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2024-05-03 04:53:35

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “雇用統計と銘柄物色変化、中国メリットと逆張り投資”

“雇用統計と銘柄物色変化、中国メリットと逆張り投資”

2023/4/4
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“雇用統計と銘柄物色変化、中国メリットと逆張り投資”

  • 米地銀の預金減少に歯止めがかかり始めた。FRBが3月31日に発表したデータでは、22日週での米国銀行の預金残高は、小規模銀行が前週比50億ドル増の5兆3860億ドルとなった。「割引窓口貸出」や「銀行ターム・ファンディング・プログラム」を通じた流動性供給によって15日週以降に拡大に転じていたFRBの総資産(バランスシート)額は、31日週に2週間ぶりに減少に転じた。31日の米国株相場は2月の米個人消費支出(PCE)物価指数が市場を下回ったこともあり主要指数が軒並み大幅高となったものの、パウエルFRB議長が3月実施のFOMC(連邦公開市場委員会)で述べた通りにFRBバランスシート拡大が一時的なものとなるならば、過剰流動性の受け皿となりやすい大型ハイテク株の戻り上昇力が鈍化してくる可能性があるだろう。14日間の終値の上昇幅合計を上昇幅と下落幅の合計で割った割合の「相対力指数(RSI)」を見ても、主ハイテク株中心のナスダック100指数は31日に68.48%と「買われ過ぎ」とされる70%に近付いてきた。「買われ過ぎ」に達したからと言ってすぐに下落するわけではないものの要警戒ゾーンと見る余地があろう。
  • その一方、NYダウ平均を構成する景気敏感株や消費関連株およびバリュー銘柄については、今月7日の3月の米雇用統計およびその他の雇用関連指標で強い数字が出れば相対的に買われやすくなる可能性があるだろう。5月の2-3日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)に対する市場での利上げ予想は据え置きと0.25ポイント利上げがほぼ五分五分となるなか、0.25ポイント以上の利上げ確率が高まる可能性が考慮されよう。
  • 景気敏感・消費関連株の中には、昨年の20年ぶりドル高水準および中国のゼロコロナ政策が業績の重しとなっている多国籍企業が見られた。その代表的企業の一つであるスポーツアパレル大手ナイキ(NKE) が21日に発表した22年12月〜23年2月決算を見ても、ドル高が増収率を引き続き押し下げたほか、香港・台湾などを含む「大中華圏」の減収率も改善に至っていない。中国の3月製造業購買担当者景気指数(PMI)は国家統計局と財新/S&Pグローバルともに2月から低下と、追い風が吹くにはもう少し時間を要そう。
  • ダウ平均採用30銘柄の年間騰落率で21年が最下位(▲15%)、22年も28位(▲44%)と不振が続いたウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS) はアクティビスト(物言う株主)から経営陣への突き上げも厳しさを増している。クラウド・サービスのセールス・フォース(CRM) はアクティビストが成長と利益率改善の両立へ貢献し株価も反転上昇。ウォルト・ディズニーも同様の動きが期待されるなかで逆張り投資の観点から注目されよう。(笹木)
  • 4/4号では、アリババグループ・ホールディング(BABA)バンガード・米国中期債券ETF(BIV)ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)ゼネラル・ミルズ(GIS)ラムリサーチ(LRCX)ナイキ(NKE) を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(3/31現在)

