“NASDAQ100指数に要注目、個別の構成銘柄に好機”
- 昨年末以降、グロース銘柄が米国株相場を牽引している。ナスダック上場の時価総額上位100銘柄(金融を除く)を対象とする「NASDAQ100指数」は12/28の安値1万671ポイントまでの下落から反転上昇し、今月1日の米FOMC(連邦公開市場委員会)およびSNS大手メタ・プラットフォームズ(META)の10-12月期決算発表明け2日に高値1万2880ポイントまで上昇。季節的需給要因として、節税対策に伴って損失を確定させるための投資家の売りが収束し、売り圧力が弱まった銘柄について新年入りで買いが入りやすい「1月効果」の影響が考えられる。その土台の上でインフレ率減速を背景とした利上げ停止と年内利下げ観測に伴って長期金利が低下していたことで大型ハイテク株や半導体銘柄などグロース銘柄に買いが集まった面があるだろう。
- 2022年であれば、動画「TQQQ & SQQQ投資向け NASDAQ100指数徹底分析」で述べた通り、@VIX指数の20ポイント割れ、A一目均衡表の週足の基準線(ローソク足26本分の高値と安値の中心)を上回る、BRSI(相対力指数)14日間が70%近辺に達するという3条件がそろえば、月半ばまたは月末・月初で相場が転換しやすい傾向があった。VIX指数は1/12に20ポイントを下回った後、今月2日に17.06ポイントまで低下。NASDAQ100指数も3日終値が週足基準線1万2080ポイントを上回り、RSI14日間が2日に73.53まで高騰した。22年はVIX指数の最小値が16.34ポイント、RSI14日間の最大値が69.22だった。RSI14日間から見ると、今月2日のNASDAQ100指数終値は短期的に昨年には見られなかった水準の「買われ過ぎ」だったと言えそうだ。
- 1日のFOMCでパウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長が「ディスインフレのプロセスが始まった」と述べたことが市場のリスク選好を過熱させていたなか、3日発表の12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数および失業率が労働市場の強さを示すものとなった。これにより、FRBによる金融引締めが強化されるとの見方も再び台頭し始めた。グロース銘柄の動向を占ううえでも14日発表予定の1月の米消費者物価指数(CPI)に俄然注目が集まろう。
- 10-12月期決算発表を通じて、NASDAQ100指数構成銘柄の中でも昨年のネットフリックス(NFLX)に続き、過去最高値から大きく売り叩かれて調整が進み、かつ、業績立て直し・改善のための有効な経営戦略が実行されることで成長軌道への回帰が期待される銘柄も出始めたように見受けられる。その一方、7日に予定されるバイデン米大統領の一般教書演説では、独占禁止法やプライバシー保護強化などテクノロジー業界への監視強化が提言される可能性が高く、GAFA銘柄の株価への重しとなる可能性があろう。(笹木)
- 2/7号では、アッヴィ(ABBV)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ATI(ATI)、メタ・プラットフォームズ(META)、テスラ(TSLA)、バンガード米国モーゲージ担保証券ETF(VMBS)を取上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(2/3現在)
主要企業の決算発表予定
2月7日(火) | FMC、アシュラント、フォーティネット、アトモス・エナジー、ルーメン・テクノロジーズ、イルミナ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、ペイコム・ソフトウエア、エンフェーズ・エナジー、アムコア、ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエーツ、オムニコム・グループ、プルデンシャル・ファイナンシャル、チポトレ・メキシカン・グリル、VF、インサイト、ザイレム、Linde PLC、センティーン、キャリア・グローバル、デュポン・ド・ヌムール、ファイサーブ、Jacobs Solutions Inc、キャタレント、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、ガートナー、トランスダイム・グループ |
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2月8日(水) | リンカーン・ナショナル、ウォルト・ディズニー・カンパニー、MGMリゾーツ・インターナショナル、モリーナ・ヘルスケア、エベレスト・リー・グループ、アバロンベイ・コミュニティーズ、モノリシック・パワー・システムズ、セリディアンHCMホールディング、インターナショナル・フレーバー&フレグランス、フリートコア・テクノロジーズ、エキファックス、ステリス、オライリー・オートモーティブ、フォックス、CMEグループ、CVSヘルス、ヤム・ブランズ、ドミニオン・エナジー、エマソン・エレクトリック、CDW、イートン、トリンブル |
2月9日(木) | リージェンシー・センターズ、モホーク・インダストリーズ、デクスコム、エクイティ・レジデンシャル、ベンタス、エクスペディア・グループ、モトローラ・ソリューションズ、メトラー・トレド・インターナショナル、ペイパル・ホールディングス、ニューズ・コーポレーション、ベリサイン、ケロッグ、ラルフローレン、S&Pグローバル、マスコ、シールド・エアー、デューク・エナジー、バクスターインターナショナル、アストラゼネカ、ペプシコ、ウィリス・タワーズ・ワトソン、KRCインテリム、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス、フィリップ・モリス・インターナショナル、アッヴィ、ボルグワーナー、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、インターパブリック・グループ、タペストリー |
2月10日(金) | ニューウェル・ブランズ、IQVIAホールディングス、グローバル・ペイメンツ |
2月13日(月) | ファーストエナジー、アリスタネットワークス、ケイデンス・デザイン・システムズ、ソーラーエッジテクノロジー、エバーソース・エナジー、アーチ・キャピタル・グループ |
主要イベントの予定
2月7日(火) |
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2月8日(水) |
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2月9日(木) |
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2月10日(金) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
アッヴィ(ABBV)市場:NYSE・・・2023/2/9に2022/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)市場:NASDAQ・・・2023/5/3に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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ATI(ATI)市場:NYSE・・2023/5/4に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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メタ・プラットフォームズ(META)市場:NASDAQ・・・2023/4/27に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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テスラ(TSLA)市場:NASDAQ・・・2023/4/20に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表予定
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バンガード米国モーゲージ担保証券ETF(VMBS)市場:NASDAQ・・・分配金:年12回
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は2/3現在であり、変更される可能性があります。