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2024-05-03 06:41:11

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “銀行破綻連鎖の突風~ここからの投資のポイント”

“銀行破綻連鎖の突風~ここからの投資のポイント”

2023/3/14
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“銀行破綻連鎖の突風~ここからの投資のポイント”

  • 米銀持ち株会社シルバーゲート・キャピタルが8日、暗号資産関連企業との取引が多い傘下銀行の事業を自主的に清算する方針を発表。テック関連スタートアップへの融資で知られるシリコンバレー銀行は同8日、含み損を抱えた保有債券の売却や資本増強策を発表。信用不安を招いて株価が急落し、10日に事業停止に追いこまれた。同銀行の総資産は22年末で約28兆円相当と日本の地銀首位に匹敵する規模だ。更に12日、NY州で暗号資産関連企業との取引で知られるシグネチャー・バンクが事業停止となった。
  • これら信用不安による金融機関破綻連鎖に対し、米財務省、FRB、FDIC(連邦預金保険公社)は預金保険の対象外の預金についても全額を保護する例外措置をとると発表。週明けマーケットの落ち着きが期待される。
  • 17日には主要株価指数の先物・オプションおよび個別株の先物・オプションの最終決済に係る特別清算値(SQ値)算出の「米国版メジャーSQ」の「クアドラプル・ウィンチング」を控えており、米国株相場はポジションの期先物へのロールオーバーを巡って変動性が高まりやすいとみられる。そのようななか、投資家の心理状態を表す恐怖指数と言われる「VIX指数」は10日終値が24.80にとどまる。VIX指数は2022年を通して概ね20割れ〜30台半ばのレンジで推移していた。その意味では、今回のイベントのインパクトと比べて市場心理はやや楽観的に過ぎ、30台乗せは予め想定しておくべきだろう。
  • 16日に欧州中央銀行(ECB)理事会、および23日に米FOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利発表が予定されている。今回の一連の連鎖破綻を通じてインフレ抑制を優先としたタカ派・引締め強化スタンスの金融政策にブレーキが掛かる可能性が高まりそうだ。その場合、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利は低下し、ドル安および金などの貴金属や資源価格その他コモディティへの資金流入が想定されよう。
  • 実質金利低下はグロース銘柄にとって追い風となりやすいものの、金融システム懸念が強まる環境の下では、キャッシュフローや利益率の改善が見込まれる銘柄、またはChatGPTのような人工知能(AI)の新時代を支える技術など強い需要が見込まれる特定分野に物色が集中しやすい面があるだろう。
  • 金融システムへの懸念が高まること、預金者が金融機関を選別するだけでなく、金融機関も取引先・融資先の信用リスクに敏感にならざるを得ない。債券発行の信用格付けなどとともに、信用スコアなどの分析データを提供するリサーチ会社・情報ベンダーの価値が高まると期待される。データ提供企業はインフレによる利益率悪化との関係が薄い点もプラス材料だろう。(笹木)
  • 3/14号では、ファクトセット・リサーチ・システムズ(FDS)フェア・アイザック(FICO)ヴァンエック金鉱株ETF(GDX)Mobileye Global Inc(MBLY)ニューモント(NEM)シノプシス(SNPS)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(3/10現在)

主要企業の決算発表予定

3月14日(火)レナー
3月15日(水)アドビ
3月16日(木)フェデックス、ダラー・ゼネラル

主要イベントの予定

3月14日(火)
  • 米CPI (2月)
3月15日(水)
  • 米PPI(2月)、米ニューヨーク連銀製造業景況指数(3月)、米小売売上高 (2月)、米企業在庫(1月)、米NAHB住宅市場指数(3月)、対米証券投資(1月)
3月16日(木)
  • 米財務長官が上院財政委員会で証言、ECB政策金利発表・総裁記者会見、米州開発銀行(IDB)・米州投資公社年次総会(パナマ、19日まで)
  • 米住宅着工件数(2月)、米輸入物価指数(2月)、米新規失業保険申請件数(11日終了週)、米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(3月)
3月17日(金)
  • 米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(3月)、米景気先行指標総合指数(2月)、米鉱工業生産(2月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ファクトセット・リサーチ・システムズ(FDS)市場:NYSE・・・2023/3/23に2023/8期1Q(9-11月)の決算発表を予定 

  • 1978年設立。複数の情報ベンダーからのデータをまとめて最新の技術を通じて加工されたコンテンツ・分析、および金融情報をオンライン配信などで金融の専門家・投資家に対して提供する。
  • 12/20発表の2023/8期1Q(9-11月)は、売上高が前年同期比18.9%増の5.04億USD、非GAAPの調整後EPSが同22.8%増の3.99USD。調整後営業利益率が同4.7ポイント上昇の38.3%へ改善。11月末で年間サブスクリプション収益額(ASV )1万USD以上顧客数が8月末比93件増の7631件へ拡大。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比14-15%増の21.00-21.15億USD、調整後EPSが同8-11%増の14.50-14.90USD。顧客数拡大とともに既存顧客についても1Qは年間売上更新率が95%、契約更新率が92%と堅調。昨年3月に証券識別コード付番のCUSIPを約19億USDで買収したこともオープンデータへの取り組み強化につながった。富裕層資産管理のウエルスマネジメント業務強化も奏功。