主要企業の決算発表予定

4月5日(水) コナグラ・ブランズ
4月6日(木) ラム・ウェストン・ホールディングス、コンステレーション・ブランズ

主要イベントの予定

4月4日(火)
  • 米クリーブランド連銀総裁講演、豪中銀政策金利発表、NATO外相会合(ブリュッセル、5日まで)、EU米エネルギー相会合
  • 米製造業受注(2月)、米求人件数(2月)
4月5日(水)
  • 米ADP雇用統計(3月)、米貿易収支(2月)、米ISM非製造業総合景況指数 (3月)、S&Pグローバル米総合・サービス業PMI(3月)
4月6日(木)
  • 米セントルイス連銀総裁講演、台湾総統が中米訪問時帰路にロサンゼルス立ち寄り(7日まで)
  • 米新規失業保険申請件数(1日終了週)
4月7日(金)
  • グッドフライデー(聖金曜日)の祝日で米・欧州・香港などの株式市場休場・米債券市場は短縮取引、米ニューヨーク国際自動車ショー(16日まで)
  • 米雇用統計(3月)
4月10日(月)
  • 米卸売売上高・在庫(2月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アリババグループ・ホールディング(BABA)市場:NYSE・・・2023/5/26に2023/3期4Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1999年設立の中国の電子商取引世界最大手。C2C(顧客間)のECサイト「淘宝」と、B2C(企業対顧客)のECサイト「天猫(Tモール)」を運営。電子決済(支付宝)やクラウド事業なども展開する。
  • 2/23発表の2023/3期3Q(10-12月)は、売上高が前年同期比2.1%増の2477億元、非GAAPの調整後純利益が同11.9%増の499億元。調整後EBITDAマージンが同3ポイント上昇。売上比率69%の中国コマースは同1%減収も調整後EBITDAが同1%増益。物流が同27%増収、海外が同18%増収。
  • 2023/3期会社計画は非公表。同社は3/28、持ち株会社制に移行してネット通販やクラウド、物流など6つの事業グループに分割・再編すると発表。事業会社ごとの資金調達やIPOも選択肢とし、物流子会社の香港市場へのIPO準備開始も報じられた。分離上場により政府からの規制圧力の緩和に加え、「コングロマリット・ディスカウント」の解消によるグループ企業価値顕在化への期待も高まろう。

バンガード・米国中期債券ETF(BIV)市場:NYSEArca・・・分配金年12回 

  • ブルームバーグ5-10年国債/クレジット指数に連動する投資成果を目指す。同指数は、米国債、投資適格社債、投資適格国際債券のうち、償還期間が5〜10年で発行残高が中・大型銘柄で構成。
  • 3/31終値で時価総額が140.1億USD、過去12ヵ月間の分配金単価(ネット)合計は1.886473 USD、12ヵ月間配当利回りが2.40%。また、S&P500株価指数をベンチマークとして算出した過去1年間の「修正ベータ」が0.321、相関係数が▲0.031、30日間のボラティリティ(価格変動率)が10.27%。
  • 昨年末終値から3/31終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は、同ETFが+2.7%に対し、ダウ工業株30種平均が+0.4%、S&P500株価指数が+7.0%、ナスダック100が+20.4%。3/31発表の2月の個人消費支出(PCE)価格指数は伸び鈍化。投資家の銀行システムへのストレス再燃および銀行破綻を受けた融資基準厳格化への懸念が強く残る中で中長期債券利回り低下が期待されよう。

ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)市場:NYSE・・・2023/5/11に2023/9期2Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1923年設立の総合エンターテイメント企業。ABCテレビ、ケーブルTVのESPN、動画配信サービス、映画制作・ライセンス含む「メディア・エンターテイメント部門」、および「テーマパーク部門」を営む。 2/8発表の2023/9期1Q(10-12月)は、売上高が前年同期比7.8%増の235.12億USD、継続事業からのEPSが同11.1%増の0.70USD。テーマパーク部門は同21%増収、同25%営業増益と堅調の一方、動画配信事業は同13%増収も営業利益が同▲5.93億USDから▲10.93億USDへ赤字幅拡大。
  • 2023/9期の会社計画は非開示。動画配信事業は「ディズニー+」の12月末会員数が9月末比240万人減と頭打ちとなるなかで赤字が続く。同社はコスト構造の見直しが必要と判断し、従業員の3%に当たる7000人削減のほか24年までに作品投資30億USD含めて55億USD削減とした。株価は足元で21年3月高値から約51%下落水準。全体の増収増益基調からすれば売られ過ぎの面もあろう。

