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2024-05-02 23:20:01

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “FRBバランスシート拡大と金融株への投資時機”

“FRBバランスシート拡大と金融株への投資時機”

2023/3/28
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“FRBバランスシート拡大と金融株への投資時機”

  • 21-22日に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)は米地銀の相次ぐ破綻に対してパウエルFRB議長がどのようなスタンスで臨むのかが注目された。パウエル議長は、物価安定と金融システム安定の問題を切り分け、金融政策はあくまでもマクロ経済環境に応じて実行する姿勢を強調。一方で、金融システムの動揺が実体経済に波及する経路についても説明。家計や企業への信用供与が引き締まり利上げと同様に働くとの認識も示した。
  • 実際にFRBは「割引窓口(ディスカウント・ウインドウ)貸出」、および新設の「銀行ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)」を通じて銀行の預金流出に対して充分に流動性を供給している。シリコンバレー銀行の破綻の教訓は、SNSによって情報が瞬時に拡散しオンラインで預金引き出しが簡単にできる時代には取り付け騒ぎも簡単に起きるということだろう。FRBバランスシート額は金融引き締めが進む中で昨年4月の9兆ドル超から今年3/8の8兆3900億ドルまで縮小していた。ところが、FRBの潤沢な流動性供給により15日には8兆6900億ドルまで拡大。パウエル議長はこのバランスシート額拡大を一時的としているものの、預金引き出しが簡単にできてしまう時代には常に余裕をもって多めに流動性を供給する必要があるだろう。その意味では今後、FRBバランスシート額は容易に縮小しにくくなった面があるだろう。
  • このような動きを受けて、足元では過剰流動性の受け皿となりやすい大型ハイテク株が買われている。10日から24日の終値間の騰落率ではアップル(AAPL)アマゾン・ドット・コム(AMZN)が約8%、マイクロソフト(MSFT)が約13%、メタ・プラットフォームズ(META)が約15%、アルファベット(GOOGL)が約16%上昇している。また、流動性拡大によりCMXの金先物価格も7日終値1オンス1817USDから足元では1オンス2000ドル近辺まで押し上げられた。
  • 他方、セントルイス地区連銀ブラード総裁が24日に述べたように、規制当局の「強力かつ迅速」な対応で銀行セクターを巡るストレスは和らいでいるとみられるなかでS&P500構成銘柄のうち金融商品を開発・提供する企業株全体の動向を表す「ファイナンシャル・セレクト・セクター(トータルリターン)指数」の終値は10日から24日にかけて▲5.5%。同指数の14日間RSI(14日間の終値前日比での上げ幅合計を、上げ幅と下げ幅の全合計数値で割った比率)を見ると、13日に17.79%まで低下後に24日は32.12%と切り上がっている。RSIは30%以下が「売られ過ぎ」とされるなか、同指数の日次変動率の3倍(費用控除前)に連動する投資成果を目指すディレクション・デイリー金融ブル3Xシェアーズ(FAS)の投資タイミングと見る余地があろう。(笹木)
  • 3/29号では、ブラックストーン(BX)ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズ(FCNCA)JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)モルガン・スタンレー(MS)ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)フィナンシャル・セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(3/24現在)

主要企業の決算発表予定

3月28日(火)マイクロン・テクノロジー、ルルレモン・アスレティカ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、マコーミック
3月29日(木) シンタス、ペイチェックス

主要イベントの予定

3月28日(火)
  • 米上院銀行委員会で最近の銀行破綻と連邦当局の対応巡る公聴会、英中銀総裁がシリコンバレー銀行(SVB)巡り証言
  • 米FHFA住宅価格指数(1月)、米主要20都市住宅価格指数(1月)、米消費者信頼感指数カンファレンスボード(3月)
3月29日(水)
  • 米下院金融委員会で最近の銀行破綻と連邦当局の対応巡る公聴会、第2回民主主義サミット(オンライン、30日まで)、台湾総統がニューヨークに滞在(30日まで)
  • 米中古住宅販売成約指数(2月)
3月30日(木)
  • リッチモンド連銀総裁f講演、米大リーグ開幕
  • 米GDP・確定値(4Q)、米新規失業保険申請件数 (3月25日終了週)
3月31日(金)
  • 米ニューヨーク連銀総裁とECB総裁が講演
  • 米個人支出・米個人消費支出(PCE)物価指数(2月)、米個人所得(2月)、米シカゴ製造業景況指数(3月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(3月)
4月1-2日(土・日)
  • 米スターバックスでラクスマン・ナラシムハン氏がCEOに就任
4月3日(月)
  • S&Pグローバル米国製造業PMI・確定値(3月)、米建設支出(2月)、ISM製造業景況指数(3月)、ワーズ自動車販売台数合計(3月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ブラックストーン(BX)市場:NYSE・・・2023/4/21に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1985年設立の世界的なオルタナティブ(代替資産)運用会社。昨年末総管理資産残高は9747億USD。プライベート・エクイティ(PE)や不動産等を扱う。公的・企業年金が主なリミテッド・パートナー。
  • 1/26発表の2022/12期4Q(10-12月)は、純収益が前年同期比70.4%減の17.04億USD、EPSが同60.9%減の0.75USD。投資収益を除く総収益は同0.5%増の17.18億USD。内。マネジメント・アドバイザリー純報酬が同12.9%増の16.48億USD。期末総管理資産額は同10.6%増、9月末比4.6%増。
  • 2022年度の配当金合計は4.40USDに上り、24日終値での23年度市場予想配当利回りも4.96%。22年度は自社株買いと配当の合計額が61億USDに達した。世界の金融機関が富裕層向け資産管理のウェルス・マネジメントに照準を合わせるなか、先進国では買収等を通じて上場企業数が減少傾向。ESG(環境・社会・統治)の後押しも受けてプライベート資産市場の成長拡大が期待されよう。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズ(FCNCA)市場:NASDAQ・・・2023/4/28に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1898年設立の金融持株会社でファースト・シ チズンズ銀行を擁する。22年1月に大型機械リースや消費者金融を展開するCITを統合。全米22州で600超支店を有するほかデジタル・チャネルを展開。
  • 1/26発表の2022/12期4Q(10-12月)は、純収益が前年同期比13.7%増の12.31億USD、非GAAPの調整後純利益が同5.2%増の3.06億USD。純金利収益が金利上昇の追い風で同29.6%増の8.02億USD、非金利収益が同7.5%減の4.29億USD。CITとの統合が奏功し経費率が同3.8ポイント改善。
  • 2023/12通期会社計画は、前期比増加率で純金利収益が1桁台半ば、非金利収益が横ばい〜1桁台前半、営業費用が1桁台半ば。ファースト・シチズンズ銀行は元々は何世代にも渡る同族経営を基に長期的観点で経営をしてきたなかで昨年1月のCITグループとの合併で全米で資産規模上位20位圏内、同族経営で全米首位に躍進。27日、経営破綻したシリコン・バレー銀行の買収で合意。

