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2024-05-03 09:32:04

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “生成AI期待が臨界点超え、バフェット流バリュー投資”

“生成AI期待が臨界点超え、バフェット流バリュー投資”

2023/5/30
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“生成AI期待が臨界点超え、バフェット流バリュー投資”

  • 当ウィークリー先週号(2023年5月23日号)で「昨年11月に公開されてから急速に普及している『ChatGPT』のような生成AI(人工知能)ツールと関連する事業機会が今後どこまで株式市場を席巻するのかという楽観的期待の高まり」について述べた。これが24日の半導体大手エヌビディア(NVDA)の23年2-4月期決算発表で臨界点を超えた。生成AIの学習や推論に使うGPU(画像処理半導体チップ)の新製品「H100」シリーズが業績を押し上げ、売上高が前四半期比19%増の71.92億USD、非GAAPの調整後EPS(1株当たり利益)が同24%増の1.09USDと拡大。5-7月期会社計画で売上高が107.8-112.2億USD、調整後粗利益率が69.5-70.5%(2-4月期:66.8%)と上昇加速見通し。生成AIで用いられるGPUには単体のICチップとして実装された「ディスクリートGPU」が必要不可欠であり、その分野でエヌビディアは約9割近いシェアを占めるとされる。26日終値は前々日比27.5%上昇で過去最高値を更新した。
  • 通信事業者、自動車、クラウド、次世代半導体など幅広い分野向けの複雑なシステムオンチップ(SoC)デバイス開発に注力し、エヌビディアと同様に製造外注するファブレス半導体メーカーのマーベル・テクノロジー(MRVL)も25日発表の2-4月期決算で2024年1月通期のAI関連売上高が前年比2倍以上になるとの見通しを示した。これを受けて26日株価終値が前日比32%上昇。
  • 生成AIはコンピュータのハードウェア上で動作するソフトウェアプログラムであり、データセンターのサーバー上で動作することも大きなポイントだろう。サーバーはGPUのようなプロセッサーだけでなく、メモリー、ストレージ(SSDなど)、ネットワークコンポーネントなどで構成されている。更に、マイクロプロセッサーを作るために使われるシリコン、配線や相互接続に使われる銅、高い導電性と腐食耐性を持つ金のほか、プラスチックやセラミック、洗浄用化学薬品など様々な物質から作られている。半導体メーカーにとどまらず化学メーカーに至るまで生成AI関連銘柄として射程に入ってくる可能性があろう。
  • 著名投資家バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK/B)が当局に届け出た3月末時点の保有株リストでは、カード事業や消費者向け金融に強みがあるキャピタルワン・フィナンシャル(COF)、個人向けPCやプリンターを扱うHP(HPQ)など低PER(株価収益率)が新規・追加買付の対象となった。他方、地政学リスクから半導体ファウンドリの台湾セミコンダクター(TSM)、および銀行不良債権への懸念からUSバンコープ(USB)のような銀行株を全部売却。新時代の技術革新を担う潮流を投資の好機と捉えるグロース投資、そして企業の収益力や資産価値からみて割安水準に売られた銘柄を拾う伝統的なバリュー投資のどちらも重要であることに変わりはないだろう。(笹木)
  • 5/30号では、アナログ・デバイセズ(ADI)ディアジオ(DEO)インテグリス(ENTG)HP(HPQ)KLA(KLAC)NXPセミコンダクターズ(NXPI)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(5/26現在)

主要企業の決算発表予定

5月30日(火)HP、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ
5月31日(水) クラウドストライク・ホールディングス、ネットアップ、セールスフォース、アドバンス・オート・パーツ
6月1日(木) ブロードコム、ゼットスケーラー、ルルレモン・アスレティカ、クーパー、ホーメルフーズ、ダラー・ゼネラル

