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2024-05-03 10:51:42

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “景気への弱気と生成AIへの強気の共存が続く展開”

“景気への弱気と生成AIへの強気の共存が続く展開”

2023/5/9
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“景気への弱気と生成AIへの強気の共存が続く展開”

  • 5月第1週は経営不振に陥っていたファースト・リパブリック銀行の破綻処理で幕を開けた。同行が今年1-3月だけで4割超の預金が抜け落ちていたこともあり、1-3月期預金減少率が高い順に米地銀の株価が売り叩かれて金融システム不安を増幅させた。これに対し、4日に米金融当局が銀行株の市場操作の可能性を注視していると報じられたことから、米証券取引員会(SEC)による空売り規制が意識されたほか、JPモルガンが5日、一部の地銀の投資判断を「買い」に引き上げたことで足元で株価が暴落していた地銀株が急反発。今週に向けて米国株相場は落ち着きを取り戻した。
  • 米地銀の預金流出の受け皿となりやすいのがMMF(マネー・マーケット・ファンド)であり、MMFの利回りは政策金利の利上げが続く限り銀行預金金利に対して有利となりやすい。その意味では、3日結果発表のFOMC(連邦公開市場委員会)が注目されたなか、FRB(連邦準備制度理事会)は0.25%ポイントの利上げを決定したものの、市場では次回以降の利上げ停止を示唆したと受け止められた。利上げが停止されればMMFの利回り上昇に歯止めが掛かるとみられる。この点では、5日発表の米雇用統計で失業率が53年ぶりの低水準となるなど強い雇用に伴うインフレ圧力が収まっていない点が懸念される。そのため、金融システム不安も充分に収まらず、米地銀による預金金利引き上げや融資条件厳格化の動きが米国経済の景気鈍化に繋がりやすい面が残るだろう。景気敏感株よりは、コスト増を販売価格引き上げで吸収しやすいブランド力の強い生活関連のディフェンシブ銘柄の物色が強まろう。
  • また、米連邦政府の債務上限問題において資金繰りが行き詰まる「Xデー」について財務省は6月1日の可能性を示唆。金価格は中央銀行の買いが続いていることもあり、産金会社への追い風となろう。
  • 以上のような観点からすれば、当面の米国株市場に対する見方は弱気・悲観的に傾きやすいところだが、その一方で、「生成AI(人工知能)」の急速な普及が今後の企業業績に与えるプラスの影響についても注目度を上げるべき局面だろう。半導体チップの中でも画像処理に係るGPUはCPUに対して並列計算能力の高さから膨大な演算処理を必要とするAI技術と相性がよく、エヌビディア(NVDA)が恩恵を受けやすい。生成AIを実際に動かしていくための具体的な製品として仕上げるには、半導体チップだけでなく、たとえば半導体や電子機器の設計作業を自動化するツールやソフトであるEDA(電子設計自動化)が必要不可欠だろう。この分野はシノプシス(SNPS)ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)の米企業2社の寡占市場だ。(笹木)
  • 5/9号では、アムコー・テクノロジー(AMKR)アリスタネットワークス(ANET)イリノイ・ツール・ワークス(ITW)クラフト・ハインツ(KHC)シスコ(SYY)コンシューマーステープルズ・セレクト・セクターSPDRファンド(XLP)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(5/5現在)

主要企業の決算発表予定

5月9日(火)エレクトロニック・アーツ、セラニーズ、オキシデンタル・ペトロリアム、リンカーン・ナショナル、リビアン・オートモーティブ、エアビーアンドビー、アカマイ・テクノロジーズ、フォックス、ウォーターズ、グローバルファウンドリーズ、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ、デューク・エナジー、キャタレント、Jacobs Solutions Inc、ヘンリー・シャイン
5月10日(水)ウォルト・ディズニー・カンパニー、ステリス
5月11日(木)ジェン・デジタル、パーキンエルマー、チャールズリバー・ラボラトリーズIntl、JDドットコム、タペストリー

主要イベントの予定

5月10日(水)
  • 米CPI (4月)、米財政収支 (4月)
5月11日(木)
  • G7財務相・中央銀行総裁会議(13日まで、新潟市)、OPEC月報
5月12日(金)
  • 米FRBのジェファーソン理事とセントルイス連銀総裁、パネル討論会に参加、
  • 米輸入物価指数 (4月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値 (5月)
5月13・14日(土・日)
  • トルコ議会選挙・大統領選挙(決選投票は28日)
5月15日(月)
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数(5月)、ネット長期対米証券投資フロー(3月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アムコー・テクノロジー(AMKR)市場:NASDAQ・・・2023/8/1に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定  

  • 1968年設立の半導体後工程の受託製造(OSAT)企業。ウェハー製造・精密試験、ICのパッケージング組立てや設計、最終・信頼性・バーンイン(加速)試験、電気的特性評価等のサービスを提供。
  • 5/1発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比7.8%減の14.72億USD、非GAAPの調整後EBITDAが同36.9%減の2.29億USD。エンドユーザー別売上高ではPCや家電製品向けの減収が響くも、先端半導体に係る強固な地位を背景に自動車・産業向けが同14%増、通信向けが同2%増。
  • 2023/12期2Q(4-6月)会社計画は、売上高が前年同期比▲5.3〜+1.3%の14.25-15.25億USD、EPSが同▲76〜▲45%の0.12-0.28USD(1Q実績0.18USD)。半導体の性能向上に向け、複数チップを積み重ねて性能を高める三次元積層など後工程の次世代技術開発が活発化。同社は世界OSAT市場でシェア2位。5日終値では予想PERが13.08倍、予想株価売上高比率が約0.9倍と割安水準。

