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2024-05-03 01:40:07

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“米国株相場は「強気相場」入りか?〜検討すべき点”

2023/6/13
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“米国株相場は「強気相場」入りか?〜検討すべき点”

  • 8日の米国株相場でS&P500株価指数が昨年10/12に付けた昨年来安値からの上昇率が20%に達して「強気相場」入りしたとされる。生成AI(人工知能)ブームを受けた大型ハイテク株の堅調な動きにそのまま乗ってよいのか迷う向きも多いかもしれない。検討すべき事項を3点挙げたい。
  • 第1に、米政府の債務上限停止でデフォルトが回避されたことで米財務省が年内に1兆ドル規模の短期国債発行が見込まれている点だ。財務省の指針によれば現金残高を6月末までに4250億ドル、9月末に6000億ドルまで戻すとされる。MMF(マネー・マーケット・ファンド)などの買い手が想定されるものの、保険で守られない25万ドル超の大口の銀行預金から大型ハイテク株に逃避していたとみられる資金の流れが変わる可能性がある。ナスダック総合指数と政府現金残高との間には逆相関の関係があり、米短期国債大量発行による政府現金残高の増加は大型ハイテク株の売り要因と見なされよう。
  • 第2に、異常気象によるインフレ圧力の再燃リスクだ。米海洋大気局(NOAA)は気温の上昇をもたらす「エルニーニョ現象」が戻ってきたとの見解を示した。これは南米沖太平洋の海面水温が高くなる一方で、インドネシア近海など西部で低めになる現象だ。これから7月にかけて徐々に鮮明となり、11月〜24年1月に強いエルニーニョに発達する可能性が出てきている。特に欧州では夏場の熱波、冬場の寒冷化に繋がりやすいとされる。米国債発行増加が金利上昇要因となりやすい中で、異常気象に伴ってエネルギー価格や食糧価格が再び上昇するようなことになれば、インフレ再加速による中央銀行の金融引締め環境が継続することに繋がるだろう。
  • 第3に、市場心理を表す「恐怖指数」のVIX指数が9日終値で13.85ポイントまで低下と、コロナ禍前の2020年2月上旬以来の低水準となった点である。VIXを算出するシカゴの取引所(CBOEグローバル・マーケッツ)はVIXの期間1日バージョンを4/24に導入。これが期間24時間未満の超短期の株式オプション取引(ゼロDTE)の積み上がりに対するヘッジ需要に対応しており、期間23-37日のデリバティブ取引を用いて計算される通常のVIX指数の役割が低下しているのではないかとの見方が台頭している。その分、従来のVIX指数が上昇する際に急激な値動きとなるリスクに要注意だろう。
  • 14日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明発表・パウエルFRB議長記者会見では、7月以降の利上げの可能性とともにFRBのバランスシート縮小(量的縮小)への言及が注目される。量的縮小が強調されれば、大型ハイテク株などグロース投資よりもバリュー投資が優位となりやすいだろう。(笹木)
  • 6/13号では、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)ハネウェルインターナショナル(HON)ジョンソンコントロールズインターナショナル(JCI)トップゴルフ・キャロウェイ・ブランズ(MODG)ユニティ・ソフトウェア(U)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(6/9現在)

主要企業の決算発表予定

6月14日(水)レナー
6月15日(木)アドビ、クローガー
6月16日(金)キャタレント

主要イベントの予定

6月13日(火)
  • 米FOMC(14日まで)、米財務長官が下院金融委員会で証言、OPEC月報、テスラCEOのイーロン・マスク氏がエジソン・エレクトリック・インスティテュートの会合で講演(米テキサス州オースティン)
  • 米CPI(5月)
6月14日(水)
  • 米FOMC声明発表・FRB議長記者会見と経済予測、ロシア・サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(17日まで)
  • 米PPI(5月)
6月15日(木)
  • ECB政策金利発表・総裁記者会見、NATO国防相理事会(ブリュッセル、16日まで)
  • 米小売売上高 (5月)、米輸入物価指数 (5月)、米新規失業保険申請件数 (10日終了週)、米企業在庫(4月)、対米証券投資(4月)、ニューヨーク連銀製造業景況指数(6月)、フィラデルフィア連銀製造業景況指数(6月)、米鉱工業生産(5月)
6月16日(金)
  • 米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(6月)
6月19日(月)
  • 米NAHB住宅市場指数(6月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM) 市場:NYSE・・・2023/7/26に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1902年に創業後、1923年にミッドランド買収。カーギルと共に「二大穀物メジャー」と称され農産物の調達・輸送・備蓄・販売を行う。食用油の原料となる大豆のほか綿花、トウモロコシに強みを持つ。
  • 4/25発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比4.4%増の240.72億USD、非GAAPの調整後EPSが同10.0%増の2.09USD。調整後営業利益ではバイオ燃料のエタノール部門や栄養食品部門が減益も主力の農業サービス&油糧種子部門が北米・南米の輸出増を受けて同20%増益。
  • 2023/12期会社予想は未公表。同社は農業サービス&油糧種子部門とエタノール部門の安定したキャッシュフローを基盤の下、栄養食品部門を成長分野として投資を積極化。部門間の相乗効果を強みとする。米海洋大気局は6/8公表の勧告書で、気温の上昇をもたらすエルニーニョ現象が戻ってきたとの見解を示した。異常気象で穀物価格が上昇すれば同社株価反転上昇も期待されよう。

ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS) 市場:NYSE・・・2023/8/10に2023/9期3Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1923年設立の総合エンターテイメント企業。「テーマパーク部門」 のほかABCテレビ、ケーブルTVのESPN、動画配信サービス、映画制作・ライセンス含む「メディア・エンターテイメント部門」を営む。
  • 5/10発表の2023/9期2Q(1-3月)は、売上高が前年同期比13.3%増の218.15億USD、非GAAPの調整後EPSが同13.9%減の0.93USD。テーマパーク部門は同17%増収、同23%営業増益。市場注目の動画配信事業は値上げ奏功で同12%増収も、営業利益は赤字幅縮小ながら▲6.59億USD。
  • 動画配信事業は「ディズニー+」の3月末会員数が昨年12月末比400万人減と減少が続くほか、フロリダ州知事との「自治権」に係る全面対立も抱える。コスト構造の見直しから従業員削減、作品投資削減、およびアプリ統合を計画中で55億USD以上の経費削減を見込む。アップル(AAPL)のXRヘッドセット「Vision Pro」専用の「ディズニー+」アプリ投入を発表。業績改善の切り札と期待される。

ハネウェルインターナショナル(HON) 市場:NASDAQ・・・2023/7/28に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1885年創業の世界的な複合企業。航空宇宙事業(AERO)、ビルディング制御技術事業(HBT)、先進原材料の開発・製造・加工技術事業(PMT)、安全・生産性ソリューション事業(SPS)を運営する。
  • 4/27発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比5.1%増の88.64億USD、非GAAPの調整後EPSが同8.4%増の2.07USD。既存事業増収率が同8%、営業利益率が同3.9ポイント上昇の19.1%。AEROが同13%増収、PMTが石油精製プロセスを扱う傘下UOP社の貢献により同12%増収。
  • 通期会社計画を上方修正。既存事業増収率を前期比3-6%(従来計画2-5%)、調整後EPSを同3-6%増の9.00-9.25USD(同8.80-9.20USD)とした。中国独自開発の国産旅客機「C919」が5/28、初の商用運行を開始。部品の電気系統と着陸装置はハネウェル製。ボーイング(BA)の受注回復とのダブル需要増に加え、PMTでエネルギー・石油化学業界からの脱炭素素材需要増も見込まれる。

ジョンソンコントロールズインターナショナル(JCI) 市場:NYSE・・・2023/8/4に2023/9期3Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1885年設立で、主に商業ビル・工業施設を対象に冷暖房空調設備、ビル管理システム、セキュリティーシステムの設計・製造・販売・設置を行う。ハネウェルインターナショナル(HON)のHBT部門は同社の競合相手。
  • 5/5発表の2023/9期2Q(1-3月)は、売上高が前年同期比9.6%増の66.86億USD、非GAAPの調整後EPSが同19.0%増の0.75USD。受注高が同8%増、3月末既存事業受注残が同9%増の117億USD、利益率も調整後の事業セグメントEBITDAマージンが同1.9ポイント改善の12.5%と堅調に推移。
  • 通期会社計画で調整後EPSを上方修正。前期比17-20%増の3.50-3.60USDとした。既存事業の売上高伸び率は前期比10%(従来計画:1桁台後半〜10%台前半)とした。世界的なエルニーニョ現象の発生により今夏の高温化と来冬の寒冷化が予想され、同社の空調設備需要上振れに繋がる余地がある。また、直近のニューヨーク北東部の大気汚染は同社製の空気フィルター需要を高めよう。

トップゴルフ・キャロウェイ・ブランズ(MODG) 市場:NYSE・・・2023/8/4に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1982年設立のゴルフ用品メーカー。テクノロジー対応のゴルフ練習場を運営管理する「Topgolf」、「ゴルフ用品」、ゴルフウェアやシューズ、帽子など「Active Lifestyle」の主要3事業セグメントを営む。
  • 5/9発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比12.2%増の11.67億USD。非GAAPの調整後EPSが同53%減の0.17USD。セグメント別ではTopgolfが同25%増収、Active Lifestyleが同28%増収も、利益面でTopgolfのマーケティング費用や人件費が嵩んだほか、利払い費用が増加した。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比11-12%増の44.20-44.70億USD(従来計画:44.15-44.70億USD)と上方修正の一方、調整後EPSが同▲23-▲16%の0.63-0.69USD(同0.70-0.78USD)と下方修正。PGAツアー(米国男子)とDPワールドツアー(欧州男子)は6日、対立を続けていたサウジアラビア系「LIVゴルフ」との和解を発表。オイルマネー主導下で世界的なゴルフ人気回復への支援となろう。

ユニティ・ソフトウェア(U) 市場:NYSE・・・2023/8/9に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 2005年設立。ゲーム開発言語Unityを元に3Dコンテンツ開発・運営・収益化のプラットフォームを運営。開発者向け「開発ソリューション」とユーザー獲得支援の「運用ソリューション」の2事業を営む。
  • 5/10発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比56.3%増の5.00億USD、非GAAPの調整後EBITDAが前年同期▲2285万USDから3246万USDへ黒字転換。過去12ヵ月間収入10万USD以上顧客数が同22%増の1322件と拡大に対し、金額ベース売上更新率が同28ポイント低下の107%。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比50-58%増の20.8-22.0億USD(従来計画20.5-22.0億USD)、調整後EBITDAを前期▲6.14億USDから2.5-3.0億USD(同2.3-3.0億USD)へ黒字転換とした。現在のゲーム関連コンテンツにおける同社開発言語はシェアで世界首位を占める。アップルのXRヘッドセット「Vision Pro」用コンテンツが普及すれば事実上の業界標準としての地位が期待されよう。
  • (※)決算発表の予定は6/9現在であり、変更される可能性があります。

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