主要イベントの予定

5月30日(火)
  • 米リッチモンド連銀総裁の全米企業エコノミスト協会(NABE)のインタビュー、米EU貿易技術評議会(TTC)(スウェーデン、31日まで)、台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)(6月2日まで)
  • 米FHFA住宅価格指数(3月)、米主要20都市住宅価格指数(3月)、米消費者信頼感指数(5月)
5月31日(水)
  • 米ボストン連銀総裁とボウマンFRB理事イベント開会または閉会挨拶、米フィラデルフィア連銀総裁講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)公表
6月1日(木)
  • 米財務長官が警告する「Xデー(当初)」、米フィラデルフィア連銀総裁がウェビナーで講演
  • 米自動車販売(5月)、米ADP雇用統計(5月)、米新規失業保険申請件数(5月27日終了週)、米労働生産性(1−3月、確定値)、S&Pグローバル・米製造業PMI(5月)、米建設支出(4月)、米ISM製造業景況指数(5月)
6月2日(金)
  • 世界銀行の新総裁にアジェイ・バンガ氏が就任、 アジア安全保障会議(シャングリラ会合)(4日まで、シンガポール)
  • 米雇用統計(5月)
6月5日(月)
  • 米S&Pグローバル・米サービス業・総合PMI(5月)、米製造業受注(4月)、米耐久財受注(4月)、 米ISM非製造業景況指数(5月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アナログ・デバイセズ(ADI)市場:NASDAQ・・・2023/8/17に2023/10期3Q(5-7月)の決算発表を予定 

  • 1965年設立の半導体メーカー。産業、自動車、通信、消費者向け家電等市場に実世界のアナログ信号をデジタルデータへ、デジタルデータをアナログ信号へ変換するコンバータ製品を提供。
  • 5/24発表の2023/10期2Q(2-4月)は、売上高が前年同期比9.8%増の32.63億USD、非GAAPの調整後EPSが同17.9%増の2.83USD。供給制約解消もあり産業機器が同16%増収、自動車が同24%増収の一方、通信が同4%減収、消費者が同22%減収。調整後粗利益率が同0.5ポイント低下改善。
  • 2023/10期3Q(5-7月)会社計画は、売上高が前年同期比▲3.5〜+2.9%の30.0-32.0億USD、調整後EPSが同▲0.4〜+0.4%増の2.51-2.53USD。アナログ半導体に係るAI(人工知能)のマイクロコントローラ製品デバイスはAI推論を他の組込みソリューションより高速かつ低エネルギーで実行可能としている。決算発表後の株価下落には高度なAI関連の需要が織り込まれていない可能性もあろう。

ディアジオ(DEO)市場:NYSE・・・2023/8/1に2023/6期2H(1-6月)の決算発表を予定 

  • 1997年にギネスとグランドメトロポリタンが合併。英国の高級酒造会社。ジョニーウォーカー、クラウンロイヤル、J&B、ブッシュミルズ、ブキャナズ、スミノフ、ベイリーズ、ギネスなどブランドを世界展開。
  • 1/26発表の2023/6期1H(昨年7-12月)は、売上高が前年同期比18.4%増の94.20GBP、ポンド安の影響を除くオーガニック売上高が同9.4%増、例外要因を除く調整後EPSが同15.1%増の98.3ペンス。インフレを販売価格引上げとコスト管理で吸収。オーガニック営業利益率が同0.09ポイント改善。
  • 2023/6期2H(1-6月)の会社戦略は、世界のアルコール飲料全体に対するシェア拡大、高プレミアム化、戦略的価格設定、継続的マーケティングおよびイノベーションへの投資に加え、日常業務効率化による営業利益率改善を図ること。著名投資家バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが1-3月に同社株を新規に23万株買付。高ブランド力と高利益率の持続性が評価されたとみられる。

インテグリス(ENTG)市場:NASDAQ・・・2023/8/2に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1966年設立の半導体製造業向け材料サプライヤー。洗浄液、プロセス用薬液ディスペンサー、高純度グラファイト、高純度シリコンカーバイドなど半導体製造の歩留まりを向上させる材料等を提供。
  • 5/11発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比42.0%増の9.22億USD、非GAAPの調整後EPSが同38.7%減の0.65USD。昨年7月に半導体ウエハ表面研磨剤(スラリー)製造のCMCマテリアルズを統合。先端平面化ソリューション事業の追加が増収に寄与も調整後営業利益率が悪化。
  • 2023/12期2Q(4-6月)会社計画は、前年同期比45-50%増の8.70-9.00億USD、調整後EPSが同▲91-▲86%の0.09-0.14USD。同社は半導体の製造プロセスの中で腐食性の高い薬品、純水、溶剤、スラリーを最適に制御できるバルブを製造できる数少ない企業。事業ポートフォリオ効率化進展に加え、生成AI(人工知能)需要増加加速の見通しが次世代半導体開発の動きを後押ししよう。

