SBI証券(オンライン総合証券最大手)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を−

株価検索
  • ポートフォリオ
  • 取引
  • 口座管理
  • 入出金・振替

2024-05-03 11:35:36

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “ブラックロック2023年見通し、生産制約は「空」の時代”

“ブラックロック2023年見通し、生産制約は「空」の時代”

2023/1/11
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“ブラックロック2023年見通し、生産制約は「空」の時代”

  • 新年あけましておめでとうございます。6日発表の12月の米国雇用統計は非農業雇用者数が堅調に増加、失業率が低下する一方、時間当たり平均賃金の伸びが鈍化。雇用の伸びを維持しつつ賃金インフレが減速に向かう「適温経済(ゴルディロックス)」を彷彿させる動きを受けて6日の米国主要株式指数は軒並み高騰した。この動きは続くのだろうか?
  • グローバル市場の現実を直視して今年1年の見通しを語るうえで、昨年12月に世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BLK) が公表した「2023 Global outlook」が大いに参考となるだろう。同見通しによれば、中央銀行の金融政策は生産制約を解消する手段とならず経済の需要側にだけ影響を及ぼし得るとし、需要を抑え込むことに伴う景気後退入りの公算が生じているとしている。他方、生産制約を制約し続けている新たなレジームの定着を促す3つの長期トレンドとして、①人口高齢化に伴う慢性的労働力不足、②地政学的緊張の高まりに伴う脱グローバル化と供給網再構築の流れ、③炭素排出ネットゼロへの移行によるエネルギー需給のミスマッチを挙げている。
  • 更に3つのテーマとして、景気後退を織り込んだ上で市場のリスク心理が改善するかどうか、②債券と株式の逆相関が失われるなかで債券投資を一括りにするのではなく長期国債、短期国債、投資適格社債など緻密に分析すべきこと、③「インフレの政治問題化」から「景気後退の政治問題化」に関心が移り、インフレとの共存が求められるようになることが述べられている。
  • 今年において生産制約が特に顕著になりそうな分野は航空機だろう。中国が8日にゼロコロナ政策を事実上終了して国境を跨ぐ移動の更なる急回復が見込まれるなか、米ユナイテッド航空やエア・インディアなど航空会社が数百機単位でボーイング(BA) などからジェット機を発注する動きが相次ぐ。
  • ただ、供給網の制約のため納入に時間がかかることが想定され、受注残が積み上がるほか航空運賃の高騰が加速する可能性もあろう。21年は海運のコンテナ不足とコンテナ運賃高騰が話題となり、昨年は自動車の新車生産が追い付かずに中古車や部品市場が活況となった。「海」、「陸」と来て今年は「空」の年となるのだろうか。製造が追いつかない間は補修や部品交換の需要が高まると見込まれることから航空機メーカー以上に航空部品メーカーにとって好機となることが期待される。なお、航空機および航空部品メーカーは地政学リスクの高まりの中で軍事面での重要性が増している。民間向けと軍関係向けのバランスが取れていることが望ましいだろう。(笹木)
    1/11号では、 CAE(CAE)ゼネラル・ダイナミクス(GD)iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)オン・セミコンダクター(ON)トランスダイム・グループ(TDG)テキストロン(TXT)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(1/6現在)

主要企業の決算発表予定

1月13日(金)シティグループ、ウェルズ・ファーコ゛、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、バンク・オブ・アメリカ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ユナイテッドヘルス・グループ、ブラックロック、デルタ航空、ファースト・リパブリック・バンク

主要イベントの予定

1月12日(木)
  • 米セントルイス連銀総裁がオンラインイベントに参加
  • 米CPI(12月)、米財政収支 (12月)、米新規失業保険申請件数(7日終了週)
1月13日(金)
  • 日米首脳会談(ホワイトハウス)
  • 米輸入物価指数 (12月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(1月)
1月16日(月)
  • キング牧師の日につき米国市場が休場
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