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)市場:NYSE・・・2023/4/14に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1799年設立の米国最大手金融持株会社。全米23州でJPモルガン・チェース銀行を通じて銀行業務のほか海外約60カ国で金融事業。クレジットカード発行のほか投資銀行・債券・株式業務を行う。
  • 1/13発表の2022/12期4Q(10-12月)は、純収益が前年同期比18.1%増の345.47億USD、非GAAPの調整後EPSが同7.2%増の3.57USD。経費率が同6.1ポイント改善の一方、貸倒損失引当金繰入額が同35.76億USD悪化で戻入から繰入へ転落。投資銀行部門を除くその他主要部門は増収増益。
  • 2023/12通期会社計画は、市場部門を除く純金利収益が前期比9.0%増の730億USD、調整後営業費用が同6.7%増の810億USD、クレジットカード180日以上延滞債権に係る純チャージオフ(NCO)比率が同1.13ポイント悪化の2.60%。年内2回(0.5%)の政策金利下げを見込む。相次ぐ米地銀の破綻の影響で中小銀行から預金が流出。同行は低コストで預金受入れの恩恵を得ている。

モルガン・スタンレー(MS)市場:NYSE・・・2023/4/19に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1924年設立。投資銀行業務、株式・債券のセールス&トレーディング、不動産業務、資産運用業務などをグローバルに展開。08年リーマンショック後に三菱UFJフィナンシャルG(MUFG)と資本提携。
  • 1/17発表の2022/12期4Q(10-12月)は、純収益が前年同期比12.2%減の127.49億USD、買収の影響を除く非GAAPの調整後EPSは同37.0%減の1.31USD。セグメント別の純収益は機関投資家向け証券業務が市況悪化で同28%減、資産運用業務が同17%減もウエルスマネジメント業務が同6%増。
  • 同社はウエルスマネジメント業務と資産運用業務に重点を置く戦略を展開。富裕層個人向けでスミス・バーニー証券(09年)、職域事業でソリウム・キャピタル(19年)、オンライン証券のイー・トレードを20年に買収。資産運用業務では投資信託会社イートン・バンスを21年に買収。ウエルスマネジメント業務は金融引締め局面でも金利収入増加が見込まれ、市況悪化時の収益下支えが期待される。

ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)市場:NYSE・・・2023/4/27に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表予定 

  • 1859年設立の金融持株会社。米国最大の住宅ローン組成・サービサーの1つを持つフラッグスター銀行を昨年12/1に統合。個人、中小企業、専門職団体向けに強みを持ち倉庫貸付等にも特色。
  • 1/31発表の2022/12期4Q(10-12月)は、純収益が前年同期比70.7%増の5.77億USD、統合関連の影響を除く非GAAPの調整後EPSが同19.4%減の0.25USD。統合効果1ヶ月間で増収も利益面で経費率が同6.7ポイント悪化の46.7%、貸倒損失引当金繰入額が1.24億USD(前年同期4億USD)と増加。
  • 預貸利鞘を中心とした商業銀行モデルへの変革を目的としたフラッグスター銀行(資産規模258億USD、貸出残高172億USD)との統合により、グループ全体で資産規模901億USD、貸出残高690億USDと躍進。24日終値で市場予想配当利回りが7.60%と財務に強み。フラッグスター銀行は経営破綻したシグネチャーバンク(資産規模約1100億USD)の買収で合意。更なる追い風が期待される。

フィナンシャル・セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)市場:NYSEArca・・・分配金:年4回(3・6・9・12月) 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • (※)決算発表の予定は3/24現在であり、変更される可能性があります。
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