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2024-05-03 03:19:05

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “利上げ停止示唆と生成AI〜ナスダック総合指数とVIX”

“利上げ停止示唆と生成AI〜ナスダック総合指数とVIX”

2023/6/6
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“利上げ停止示唆と生成AI〜ナスダック総合指数とVIX”

  • 米中央銀行FRBのパウエル議長による5/19の利上げ停止示唆発言以降、5/31にジェファーソンFRB理事が、6/1にフィラデルフィア地区連銀ハーカー総裁が相次いで次回FOMCで利上げ停止を示唆。4月求人件数、5月ADP全米雇用報告と雇用の強さを示す指標が相次ぎ、利上げ停止示唆もさすがにトーンダウンかと思われた。2日発表の5月の雇用統計は非農業部門雇用者数が強かったものの、失業率が前月比0.3ポイント上昇悪化、平均時給の伸びも鈍化と、FRBによる利上げ停止示唆を正当化し得る内容だった。
  • それに加え、米連邦政府の債務上限効力を25年1月まで停止する「財政責任法」が成立し米国債デフォルトが回避されたことも2日の株価を押し上げた。ナスダック総合指数は、21年11月高値1万6212ポイントから22年10月安値1万0088ポイントまでの下落幅の半値戻し1万3150ポイントを突破。市場心理を表す「恐怖指数」のVIX指数は2日の最低水準が14.42と、21年7月以来の低さとなった。VIX指数の21年安値が14.10、20年安値がコロナ禍直前の11.75。相場は行き過ぎるものとしてその反動を予め想定すべきならば、VIX反転上昇の兆しに留意しつつ、ナスダックの上記の下落幅に対して「フィボナッチ比率」の0.618倍戻し(1万3872ポイント)を目処の候補として挙げておきたい。
  • 1998年にアジア危機やロシア危機、および大手ヘッジファンド(LTCM)破綻に伴う金融システム不安対応でFRBが3度の利下げを行ったことが「ドットコム・バブル」に繋がったのと同様に、FRBが銀行預金流出と金融システム不安を恐れて利上げを躊躇するならば、現在の「生成AI(人工知能)」のブームが過熱する可能性が高まるとの想定も現実味を帯びてくる。生成AIは、データを集めて学習させることでパラメータ調整を行いソフトウェアを構築する「機械学習」、多数のニューラル(神経)ネットワークを用いた機械学習の「深層学習」、および人間が日常使う自然言語をコンピュータに処理させる「自然言語技術」などを伴う。クラウド・インフラのデータセンター上での処理が中心となるも、顧客(クライアント)端末に近い側でデータを処理する「エッジ・コンピューティング」も重要性が高まると推察される。クラウドのインフラを複数利用する「マルチクラウド」、およびクラウドと物理的サーバー(オンプレミス)を統合的に組み合わせて利用する「ハイブリッドクラウド」の価値も更に高まろう。
  • 生成AI関連の株価高騰の裏で、脱炭素に向けた再エネ技術の進歩も目立ち始めた。また、ディフェンシブ銘柄の医薬品やインフレ耐性の強い高級ブランド銘柄などが堅調なキャッシュフローを背景に増配や自社株買いを行いつつも足元で割安水準まで売られるならば、好機と捉えられよう。(笹木)
  • 6/6号では、アッヴィ(ABBV)エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD)デル・テクノロジーズ(DELL)メタネックス(MEOH)スノーフレーク(SNOW)タペストリー(TPR)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(6/2現在)

主要企業の決算発表予定

6月6日(火)JMスマッカー
6月7日(水)ブラウン・フォーマン、キャンベルスープ

主要イベントの予定

6月6日(火)
  • ブルームバーグ・インベスト(ニューヨーク、8日まで)
6月7日(水)
  • 英首相訪米(8日まで)、米ペンス前副大統領が2024年大統領選出馬表明の予定(アイオワ州)、OECD経済見通し
  • 米貿易収支(4月)、消費者信用残高(4月)、MBA住宅ローン申請指数(6月2日終了週)
6月8日(木)
  • 米新規失業保険申請件数(6月3日終了週)、卸売在庫(4月)
6月12日(月)
  • 月次財政収支(5月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アッヴィ(ABBV) 市場:NYSE・・・2023/7/28に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 2013年にアボット・ラボラトリーズ(ABT)から分社化。20年に美容医療アラガンを子会社化。自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス学等の領域で医薬品を提供。関節リウマチ薬「ヒュミラ」が主力。
  • 4/27発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比9.7%減の122.25億USD、非GAAPの調整後EPSが同22.2%減の2.46USD。同じ免疫疾患領域で乾癬性関節炎薬のスキリージとリンボクがそれぞれ同46%、同51%増収と成長も、売上構成比29%を占める主力のヒュミラが同25%減収。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比▲22-▲19%の10.72-11.12USD(従来計画10.62-11.02USD)とした。医薬品年間売上で世界首位のヒュミラが後発品発売で減収見通しも、免疫疾患領域の強みはスキリージとリンボクが受け継ぐと見込まれる。進行期パーキンソン病に手術が必要ない持続皮下投与の抗精神病薬「Vraylar」 が昨年12月に米FDAで承認され1Qの売上高5.61億USD。

エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD) 市場:NYSE・・・2023/8/4に2023/9期3Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1940年設立の産業ガス、機能素材、ガス処理装置のメーカー。飲料・ヘルスケア分野の商業ガス部門、石油・天然ガス精製所等の大規模ガス供給部門、半導体等の電子・機能材料部門で構成。
  • 5/9発表の2023/9期2Q(1-3月)は、売上高が前年同期比8.7%増の32.00億USD、継続事業からの非GAAPの調整後EPSが同17.1%増の2.74USD。販売価格が同8%上昇、販売量が同6%増。米州が同16%増収、アジアが同8%増収、欧州が同2%増収。EBITDAマージンが1.4%ポイント改善した。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比10-12%増の11.30-11.50USD(従来計画11.20-11.50USD)とした。資本支出額は50-55億USD(前期46.5億USD)で据え置き。ウクライナが主要生産国の半導体製造用ガス「ネオン」に係る代替需要が引き続き見込まれるほか、同社は水素製造で世界最大級の規模を誇る。CO2を排出せずに生成される「グリーン水素」市場拡大が追い風となろう。

デル・テクノロジーズ(DELL) 市場:NYSE・・・2023/8/31に2024/1期2Q(5-7月)の決算発表を予定

  • パソコンとITサービスのデルが2016年にストレージ製品のEMCを統合して発足。EMCの傘下だったVMware(VMW)を21年11月にスピンアウトし、ストレージ関連、パソコン関連が主要2事業となった。
  • 6/1発表の2024/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比19.9%減の209.22億USD、非GAAPの調整後EPSが同28.8%減の1.31USD。PC需要減もサービス・ソフトウェアのメンテナンス契約増で継続課金の経常的収益が同6%増、繰延収益が同6%増。調整後粗利益率が2.0ポイント改善の24.7%。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比▲31-▲24%の5.25-5.75USD(5.00-5.60USD)とした。1Qは現金収支で営業キャッシュフローが前年同期の▲2.69億USDから17.7億USDへ黒字転換を受けて5.27億USDの株主還元を実施。同社の様々なポートフォリオを“as-a-Service”で提供するソリューション「Dell APEX」はクラウドとエッジの両コンピューティングに加え、オンプレミスの統合を視野。

メタネックス(MEOH) 市場:NASDAQ・・・2023/7/27に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1968年設立のメタノール(主に天然ガスから生成された透明な液体汎用化学品)を世界の主要市場で生産・販売するカナダ企業。中国では石炭から生成されたメタノールを生産・販売する。
  • 4/26発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比11.7%減の10.38億USD、非GAAPの調整後EPSが同48.6%減の1.11USD。総販売量が同1.7%増も平均実現販売価格が同12.7%下落が響いた。前四半期比では平均実現販売価格が横ばい、売上高が5.3%増、調整後EPSが52.1%増。
  • 通期会社計画は、生産量が前期比6.2%増の650万トン。1Q生産量実績は前年同期比7.2%減の166万トンも前四半期比8.8%増だった。2050年までのカーボンニュートラル実現に向けてCO2を資源として利用する機運が高まるなか、室温でCO2をメタノールに変換する技術開発が進展。生産を増やすほどCO2が減少し、基礎的素材の供給増にも繋がることからメタノールの価値が高まろう。

スノーフレーク(SNOW) 市場:NYSE・・・2023/8/24に2024/1期2Q(5-7月)の決算発表を予定

  • 2012年設立のクラウドコンピューティング関連データウェアハウス企業。独自マルチクラスタ共有データアーキテクチャで複数ワークロードを大規模並列処理できる。バークシャー・ハザウェイも投資。
  • 5/24発表の2024/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比47.6%増の6.23億USD、非GAAPの調整後EPSが前年同期のゼロから0.15USDへ黒字転換、調整後フリーキャッシュフロー(FCF)が同58%増。100万USD以上売上顧客に関し、過去12ヶ月間売上継続率が151%、顧客数が前四半期比で13%増。
  • 通期会社計画は、売上構成比9割超の製品売上高を前期比34%増の26億USD(従来計画27億USD)へ下方修正の一方、調整後FCFマージンを同1ポイント上昇の26%(従来計画25%)へ上方修正。生成AI(人工知能)が必要とする機械学習や深層学習、および大規模言語モデルはクラウド・コンピューティング上での大量のデータ処理を必要とすることから同社サービスの需要を高めよう。

タペストリー(TPR) 市場:NYSE・・・2023/8/17に2023/6期4Q(4-6月)の決算発表を予定

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1941年に設立の米多国籍高級ファッションブランド「コーチ」の持ち株会社。2017年にコーチから現社名に変更。ハンドバッグ、ビジネスバッグ、スモールレザーグッズ、ベルト、時計等製造・販売。
  • 5/11発表の2023/6期3Q(1-3月)は、売上高が前年同期比5.0%増の15.09億USD、EPSが同69.6%増の0.78USD。ドル高の影響を除けば同9%増収。売上比率で約4分の3のコーチの強いブランド力を背景にデジタル販売の伸びやデータ活用戦略が奏功。粗利益率が同2.9ポイント改善の72.8%。
  • 通期会社計画を上方修正。為替一定仮定の売上高が前期比約3%増(従来計画:同2-3%増)、調整後EPSを同30-31%増の3.85-3.90USD(同3.70-3.75USD)とした。2日終値で予想PERは約10.9倍と、消費力の高い中華圏売上構成比の違いが背景にあるものの欧州高級ブランドのモエ・ヘネシィ・ルイ・ヴィトン(約25.3倍)、およびグッチを擁するケリング(約15.9倍)と比較して割安水準と言えよう。
  • (※))決算発表の予定は6/2現在であり、変更される可能性があります。

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