CAE(CAE)市場:NYSE・・・2023/1/30に2023/3期3Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1947年設立でパイロット訓練などを手がけるカナダ企業。民間航空訓練ソリューション、防衛&セキュリティの陸海空軍や公安向け、およびヘルスケアの医療・看護従事者向けトレーニング等を提供。
  • 11/10発表の2023/3期2Q(7-9月)は、売上高が前年同期比21.9%増の9.93億CAD、Non-GAAPの調整後EPSが同11.8%増の0.19CAD。調整後ベースで受注残が同21%増、受注高対売上高倍率が1.30倍で前四半期1.07倍から拡大。セグメント別売上高は民間航空向けが同40%増の5.07億CAD。
  • 2023/3通期会社計画は、セグメント別営業利益合計が前期比20%台半ばの増加率。23-25年度EPS成長率目標も年率複利20%台半ば。航空業界は旅行需要増加の一方、コロナ禍でパイロットの早期引退が相次ぎ歴史的なパイロット不足に直面。また、世界的な地政学リスクの高まりのなか米国および同盟国の空軍や海軍が資格ある乗組員の確保や訓練で同社を頼るなど追い風が続こう。

ゼネラル・ダイナミクス(GD)市場:NYSE・・・2023/1/25に2022/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1899年に前身のエレクトリック・ポート設立以降、潜水艦や対潜ミサイル等を米海軍向けに製造してきた。現在は、航空宇宙、海洋システム、戦闘システム、テクノロジーの4事業セグメントを営む。
  • 10/26発表の2022/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.3%増の99.75億USD、EPSが同6.2%増の3.26USD。9月末受注残は全体で同0.8%増の888.83億USD。航空宇宙部門が同29.7%増と伸びた。受注高対売上高倍率は、航空宇宙と戦闘システム部門の寄与により1.10倍と堅調に推移。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比2.5%増の394.5億USD、EPSが同5.2%増の12.15USDと従来計画を据え置き。米中間で台湾有事の緊張が高まるなか同社開発の「コロンビア級原子力潜水艦」プログラムの重要性が高まっているほか、NATOの情報システム更新を同社が請け負いウクライナ情勢で貢献。商業用ガルフストリーム・ビジネス・ジェットからの利益寄与度が約4分の1に高まっている。
  • 米ドル建て投資適格社債で構成される指数である「iBoxx米ドル建て高流動性投資適格トータルリターン指数」に連動する投資成果を目指す。同指数は最低3年の満期で7.50億USD以上の発行額、固定利付債、ステップアップ債、修繕積立金、ミディアム・ターム・ノート、コーラブル債などを含む。
  • 9日終値で時価総額が372.3億USD、過去12か月間(12回の分配金支払)の分配金単価(ネット)合計は3.478640USDで、分配金利回りは3.48%。内、直近6回分が1.901996USDと約55%を占める。
  • 9日終値時点のトータルリターンでは、過去1年間が▲14.01%、過去3ヵ月間が+5.95%。世界最大の資産運用会社ブラックロック(BLK) が昨年12月に発行した「2023 Global Outlook」によれば、債券利回りの魅力が高まるなか、長期国債が景気後退に対する緩衝材としての有効性が薄れているのに対し、投資適格社債の見通しの明るさが増しているとしてオーバーウエイトを更に引き上げた。

オン・セミコンダクター(ON)市場:NASDAQ・・・2023/2/7に2022/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1999年設立の半導体ソリューション企業。電力ソリューション(PSG)、先端ソリューション(ASG)、インテリジェント・センシング(ISG)の3事業グループを営む。センサーほか包括的ポートフォリオを提供。
  • 10/31発表の2022/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比25.9%増の21.92億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同66.7%増の1.45USD。自動車電動化、エネルギーインフラ、安全制御、工場自動化等の需要増に伴い半導体コンテンツも成長加速。調整後粗利率が同7.8ポイント上昇の49.3%。
  • 2022/12期4Q(10-12月)の会社計画は、売上高が前年同期比8.9-15.9%増の20.10-21.40億USD、調整後粗利率が同1.8-3.8ポイント上昇の47-49%、調整後EPSが同8.3-22.9%増の1.18-1.34USD。同社はインフラ、電気自動車(EV)、EV充電ステーションなどクリーンエネルギーのあらゆる側面に電力制御のパワー半導体チップを供給。その主要材料の炭化ケイ素(SiC)製造で主導的地位を占める。

