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2024-05-03 11:06:45

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “利上げから利下げへの道のり、インフレ共存への道”

“利上げから利下げへの道のり、インフレ共存への道”

2023/1/31
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“利上げから利下げへの道のり、インフレ共存への道”

  • 27日発表の12月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減、PCE価格指数は前年同月比5.0%上昇と11月の5.5%から伸びが鈍化した。12日発表の12月の米消費者物価指数(CPI)は同6.5%上昇と11月の7.1%から大幅に減速していた。CPIは基準年の品目ウエイトを用いることから新製品や低価格品への代替消費が反映されない一方、PCEは消費行動の変化を織り込むように調整がされることからPCEのほうがCPIよりも低くなる傾向があり、米FRB(連邦準備制度理事会)もPCEを重視しているとされる。両者ともに伸びの鈍化が示されてていることから、利上げ停止と高い政策金利の維持により過去の利上げの累積効果が景気に与える影響を注視する方針への転換が期待される。
  • 2000年代の利上げは速度が急だった。1.00%をスタートとして04年6月から06年6月まで利上げを続けた後に5.25%のピーク金利が続いた。利下げに転じたのは07年9月と、利上げから利下げまで約39ヵ月間を要した。2010年代の利上げは緩やかだった。0.25%を発射台として15年12月から18年12月まで利上げを続けた後に2.50%のピーク金利が続き、19年8月に利下げに転じた。利上げから利下げまで約44ヵ月間を要した。足元の利上げ局面を見ると、0.25%の最低水準から利上げを開始したのが22年3月である。仮に年内12月に利下げするとすれば約21か月という異例の短期間となる。突発的な大混乱が発生すれば別としても、現実的な期待ではないと思われる。
  • 現在は、2000年代や2010年代には無かったインフレ長期化をもたらす構造的要因が横たわり、生産制約として重くのしかかろうとしている。主に以下の3点が挙げられる。 ①労働人口の高齢化による労働参加率(生産年齢人口に占める労働人口の割合)の低下により労働需給の逼迫が解消されにくい。 ②ウクライナ情勢に伴う欧米によるロシアへの制裁固定化、米中の冷戦的な競争などを柱としてブロック経済圏が構築され、サプライチェーン再構築および自国での調達比率引き上げのコストが増大している。 ③大規模な気候変動対策により脱炭素社会へ移行するに際し、代替エネルギー供給に向けた投資が不十分なことからエネルギー不足が発生している。
  • 足元はFRBが株式市場と景気を犠牲にしてもインフレ退治を優先する方針を採っているように見受けられるが、インフレの構造的要因が理解されるに従い、目標インフレ率までの減速を待たずしてインフレ抑制を緩めるといった「インフレとの共存」が模索されるようになるのではないだろうか。クリーンまたは代替エネルギーのためのインフラ投資をはじめとした重厚長大・バリュー銘柄、あるいは高齢化に伴うヘルスケア銘柄への物色が強まろう。(笹木)
  • 1/31号ではアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)アメリカン・エキスプレス(AXP)ゼネラル・エレクトリック(GE)Jacobs Solutions Inc(J)シェニエール・エナジー(LNG)バンガード短期インフレ連動債インデックス・ファンド(VTIP)を取上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(1/27現在)

