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2024-05-03 01:52:08

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “ISM製造業・非製造業景況指数とヘルスケア銘柄”

“ISM製造業・非製造業景況指数とヘルスケア銘柄”

2023/4/11
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“ISM製造業・非製造業景況指数とヘルスケア銘柄”

  • 今月第1週のS&P500業種別およびNYダウ平均株価構成銘柄の騰落率を見ると、公益事業やヘルスケアといった景気に左右されにくい業種が買われ、医療保険を手掛けるユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH)、医薬品メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)およびメルク(MRK)、バイオ技術のアムジェン(AMGN)といったディフェンシブ銘柄が上位を占めた。ダウ平均株価は、景気指標の悪化が目立つ中でこれらの業種・銘柄が買われることで下支えされているように見受けられる。
  • 3日に発表された3月のISM(全米供給管理協会)製造業景況指数は前月比1.4ポイント低下の46.3と2年10か月ぶりの低水準となった。同指数は、全米の製造業の300社以上の購買・供給管理の役員に生産、新規受注、在庫、投入価格、雇用、入荷遅延などの項目について前月と比較し、「良い」、「変わらず」、「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したもの。50%を景気の拡大・後退の分岐点とする。項目ごとに見ると、新規受注が前月比2.7ポイント低下の44.3、供給業者の入荷遅延が同0.4ポイント低下の44.8、投入価格が同2.1ポイント低下の49.2と軒並み悪化し50を下回った。
  • 同様に全米の非製造業の375社以上の購買・供給管理責任者を対象にアンケート調査を実施するのがISM非製造業景況感指数であり、5日に発表された3月の同指数は前月比3.9ポイント低下の51.2と、活動の拡大と縮小の境目を示す50%を上回ったものの、市場予想を大きく下回った。特に新規受注が52.2と前月比で10.4ポイントの大幅低下。3月のISM製造業および非製造業景況感指数の発表後にいずれも米国長期金利が低下したなか、長期金利が低下する日に物色されやすい高PER(株価収益率)のグロース銘柄や大型ハイテク株の株価が5日に下落していたことは注目に値する。同じように景気鈍化・後退懸念で長期金利が低下しても、それがサービス業など非製造業に関わる場合にはグロース銘柄や大型ハイテク株はヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄と比較して買われにくい面があることは注意されよう。
  • ヘルスケア企業への投資に際しては、足元で高収益でも主力の大型製品が特許切れとなった場合のリスクが付きまとうことから、製品開発パイプラインに有望な臨床試験中の新薬候補がどれだけあるのかが鍵を握ろう。人口高齢化、経済成長に伴う生活習慣病増加、気候変動に伴う衛生環境悪化に伴う感染症リスクなど、ヘルスケア需要は高まる一方だろう。更に、医療分野のデジタル化が急速に進み、医薬品の研究開発のプロセスに人工知能(AI)を活用することで新薬開発のスピード短縮に拍車がかかるだろう。(笹木)
  • 4/11号では、アストラゼネカ(AZN)バイオジェン(BIIB)GE HealthcareTechnologies(GEHC)HCAヘルスケア(HCA)iシェアーズ・バイオテクノロジーETF(IBB)インテュイティブサージカル(ISRG)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(4/6現在)

主要企業の決算発表予定

4月11日(火)カーマックス
4月13日(木)ファスナル、デルタ航空
4月14日(金)シティグループ、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、ウェルズ・ファーゴ、ユナイテッドヘルス・グループ、ブラックロック、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ
4月17日(木)JBハント・トランスポート・サービシズ、ステート・ストリート、チャールズ・シュワブ、M&Tバンク

主要イベントの予定

4月11日(火)
  • 米大統領が英国とアイルランド訪問(14日まで)、IMF世界経済見通し(WEO)発表、米シカゴ連銀総裁と米フィラデルフィア連銀総裁が講演、米ミネアポリス連銀総裁がタウンホール討論会に参加、米比合同軍事演習「バリカタン」(28日まで)
4月12日(水)
  • G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、13日まで)、米リッチモンド連銀総裁が投資関連会議で挨拶、米FOMC議事要旨(3月21、22日開催分)
  • 米CPI(3月)、米財政収支(3月)
4月13日(木)
  • 米PPI(3月)、米新規失業保険申請件数(8日終了週)
4月14日(金)
  • IMF・世銀春季会合(16日まで、ワシントン)
  • 米小売売上高 (3月)、米輸入物価指数(3月)、米鉱工業生産(3月、米企業在庫(2月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(4月)
4月15-16日(土・日)
  • G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会(16日まで)、米財務省の半期に一度の為替報告書の議会提出期限、G7外相会合(長野県軽井沢町、18日まで)
4月17日(月)
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)、NAHB住宅市場指数(4月)、ネットTIC長期フロー・対米証券投資(2月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アストラゼネカ(AZN)市場:NASDAQ・・・2023/4/27に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1992年設立の英国大手製薬企業。主にオンコロジー(腫瘍・がん)、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患などの治療薬を中国、ブラジル、インドなどの新興国を含む100カ国超で事業を展開。
  • 2/9発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比6.7%減の112.07億USD、非GAAPのコアEPS同17.4%減の1.38USD。新型コロナワクチンを除けば同17%増収。為替の影響で8ポイント低下。コア粗利益率が同3ポイント改善も研究開発費や販管費が嵩みコア営業利益率が同4ポイント悪化。
  • 2023/12通期会社計画は、為替の影響を除く売上高が前期比1桁台前半〜半ば(新型コロナワクチンを除くベースで同10%台前半)の伸び率、調整後EPSが同1桁台後半〜10%台前半の伸び率。同社は22年度で14のブロックバスター(年収10億USD以上の製品)を擁し、2/9現在で170以上のパイプラインがある。市場予想は今後5年で業界平均2倍以上の年平均成長率(16.2%)を見込む。