ゼネラル・ミルズ(GIS)市場:NYSE・・・2023/6/29に2023/5期4Q(3-5月)の決算発表を予定 

  • 1866年設立の食品メーカー。ハーゲンダッツやとんがりコーンなど、調理済みシリアルやインスタント食品、 ヨーグルト、アイスなどの消費者向けブランド食品を製造・販売。ペットフード製品も取扱う。
  • 3/23発表の2023/5期3Q(12-2月)は、売上高が前年同期比13.0%増の51.25億USD、非GAAPの調整後EPSが同15.5%増の0.97USD。強いブランド力を背景とした販売価格引上げが奏功し、既存事業売上高が同16%増、調整後粗利益率が同2.4ポイント、調整後営業利益率が同0.8ポイント向上。
  • 通期会社計画を上方修正。既存事業(オーガニック)売上高を前期比10-11%増(従来計画:10%増)、調整後EPS(為替一定の前提)を同8-9%増(同:7-8%増)とした。3Qセグメント別売上高実績は海外部門が前年同期比3%減の一方、北米小売事業が同15%増、ペット事業が同14%増、北米フードサービスが同25%増。同社株は過去120年以上連続配当実施、100年以上減配をしていない。

ラムリサーチ(LRCX)市場:NASDAQ・・・2023/4/19に2023/6期3Q(1-3月)の決算発表予定 

  • 1980年設立の半導体製造装置メーカー。デポジション、エッチ、フォトレジスト除去(ストリップ)、ウエハー洗浄(クリーン)向けに製品を提供する。半導体エッチング装置分野では世界シェア首位。
  • 1/25発表2023/6期2Q(10-12月)は、売上高が前年同期比24.9%増の52.77億USD、非GAAPの調整後EPSが同25.6%増の10.71USD。調整後粗利益率は同1.7ポイント悪化。前四半期比は売上高が4.0%増、調整後EPSが2.8%。売上構成比67%の先端システム収入に占めるメモリー比率は50%。
  • 2023/6期3Q(1-3月)の会社計画は、売上高が前年同期比▲17-▲3%の35-41億USD、調整後EPSが同▲33-▲15%の5.75-7.25USD。半導体市場の需要低迷および米国の対中半導体規制強化の影響を受けると想定。3月までに従業員の7%(1300人)解雇を計画。他方、ChatGPTなど生成型AI活用サーバーは従来比8倍のDRAM、3倍のNAND型フラッシュメモリが必要とされる点が注目される。

ナイキ(NKE)市場:NYSE・・・2023/6/27に2023/5期4Q(3-5月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1967年設立のスポーツ用アパレル世界最大手メーカー。スポーツ向けシューズ、カジュアルウェアなど開発販売を行う。ナイキ、コンバース、ハーレー、ジョーダン・ブランド他著名ブランドを擁する。
  • 3/21発表の2023/5期3Q(12-2月)は、売上高が前年同期比14.0%増の123.90億USD、EPSが同9.2%減の0.79USD。ドル高が増収率を約5ポイント押し下げた。売上高のうちナイキブランドのデジタル販売が同25%増と拡大。粗利益率は運送費増や在庫減に伴う値引きが響き同3.3ポイント悪化。
  • 2023/5期4Q(3-5月)会社計画は売上高が前期比横ばい〜1桁台前半の伸び率。消費者需要の強さの一方、在庫削減に伴う値引きやコスト高が続く見通し。同社への投資で注目すべき点と考えられる「大中華圏」の売上高が3Qで前年同期比8%減と未だ回復に至らないもののドル高緩和傾向と併せて4Qの動向が注目される。高利益率デジタル販売の伸びが加速すれば利益率改善に繋がろう。
  • (※)決算発表の予定は3/31現在であり、変更される可能性があります。
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