に創業。世界最大の農業機械メーカー。大型・精密農機、小型農機、建機・林業、金融サービスの主要4事業セグメントを営む。2017年にロボット開発のブルー・リバー・テクノロジーを買収。
  • 8/19発表の2022/10期3Q(5-7月)は、売上高が前年同期比22.3%増の141.02億USD、純利益が同13.0%増の18.84億USD。販売数量増と売価引上げで大型・精密農機が同43%増収、小型農機が同16%増収、建機・林業が同8%増収。費用増に伴う小型機械の営業利益率の低下を吸収した。
  • 通期会社計画を下方修正。当期利益を前期比7-21%増の70-72億USD(従来計画70-74億USD)と上限を引下げ。幅広い業界で足枷となっていた半導体不足の足元での改善に加え、ウクライナからの穀物輸出が見通せない中で地球温暖化で干ばつや水害など自然災害の多発で食糧不足の懸念が強まっている。これらにより農地の拡大や農業機械等の設備投資需要の高まりが期待される。

イーライリリー(LLY)市場:NYSE・・・2022/11/1に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1876年創業の製薬会社。糖尿病などの内分泌系、神経系、心臓血管系の疾患や癌に対する治療薬を取り扱う。動物用医薬品ではエランコ・アニマル・ヘルス(ELAN)が18年に同社からスピンオフ。
  • 8/4発表の2022/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比3.7%減の64.88億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同32.5%減の1.25USD。2型糖尿病治療薬のトルリシティとジャルディアンス、抗がん剤ヴェージニオ、乾癬治療薬タルツが伸長も後発薬との競争激化で抗がん剤アリムタの減収が響いた。
  • 通期会社計画を下方修正。調整後EPSを前期比▲3.2-▲1.3%の7.90-8.05USD(従来計画8.15-8.30USD)とした。売上高は同1.7-3.5%増の288-293億USDで据え置き。今年5月に米食品医薬品局(FDA)が世界初のGIP及びGLP-1受容体作動の2型糖尿病治療薬Mounjaroを承認。続く6月、世界1億人以上の発症者がいる円形脱毛症に関し、日米で飲み薬の新薬「オルミナント」が承認された。

モザイク(MOS)市場:NYSE・・・2022/11/1に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2004年設立の肥料メーカー。リン酸塩鉱山と炭酸カリウム(カリ)鉱山を保有し、リン酸塩の採掘で世界最大、炭酸カリウムの採掘で世界第2位。リン酸塩と炭酸カリウムは植物の成長に欠かせない。
  • 8/1発表の2022/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比91.8%増の53.73億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同3.1倍の3.64USD。ロシアとベラルーシへの経済制裁に伴い炭酸カリウムは販売量が同横ばいも平均販売価格が同2.8倍、リン酸塩も販売量が同15%減も平均販売価格が同69%上昇。
  • カリはロシアとベラルーシの生産シェアが高いなかで同社はカナダで一時停止していたカリの採掘を本格再開。ベラルーシからの供給が減ったことでシェア拡大が進んでいる模様。リン酸塩は中国政府が国内供給を優先して昨年10月より肥料輸出に検査を義務付ける規制を実施。許可がおりるまで時間がかかるといった供給制約は23年まで続く見通しであり、同社シェア拡大が見込まれよう。

ネットフリックス(NFLX)市場:NASDAQ・・・2022/10/8に2022/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1997年設立。テレビ番組・映画のインターネット配信のパイオニア。世界最大級のオンライン動画ストリーミングサービスであり、2021年6月末時点の全世界の有料会員数は2億918万人に達する。
  • 7/19発表の2022/12期2Q(1-6月)は、売上高が前年同期比8.6%増の79.70億USD、純利益が同6.5%増の14.41億USD、6月末有料会員数が3月末比97万人減の2億2067万人と事前会社予想の約半分の減少に留まるも、巣ごもり需要の剥げ落ちに加え消費者の生活費見直しの皺寄せを受けた。
  • 2022/12期3Q(1-3月)会社計画は、売上高が前年同期比4.7%増の78.38億USD、純利益が同33.7%減の9.61億USD、7-9月の有料会員純増数が100万人増。競合のディズニープラスが4-6月に会員数1440万人純増と伸びるなか、同社は支出を厳しく見極める消費者獲得のため、マイクロソフト(MSFT)と提携し広告を付けて月額価格を抑えるプランの導入を発表。業績反転が期待される。

パロアルトネットワークス(PANW)市場:NASDAQ・・・2022/11/18に2023/7期1Q(8-10月)の決算発表予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2005年設立のネットワークに関するセキュリティサービス企業。企業やサービスプロバイダー、政府機関を対象にサイバー攻撃による侵入防止のためのセキュリティ・プラットフォームを提供する。
  • 8/22発表の2022/7期4Q(5-7月)は、売上高が前年同期比27.2%増の15.50億USD、Non-GAAPの調整後EPSは同49.4%増の2.39USD。請求額(Billings)が同44%増の27億USD、受注済み・売上未計上のRPO(残存契約債務)の7月末が同40%増の82億USD。9/14権利落ちで1対3の株式分割を実施。
  • 2023/7通期会社計画は、売上高が前期比24.5-25.4%増の68.5-69億USD、調整後EPSが同24.3-25.7%増が9.4-9.5USD。リモートワークの進展でサイバー攻撃の脅威、およびロシアへの経済制裁への報復への懸念も増大するなどサイバーセキュリティー需要の拡大が見込まれる。顧客自社保有(オンプレミス)で強みを有するなか、クラウドでもクラウド・ストライクHD(CWRD)を追い上げよう。
  • (※)決算発表の予定は9/16現在であり、変更される可能性があります。
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