主要企業の決算発表予定

1月31日(火)ジュニパーネットワークス、アイデックス、チャブ、ウエスタンデジタル、マッチ・グループ、エレクトロニック・アーツ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、アムジェン、エドワーズライフサイエンス、ストライカー、モンデリーズ・インターナショナル、ドーバー、ゼネラル・モーターズ(GM)、キャタピラー、エクソンモービル、インターナショナル・ペーパー、フィリップス66、マラソン・ペトロリアム、コーニング、パルトグループ、ファイザー、シスコ、A.O.スミス、MSCI、マクドナルド、ペンテア、ムーディーズ、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、NVR
2月1日(水)゙マケッソン、ホロジック、コルテバ、メットライフ、メタ・プラットフォームズ、ミッド・アメリカ・アパートメント・コミュニティーズ、アフラック、CHロビンソン・ワールドワイド、マイクロチップ・テクノロジー、PTC、グローブライフ、オールステート、DXCテクノロジー、アライン・テクノロジー、コルボ、アルトリア・グループ、TモバイルUS、ヒューマナ、ウエイスト・マネジメント、オールド・ドミニオン・フレイト・ライン、サーモフィッシャーサイエンティフィック、アメリソースバーゲン、ボストン・サイエンティフィック、フォーティブ、オーチス・ワールドワイド、ジョンソンコントロールズインターナショナル、ウエストロック、バイオテクネ
2月2日(木)カムデン・プロパティー・トラスト、アトラシアン、ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グルー、フォード・モーター、アップル、アルファベット、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、ジェン・デジタル、アマゾン・ドット・コム、ギリアド・サイエンシズ、スターバックス、クアルコム、クロロックス、WWグレンジャー、イリノイ・ツール・ワークス、WECエナジー・グループ、エイブリィ・デニソン、ベクトン・ディッキンソン、エスティローダー、インターコンチネンタル・エクスチェンジ、メルク、スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、アプティブ、ボール、シリウスXMHD、コノコフィリップス、カーディナルヘルス、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ、ハネウェルインターナショナル、ハーシー、JDドットコム、トレイン・テクノロジーズ、アメテック、ブリストル マイヤーズ スクイブ、CMSエナジー、スナップオン、イーライリリー、クエスト・ダイアグノスティクス、パーカー・ハネフィン、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ
2月3日(金)ジンマー・バイオメット・HD、シグナ、ニューズ・コーポレーション、Cboe・グローバル・マーケッツ、エーオン、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、チャーチ・アンド・ドワイト、ライオンデルバセル・インダストリーズ
2月6日(月)テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア、シンシナティ・ファイナンシャル、アクティビジョン・ブリザード、UDR、スカイワークス・ソリューションズ、タイソン・フーズ、カミンズ、オン・セミコンダクター、ロウズ、アイデックスラボラトリーズ

主要イベントの予定

1月31日(火)
  • 米FOMC(2月1日まで)、 国際通貨基金(IMF)・世界経済見通し(WEO)改定見通し、米セールスフォース、ブレット・テイラー共同最高経営責任者(CEO)退任
  • 米雇用コスト指数 (4Q)、米FHFA住宅価格指数(11月)、米主要20都市住宅価格指数(11月)、米消費者信頼感指数(1月)
2月1日(水)
  • 米FOMC声明発表・FRB議長記者会見、米下院共和党・新型コロナ発生源巡る公聴会開催、韓国サムスン電子・製品発表イベント(対面形式、サンフランシスコ)
  • 米自動車販売(1月)、米ADP雇用統計(1月)、米建設支出(12月)
2月2日(木)
  • ECB政策金利発表・総裁記者会見、英中銀が政策金利発表
  • 非農業部門労働生産性(4Q)、新規失業保険申請件数 (28日終了週)、製造業受注(12月)
2月3日(金)
  • EUウクライナ・サミット
  • 米雇用統計(1月)、米ISM非製造業総合景況指数(1月)、S&Pグローバル米総合・サービス業PMI(1月)
2月4・5日(土・日)
  • 米グラミー賞授賞式、EUがロシア産石油製品の輸入禁止
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)市場:NYSE・・・2023/4/26に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1902年に創業後、1923年にミッドランドを買収。カーギルと共に「二大穀物メジャー」と称され、農産物の調達・輸送・備蓄・販売を行う。食用油の原料となる大豆や綿花、トウモロコシに強みを持つ。
  • 1/26発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比13.6%増の262.31億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同28.7%増の1.93USD。調整後営業利益では、農業サービス&油糧種子部門が大豆圧砕マージン高水準を背景に同46%増と牽引し、エタノールと栄養食品の減益を吸収。
  • 2023/12期会社予想は、ウクライナ産穀物供給減や干ばつに見舞われたアルゼンチンの収穫量減少を背景に穀物需給逼迫が続くこと、食品需要の回復、バイオ燃料と栄養食品の堅調な推移を見込む。ロイター通信によればウクライナの穀物協会は植物油用種子を含む同国穀物生産量が2023年に前年比25%減(2年前比半減)との予測を示した。ウクライナ情勢長期化で相場高騰が進もう。

アメリカン・エキスプレス(AXP)市場:NYSE・・・2023/4/21に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1850年創業の銀行持株会社。クレジットカード発行、法人向け銀行業務、プライベートバンキングなど金融事業のほか、トラベラーズチェック発行、旅行代理業務、旅行傷害保険など旅行関連事業を行う。
  • 1/27発表の2022/12期4Q(10-12月)は、金利費用控除後の総収益が前年同期比16.7%増の141.76億USD、EPSが同5.0%減の2.07USD。カード会員支出増で決済支出額が同12%増、純金利マージンと融資増で純金利収益が同32%増。貸倒引当金繰入額が同19倍の10.27億USDで減益。
  • 2023/12通期会社計画は、総収益増収率が前期比15-17%、EPSが同9.7-15.7%増(11.00-11.40USD)。カード同業のビザ(V)マスターカード(MA)が高水準のインフレの影響で4Qカード決済額伸び鈍化が見られる一方、同社はこれら2社にはない純金利収益の伸びが業績を牽引。4Qの純金利収益の構成比が約2割に上る。インフレが長期化すれば純金利収益への追い風となろう。