HP(HPQ)市場:NYSE・・・2023/5/30に2023/10期2Q(2-4月)の決算発表を予定 

  • 1939年にWilliam HewlettとDavidPackardによって創業。1947年設立。PCや周辺機器、プリンターなどを手掛ける。2015年に法人向けソリューションなどを行うHewlett Packard Enterprise を分離。
  • 2/28発表の2023/10期1Q(11-1月)は、売上高が前年同期比18.8%減の138.28億USD、非GAAPの調整後EPSが同31.8%減の0.75USD。個人向けシステム(売上比率67%)が同24%減収、プリンターが同4.5%減収。調整後営業利益率が同1.0ポイント悪化。前四半期比ではプリンターが2%増収。
  • 通期会社計画は、調整後EPSが前期比▲22-▲12%の3.20-3.60USD。フリーキャッシュフローが同▲23-▲10%の30-35億USD。著名投資家バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが1-3月に1600万株超を追加投資。株価収益率や配当利回りなどバリュー投資の観点が窺われる。30日発表の2Q(2-4月)決算発表では市場予想のハードル低下から予想を大きく下回るリスクは限定されよう。

KLA(KLAC)市場:NASDAQ・・・2023/7/28に2023/6期4Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1975年設立の半導体検査装置メーカー。世界シェア首位。ナノ水準の微細化対応に強み。半導体製造装置、シリコンウェハー、フォトマスク、材料など半導体の幅広い分野のメーカーが取引先。
  • 4/26発表の2023/6期3Q(1-3月)は、売上高が前年同期比6.3%増の24.32億USD、非GAAPの調整後EPSが同7.0%増の5.49USD。フリーキャッシュフローが同28.9%増の9.25億USS。半導体検査装置世界首位としての強みを発揮。前四半期比では売上高が18.5%減、調整後EPSが25.6%減。
  • 2023/6期4Q(4-6月)会社計画は、売上高が前期比▲15〜▲5%の21.25-23.75億USD、調整後EPSが同▲27〜+13%の4.23-5.43USD。生成AI(人工知能)普及に伴う高性能の先端半導体製造の需要増が見込まれるなか、メモリーチップ性能に影響を与え得る僅かな異常も検出できるような高度な検査装置への需要も高まろう。同社の優位なポジションと比べて株価収益率は低水準にとどまる。

NXPセミコンダクターズ(NXPI)市場:NASDAQ・・・2023/7/24に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2006年にフィリップスの半導体部門がスピンオフ。オートモーティブ、インダストリアル、コンシューマー、セキュア・トランザクション・アクセス向けのデバイスの開発・製造を営む半導体サプライヤー。
  • 5/1発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比0.5%減の31.21億USD、EPSが同5.2%減の2.35USD。非GAAPの調整後粗利益率が同0.6ポイント改善の58.2%。主力の車載向け売上高が同17%増の18.28億USDと堅調。前四半期比は5.8%減収、調整後粗利益率が0.2%ポイント改善。
  • 2023/12期2Q(4-6月)会社計画は、売上高が前年同期比▲6%〜ゼロの31-33億USD、調整後粗利益率が同▲0.1〜+0.9ポイントの57.7-58.7%。同社は、自動車、スマート産業、IoT産業に対して最先端の深層学習/機械学習アプリケーションに最適化されたマイクロコントローラ(MCU)とプロセッサ(MPU)を提供。クラウドインフラに係る遅延や帯域幅の制約といった課題へのソリューションも提供。
  • (※)決算発表の予定は5/26現在であり、変更される可能性があります。

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