バイオジェン(BIIB)市場:NASDAQ・・・2023/5/3に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1978年設立のバイオ医薬品企業。神経疾患の治療医薬品を手掛け、再発性多発性硬化症(MS)治療薬、クローン病治療薬、非ホジキンリンパ腫、関節リウマチ治療薬などを主要製品とする。
  • 2/15発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比6.9%減の25.44億USD、非GAAPの調整後EPSは同19.5%増の4.05USD。主力のMS治療薬の内、テクフィデラに係る後発医薬品との競合圧力に加え、タイサブリへの値下げ圧力が響き減収も、調整後販管費が同19%減と増益に寄与。
  • 2023/12通期会社計画は、売上高が前期比1桁台半ばの減少率、調整後EPSが同▲15.1-▲9.5%の15.00-16.00USD。日本のエーザイと共同開発のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」は今年1/6に米国で迅速承認を取得。フル承認に向けて7/6を審査終了目標日として米FDA(食品医薬品局)が審査中。エーザイは3/9開催説明会でレカネマブの2030年度売上げ見通しを1兆円規模とした。

GEHealthcareTechnologies(GEHC)市場:NASDAQ・・・2023/4/25に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 2023年初にゼネラル・エレクトリック(GE)からスピンオフした医療機器メーカー。イメージング(医療画像診断装置)、超音波、患者ケアソリューション、診断薬(造影剤など)の4事業セグメントを営む。
  • 1/30発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比7.6%増の49.38億USD、非GAAPの調整後EPSが同3.7%減の1.31USD。既存事業売上高は同13%増。販売価格引上げ、および供給制約の緩和が増収に貢献。金融費用増が響き最終減益も、フリーキャッシュフローは同79%増。
  • 2023/12通期会社計画は、既存事業売上高が前期比5-7%増、非GAAPの調整後EPSが同6.5-10.9%増(3.60-3.75USD)。22年度4Qの事業別EBIT(税引前・利払い前利益)マージンでは、モニタリング機器、麻酔・人工呼吸システム等を扱う「患者ケアソリューション」が前年同期比4.1ポイント改善。他の3事業は悪化も、医療デジタル化と世界的な高齢化進展を追い風に改善が期待される。

HCAヘルスケア(HCA)市場:NYSE・・・2023/4/21に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1968年設立の病院運営持株会社。2022年末時点で米国20州と英国で一般・救急病院ほか182の病院、および126の独立外科センターの医療施設を運営。病院チェーン時価総額で世界首位。
  • 1/27発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比2.9%増の154.97億USD、施設売却益等を除く非GAAPの調整後EPSが同5.0%増の4.64USD。既存施設入院相当患者1人当たり収入が同2.6%減も既存施設入院相当患者数が同5.4%増。人件費と消耗品費が同横ばいと増益に貢献。
  • 2023/12通期会社計画は、売上高が前期比2.1-5.4%増615-635億USD、EPSが同▲2.9〜+4.2%の16.40-17.60USD。買収を除く資本的支出は同2.3%減の43億USD。22年度4Qに自社株買い枠を30億USD追加設定と、病院数・病床数拡大投資を維持しつつ株主還元にも注力方針。新型コロナ対応で膨らんだ人件費の正常化および外科手術件数の堅調な増加の業績への貢献が期待される。

iシェアーズ・バイオテクノロジーETF(IBB)市場:NASDAQ・・・年4回分配金(3・6・9・12月) 

  • 米国で上場されるバイオ・セクターで構成されるICE バイオ・テクノロジー指数に連動する投資成果を目指す。構成銘柄は最低時価総額2億USD、浮動株比率調整後の時価総額で加重平均する。
  • 4/7時点で時価総額が81.9億USD、過去1年間分配金単価合計はネット0.355078USD。組入れ上位順にアムジェン(AMGN)、ギリアド・サイエンシズ(GILD)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)、モデルナ(MRNA)、バイオジェン(BIIB)。
  • 昨年末終値から4/7終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は、同ETFが▲0.2%に対し、ダウ工業株30種平均が+1.0%、S&P500株価指数が+6.9%、ナスダック100が+19.4%。AI(人工知能)進化に伴う新薬候補物質の探索技術イノベーション加速、特に中国などアジアを中心とした世界的な高齢化進展、中間層拡大による医薬品購買力下支えなどがバイオセクターの成長を後押ししよう。

インテュイティブサージカル(ISRG)市場:NASDAQ・・・2023/4/18に2023/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1995年に設立。腹腔鏡手術のロボット支援システム「ダヴィンチ」や管腔内視鏡肺生検のロボットシステム「イオン」の開発・製造・販売を行う。ダヴィンチの設置台数は2022年12月末時点で7544台。
  • 1/24発表の2022/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比6.7%増の16.55億USD、非GAAPの調整後EPSが同4.7%減の1.23USD。売上高総営業費率が同5.3ポイント悪化の44.6%。ダヴィンチは出荷件数が同4%減も、手術件数が同18%増、昨年末時点の合計設置台数が同12%増と拡大。
  • 4Qの前四半期比は、売上高が6.3%増、調整後EPSが3.4%増と回復傾向。ダヴィンチ手術件数が中国の新型コロナ感染再拡大によるマイナスの影響を受けた中でも欧米の回復により7%増。心臓血管ほか幅広い範囲でより正確かつ患者負担の少ない医療サービス提供のため益々外科手術ロボットに頼る比率が高まるなか同市場の約8割を占めて来たダヴィンチの強みが増すと見込まれる。
  • (※)決算発表の予定は4/6現在であり、変更される可能性があります。
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