ゼネラル・エレクトリック(GE)市場::NYSE・・2023/4/25に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1892年創業のコングロマリット企業。航空機エンジン、発電、水処理設備、再生可能エネルギーなど幅広い製品・サービスを提供。2018年に就任したカルプCEOの下、事業の選択と集中を推進中。
  • 1/24発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比7.3%増の217.86億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同51.2%増の1.24USD、調整後フリーキャッシュフロー(FCF)が同15.6%増。再生可能エネルギー事業が減収・赤字幅拡大も、航空部門と電力部門の増収・増益で業績回復に寄与。
  • 2023/12通期会社計画は、1月にスピンオフしたGEヘルスケアを除く既存事業増収率が前期比1桁台後半、調整後EPSが同2.1-2.6倍の1.60-2.00USD、調整後FCFが同10-35%増の34-42億USD。ボーイング(BA)の航空機受注回復を受けて航空機エンジンを扱う航空部門の堅調な推移が見込まれるほか、低迷が続く再生可能エネルギーも米インフレ抑制法による財政支出の追い風が期待される。

Jacobs Solutions Inc(J)市場:NYSE・・・2023/2/7に2023/9期1Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1947年設立。建築に関してコンサルティングやプロジェクト引渡しなどのソリューションを提供し、米連邦政府機関(国防総省やNASAなど)が最大顧客。先端技術を駆使した事業を展開。
  • 11/21発表の2022/9期4Q(7-9月)は、売上高が前年同期比8.2%増の38.81億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同15.4%増の1.80USD。ドル高が増収率を約3ポイント押し下げた。気候変動対応、インフラ、サプライチェーンの近代化、国防等の分野を中心に期末受注残が同5%増の279億USDと拡大。
  • 2023/9通期会社計画は、為替レートの影響を除く調整後EBITDAが前期比7-13%増の14.65-15.45億USD、調整後EPSが同10-14%増の7.60-7.90USD。2021年成立のインフラ投資法の追い風を受けた道路・エネルギー関連の受注に加え、ロシアのウクライナ侵攻を背景として英国防省からも受注。有人月面着陸に係るアルテミス計画に伴うNASA(米航空宇宙局)からも案件受注が期待されれる。

シェニエール・エナジー(LNG)市場:NYSE・・・2023/2/23に2022/12期4Q(10-12月)の決算発表予定 

  • 1983年設立の液化天然ガス(LNG)事業者で生産規模は米国首位・世界第2位。世界最大規模のLNG生産施設サビン・パス・ターミナルを所有・運営。パイプライン輸送のほかタンカー輸出も行う。
  • 11/3発表の2022/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比2.8倍の88.52億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAが同2.6倍の27.82億USD。欧州がロシア産ガス依存からの脱却を目指す中、LNG需要の急増が追い風となった。キャッシュフロー増を背景に長期負債13億USDの期限前返済で財務を改善。
  • 通期会社計画は、調整後EBITDAが前期比2.2-2.3倍の110-115億USD。米国の欧州向けLNG輸出は22年1-9月に前年同期比2.6倍の約3510万トンに拡大。同社は昨年10月、テキサス州南部コーパス・クリスティのLNGプラントで年産約1050万トンの生産設備を起工。25年から出荷開始予定で、完成後の同社生産量は年6000万トン近くと、世界最大LNG生産国カタール(約7700万トン)に迫る。

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • ブルームバーグ米国物価連動国債(TIPS)の0〜5年指数の価格および利回りに概ね連動する投資効果を目指す。TIPSはインフレ率に応じて元本が調整される物価連動債でインフレに強いとされる。
  • 27日終値の時価総額が157.2億USD、過去12か月間分配金単価(ネット)は、昨年4月0.4869USD、7月0.6849USD、10月0.9044USD、12月1.117USDと四半期ごとの連続増配が続く。一方、米インフレ連動国債5年物の利回りは昨年9/30に1.9941%まで上昇後、今月27日終値で1.2715%まで低下。
  • 昨年末から27日終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は、同ETFが+0.86%に対し、ダウ平均株価が+2.5%、S&P500株価指数が+6.0%、ナスダック100指数が+11.2%。2/1のFOMC結果発表とパウエルFRB議長会見が注目されるなか、高齢化に伴う労働参加率低下、ブロック経済圏化の新しい世界秩序、脱炭素への移行に伴うエネルギー不足などインフレ圧力長期化が意識されよう。
  • (※)決算発表の予定は1/27現在であり、変更される可能性があります。
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