フェア・アイザック(FICO)市場:NYSE・・・2023/4/27に2023/9期2Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1956年設立の情報ソリューション企業。「FICOスコア」は米国の大半の金融機関でリスク評価と融資判断に利用。ソフトウエア(分析およびデジタル意思決定ほか)、スコアの2事業セグメントを営む。
  • 1/26発表の2023/9期1Q(10-12月)は、営業収益が前年同期比7.0%増の3.44億USD、非GAAPの調整後EPSが同15.1%増の4.26USD。セグメント別営業収益は、ソフトウエア(オンプレミスおよびSaaS)が同9.2%増の1.66億USD、FICOスコアの提供に係るスコア事業が同5.0%増の1.78億USDだった。
  • 通期会社計画は、営業収益が前期比6.2%増の14.63億USD、非GAAPの調整後EPSが同12.8%増の19.42USDと従来計画を据え置いた。1Qのスコア事業における営業収益の内、消費者向け(BtoC)が6%減も金融機関向け(BtoB)が前年同期比11%増と堅調。21年3月、シンガポール拠点のLenddoと提携して成長市場のインドで代替データスコア「FICO Score X Data India」発売など海外展開強化。

ヴァンエック金鉱株ETF(GDX)市場:NYSEArca・・・分配金:年1回(12月) 

  • NYSE Arca Gold Miners指数に連動する投資成果を目指す。同指数は世界の全サイズの素材株に投資。北米、特にカナダ国内の企業に最大の比重。時価総額加重平均を用いてウェートを算定。
  • 10日終値時価総額が112.7億USD、過去12か月間分配金単価(ネット)合計が0.4762USD。組入れ上位6社はニューモント(NEM)バリック・ゴールド(GOLD)フランコ・ネバダ(FNV)アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)ウィートン・プレシャス・メタル(WPM)、ニュークレスト・マイニング(NCM)。
  • 昨年末終値から3/10終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は同ETFが▲5.1%に対し、ダウ工業株30種平均が▲3.7%、S&P500株価指数が+0.6%、ナスダック100が+10.9%。また、CMX金先物は+3.7%。中央銀行のカナダ銀行は8日、主要中央銀行として初めて政策金利の利上げサイクルを停止。16日発表の欧州中央銀行(ECB)、23日発表の米FOMCでの政策金利が注目される。

Mobileye Global Inc(MBLY)市場:NASDAQ・・・2023/5/8に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1999年のイスラエルのソフトウエア会社。17年にインテル(INTC)による買収後22年10月にスピンオフIPO。世界中で先進運転支援システム (ADAS) および自動運転技術とソリューションを開発・展開。
  • 1/26発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比58.7%増の5.65億USD、非GAAPの調整後EPSが同2.1倍の0.27USD。調整後営業利益率が同4.4ポイント改善。運転支援システム需要伸長を背景に主要製品EyeQとSuperVisionは出荷台数同39%増、平均システム単価同16%上昇。
  • 2023/12通期会社計画は、売上高が前期比17-22%増の21.92-22.82億USD、調整後営業利益が同▲16-▲8%の5.77-6.27億USD。最新プラットフォーム「SuperVision」を中心に2022年度に設計した分のADAS製品に係る受注残から2030年までに売上高67億USD(出荷64百万台)がもたらされる見通し。画像処理半導体チップのEyeQシリーズは人工知能(AI)の活用の点からも注目度が高まろう。

ニューモント(NEM)市場:NYSE・・・2023/4/21に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表予定 

  • 1921年に創業の全米最大、世界でも上位2社の産金会社。金のほか銅、銀などの採掘・加工・精製を行う。米国、オーストラリア、ガーナ、ペルー、スリナム(南米北東部の共和国)で事業を展開。
  • 2/23発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比5.6%減の32.00億USD、非GAAPの調整後EPSが同43.6%減の0.44USD。金の平均実現販売価格が同2.2%下落の1オンス1758USDとなったことが響き減収。利益面では1オンス当たり総費用(AISC)が同15.1%増の1215USDと嵩んだ。
  • 2023/12通期会社計画は、金生産量が前期比▲4.4〜+5.7%の5.7-6.3百万オンス、金生産のAISCが同▲5.0〜+3.2%の1150-1250USD/オンス。世界的インフレを受けてエネルギーや労務費など生産コストが高騰。業界再編による合理化加速も想定されよう。また、シリコンバレー銀行やシルバーゲート銀行の経営破綻等により米FRBの金融引締め強化が困難となれば金価格高騰が期待される。

シノプシス(SNPS)市場:NASDAQ・・・2023/5/18に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1986年設立。電子機器や半導体の設計作業自動化を支援するElectric Design Automation(EDA)ツール・ソフトウェアを世界中の企業に提供。寡占市場のEDAツールで業界世界首位を占める。
  • 2/15発表の2023/10期1Q(11-1月)は、売上高が前年同期比7.2%増の13.61億USD、非GAAPの調整後EPSが同9.2%増の2.62USD。EDA収入が同10.7%増の8.89億USD、IPおよびインテグレーション収入が同1.1%増の4.71億USD。供給制約の影響を受けにくい強みを発揮。前四半期比も6%増収。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高は前期比14-15%増の57.75-58.25億USDと据え置きも、調整後EPSを同18-19%増の10.53-10.60USD(従来計画10.28-10.35USD)とした。ChatGPTのような汎用型・生成型人工知能(AI)の普及はEDAの処理能力を高め、そのEDAで設計した半導体によってAIが高度化し更なるEDAの進化に繋がろう。このようなサイクルは業界首位の同社への追い風となろう。
  • (※)決算発表の予定は3/10現在であり、変更される可能性があります。
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