トランスダイム・グループ(TDG)市場:NYSE・・・2023/2/8に2023/9期1Q(10-12月)の決算発表予定 

  • 1993年設立の航空部品メーカー。商用および軍用航空機で使用の航空機部品を設計・製造・販売。航空機メーカー世界大手2社や米軍などが主要顧客。商用航空機の殆どに同社部品が採用。
  • 11/10発表の2022/9期4Q(7-9月)は、売上高が前年同期比18.1%増の15.10億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同29.4%増の5.50USD。米国内の航空便数回復に加え、国際航空便数の大幅回復に伴う航空機製造の生産率向上が業績に寄与。粗利益率も同1.9ポイント上昇と供給網問題を吸収。
  • 2023/9通期会社計画は、売上高が前期比10.3-14.0%増の59.90-61.90億USD、調整後EPSが同20.7-28.8%増の20.68-22.08USD。同社は利益の大部分を自社製品アフターマーケット販売から稼いでおり、高水準で安定した利益率とフリーキャッシュフローを確保。昨年8月にボーイング(BA) が中型機787ドリームライナーの出荷再開および大手航空会社からの大型受注と追い風が加速中だ。

テキストロン(TXT)市場:NYSE・・・2023/1/25に2022/12期4Q(10-12月)の決算発表予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1923年設立の複合企業。テキストロン航空機、ベルヘリコプター、テクストロンシステムズ(無人航空機等)、産業(芝刈り機ほか各種車両)、金融(同社製品購入者向け融資)を営む。
  • 10/27発表の2022/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比2.9%増の30.78億USD、継続事業からのEPSが同29.3%増の1.06USD。Non-GAAPの調整後営業活動キャッシュフロー(除く金融)が同7.7%増。主力のテクストロン航空機部門は、売上高が同1.2%減もセグメント利益が同41.8%増と業績牽引。
  • 通期会社計画を上方修正。継続企業からのEPSを前期比18-21%増の3.90-4.00USD(従来計画3.80-4.00USD)とした。昨年12月、アメリカ陸軍の将来型長距離攻撃航空機プログラムでロッキード・マーチン(LMT) 傘下シコルスキー社製「ブラックホーク」の後継として同社提案のティルトローター機「V-280 バロー」が選ばれた。航空機産業と防衛産業の両面から安定した需要と生産が見込まれる。
  • (※)決算発表の予定は1/9現在であり、変更される可能性があります。
フィリップ証券株式会社

今すぐ外国株式口座開設

今すぐお取引

免責事項・注意事項

  • 当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。

    <日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項>
    本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。
ユーザーネーム
パスワード

セキュリティキーボード

ログインにお困りの方

【FXデビュープログラム】FX口座の新規開設&お取引で最大700,000円キャッシュバック!

ご案内
・【よりスムーズな解決を実現!】お問い合わせ内容の事前入力サービス
・口座開設の流れ

よくあるお問合せ
・NISA関連のお問い合わせ
・パスワード関連のお問い合わせ

HYPER SBI 2 ダウンロード
  • オンラインセミナー
  • 米株デビューコンテンツ(GWも取引できる!)

SBI証券はお客様の声を大切にしています


ページトップへ

何かお困りですか?

今すぐ口座開設

お問い合わせ  |  投資情報の免責事項  |  決算公告  |  金融商品取引法等に係る表示  |  システム障害の備え

金融商品取引業者 株式会社SBI証券 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人 日本STO協会、日本商品先物取引協会
SBI証券(オンライン総合証券最大手)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を− © SBI SECURITIES Co., Ltd. ALL Rights Reserved.