アリスタネットワークス(ANET)市場:NYSE・・・2023/8/1に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 2004年設立。世界中の様々な業界に跨り、大規模データセンターやキャンパス向けにソフトウェアで制御されたクラウドのネットワーキング・ソリューションを提供するネットワーク機器メーカー。
  • 5/1発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比54.1%増の13.51億USD、非GAAPの調整後EPSが同70.2%増の1.43USD。部品に係る供給制約により調整後粗利益率が同3.6ポイント低下(60.3%)も、顧客のクラウド・コンピューティング利用に係るネットワーク化需要が堅調に増加。
  • 2023/12期2Q(4-6月)会社計画は、売上高が前年同期比28.3-33.1%増の13.5-14.0億USD、調整後粗利益率が同0.9ポイント低下の61.0%。企業の生成AI投資拡大がネットワーキング需要を高めると期待される中で同社がマイクロソフト(MSFT)メタ・プラットフォームズ(META)など「クラウド・タイタン」と呼ばれる主力顧客の下期見通しを不透明としたため株価下落。押し目好機の余地もあろう。

イリノイ・ツール・ワークス(ITW)市場:NYSE・・・2023/8/2に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1912年設立。世界で工業製品・機器を製造・販売し、輸送機器OEM、食品機器、エレクトロニクス、溶接、建設用製品、ポリマー・流体、特殊製品の7つの事業から構成。事業入替えに積極的方針。
  • 5/2発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比2.0%増の40.19億USD、EPSが同10.4%増の2.33USD。ドル高および事業売却の影響を除く増収率は同5%、営業利益率がコスト削減の寄与により同1.5ポイント上昇。主に食品機器、建設用製品、エレクトロニクスが利益率向上に貢献。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比2.0-4.0%増(従来計画1.5-3.5%増)、EPSを前期比▲3.3〜+0.8%増の9.45-9.85USD(同9.4-9.8USD)とした。同社は22年度で51年連続増配を達成。23年度も15億USDの自社株買いを計画(1Q実績3.75億USD)と株主還元に積極的。マクロ経済環境が不透明な中で事業ポートフォリオの利益率向上に向けた継続的な事業入替えが功を奏している。

クラフト・ハインツ(KHC)市場:NASDAQ・・・2023/7/27に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1869年設立の加工食品メーカー。チーズ加工品、ケチャップその他加工食料品を扱う。チーズの「クラフト」、ケチャップの「ハインツ」、飲料の「カプリ・サン」や「クールエイド」等のブランドを擁する。
  • 5/3発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比7.3%増の64.89億USD、非GAAPの調整後EPSが同13.3%増の0.68USD。ドル高および事業売却の影響を除く増収率は同9.4%。販売数量は同5.3%減も、平均販売価格が同14.7%上昇。調整後粗利益率も同1.26ポイント改善の32.8%。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを同1.8-4.7%増の2.83-2.91USDとした。為替および事業売却の影響を除く増収率は前期比4-6%と据え置き。同社見通しでは、コスト上昇率は上期が前年同期比10%台前半、下期が同1桁台半ば。販売価格引上げおよび効率性向上により年間を通して調整後粗利益率の改善を見込む。景気動向に左右されに難いディフェンシブ銘柄として注目される。

シスコ(SYY)市場:NYSE・・・2023/8/9に2023/6期4Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1969年設立の世界最大の食品流通事業者。米フードサービス、海外フードサービス、チェーンレストランSYGMAの事業を営む。顧客はレストラン、病院、学校、ホテルなど42万5千施設に及ぶ。
  • 5/2発表の2023/6期3Q(1-3月)は、売上高が前年同期比11.7%増の188.75億USD、非GAAPの調整後EPSが同26.8%増の0.90USD。販売数量(同6.1%増)と市場シェア拡大が増収に寄与。製品コストインフレ管理が奏功し、既存事業に係る為替一定の調整後粗利益率が同0.2ポイント改善の18.2%。
  • 通期会社計画は、2Q(10-12月)決算発表以降は合理的に算定できないとして調整後EPSを非開示とした。同社はデジタルツール活用により時間当たり出荷数量増や配送ルート効率化などサプライチェーンに係る生産性向上を成長戦略の柱としている。同戦略が奏功し、2023/6期9M(昨年7-今年3月)のフリーキャッシュフローが前年同期比2.3倍の9.79億USD。同社CEOも株主還元強化に言及。

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 時価総額加重平均の「コンシューマーステープルズ・セレクト・セクター指数」に連動する投資成果を目指す。米国の大型生活必需品株(化粧品、パーソナルケア、医薬品、清涼飲料、たばこ・食品等)を保有。
  • 5/5終値で時価総額が189.8億USD、過去1年間の分配金単価(ネット)合計は1.851.69 USD。組み入れ上位7社は、プロクター・アンド・ギャンブル[P&G](PG)、ペプシコ(PEP)、コカ・コーラ(KO)、コストコホールセール(COST)、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)、ウォルマート(WMT)、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)。
  • 昨年末終値から5/5終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は、同ETFが+3.5%に対し、ダウ工業株30種平均が+1.6%、S&P500株価指数が+7.7%、ナスダック100が+21.2%。コンシューマーステープルズ・セレクト・セクター指数組入れ上位銘柄の大半は、消費者の生活に密着した強いブランド力を背景としてコスト増を販売価格引上げで吸収することで業績を伸ばしている点に特徴がみられる。
  • (※)決算発表の予定は5/5現在であり、変更される可能性があります。

過去の「銘柄ピックアップ」パフォーマンス検証

  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
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