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2024-05-03 06:28:48

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “米国債格下げで財政焦点、PFASと水、フェムテック”

“米国債格下げで財政焦点、PFASと水、フェムテック”

2023/8/8
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“米国債格下げで財政焦点、PFASと水、フェムテック”

  • 米国株市場が堅調に推移した7月相場から8月相場へと月が替わったところで、米国債市場が最注目のステージとなりつつある。今までのようにインフレ率減速の度合いを見ながら中央銀行のFRB(連邦準備制度理事会)による金融引締め終了の間合いを測るといった話だけで済まなくなってきた。
  • 現地1日夕方に大手格付機関フィッチによる米国長期債のAAAからAA+への格下げ発表がその号砲となった。格下げ自体の影響は限定的とみられるが、既に連邦政府の財政赤字が当初9ヵ月間(10-6月)に前年同期比2.7倍と急拡大している中で、2日発表の米財務省による四半期定例入札予定で発行総額が1020億ドルに増額された。これが財政に係る長期金利へのリスクプレミアム見直しの契機となった。10日発表の7月の消費者物価指数(CPI)とともに同日発表の7月財政収支も注目される。米国債市場に波乱があれば大型ハイテク・半導体関連を中心に株式市場を揺さぶる可能性もあろう。
  • 現在、米上場企業の中で、主要3格付機関全てから信用格付けで最上級(トリプルA)を得ているのは、マイクロソフト(MSFT)ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の2社であり、債券市場が揺らぐ場合、これらの銘柄が長期国債売りに対する受け皿として買われやすくなる可能性もあり得よう。なお、アップル(AAPL)はムーディーズのみ最上級であり、これら2社に次いでいる。
  • 自然界で分解しにくく水に蓄積し、毒性も懸念される有機フッ化化合物「PFAS」に関し、日本でも環境省が7/31、一部の住民を対象に実施している血液検査を全国規模に拡げる方針を明示。米国では工業製品大手3M(MMM)が6/22、飲料水汚染の責任を巡って多数の米自治体に訴えられていたが和解することで暫定合意。和解金は自治体運営の公共水道システムの水質調査や除去設備の導入に充てるとしている。先週号(2023年8月1日号)の銘柄ピックアップで取り上げたザイレム(XYL)のほか、水処理ほか衛生サービスを行うエコラボ(ECL)、ETFでは水関連技術に従事する企業で構成されるISE Water Index(水指数)に連動する投資成果を目指すファースト・トラストISEウォーター・インデックス・ファンド(FIW)などが注目される。
  • アルファベット(GOOGL)傘下の英DeepMindが開発したAI(人工知能)システム「AlphaFold」が長年の懸案だったタンパク質構造予測の「タンパク質折りたたみ問題」を解明するなどAIの創薬への活用が進んでいる。医療の中で今後の成長が期待できる分野として女性の健康、妊娠・出産、不妊治療、生理痛、更年期障害などに関する問題を解決する分野であり、「Female」と「Technology」を組み合わせた「フェムテック」が挙げられる。フェムテック関連は新薬開発だけでなく、アプリやデバイスなども注目されよう。(笹木)
  • 8/8号では、カメコ(CCJ)エレクトロニック・アーツ(EA)ホロジック(HOLX)ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)3M(MMM)オルガノン(OGN)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

主要企業の決算発表予定

8月8日(火)アカマイ・テクノロジーズ、インシュレット、フリートコア・テクノロジーズ、アクソン・エンタープライズ、テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア、フォックス、エクスペディターズIntVlオブワシントン、データドッグ、オルガノン、ゾエティス、デューク・エナジー、シールド・エアー、グローバルファウンドリーズ、バイオテクネ、ジェイコブズ・ソリューションズ、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ、イーライリリー、トランスダイム・グループ、NRGエナジー、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
8月9日(水)イルミナ、ウォルト・ディズニー・カンパニー、ザ・トレードデスク、ウィン・リゾーツ、チャールズリバー・ラボラトリーズIntl
8月10日(木)ニューズ・コーポレーション、ラルフローレン

主要イベントの予定

8月8日(火)
  • 米フィラデルフィア連銀総裁が経済見通しについて講演、米国債四半期入札(3年物)
  • 米貿易収支(6月)、米卸売在庫(6月)
8月9日(水)
  • 米国債四半期入札(10年物)
8月10日(木)
  • 米アトランタ連銀総裁が雇用を巡るイベントで歓迎のあいさつ(オンライン)、米国債四半期入札(30年物)、ECB経済報告
  • 米新規失業保険申請件数(8月5日終了週)、米CPI(7月)、米財政収支(7月)、OPEC月報
8月11日(金)
  • 米PPI(7月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(8月)
8月12-13日(土・日)
  • 台湾・民主進歩党の総統選候補の頼清徳氏がニューヨーク立ち寄り(13日まで)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

カメコ(CCJ)市場:NYSE・・・2023/10/31に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1987年設立のカナダのウラン製造・販売企業。世界最大ウラン鉱床を保有。ウラン探査・採掘等のウラン部門、精製・変換等の燃料サービス部門を営む。カザフスタンで国営企業と合弁で生産も。
  • 8/2発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比13.6%減の4.82億USD、非IFRSの調整後EPSが前年同期の0.18USDから▲0.01USDへ赤字幅転落。契約引渡し件数減による減収、かつ、ウラン部門で単位当たり費用増も平均実現販売価格上昇により粗利益率が同6.2ポイント上昇の22.8%。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比27.4-35.4%増の23.80-25.30億USD(従来計画21.20-22.70億USD)とした。かつて東芝子会社だった原子力発電設備大手ウエスチングハウスの買収(79億USD)は今年後半完了予定。南部ジョージア州で建設の「ボーグル原子力発電所3号機」が7/31、米国で30年超ぶりとなる原発再稼働を開始。同3号機はウエスチングハウス製の「AP1000」を使用。

エレクトロニック・アーツ(EA)市場:NASDAQ・・・2023/11/1に2024/3期2Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1982年設立の娯楽向けソフトウェアメーカー。ゲーム機、PC、スマホ等向けゲームを開発し世界中に販売。FIFA、NBA、NFL、F1など幅広いスポーツの商標使用ライセンスを取得しeスポーツに注力。
  • 8/1発表の2024/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比8.9%増の19.24億USD、EPSが同32.4%増の1.47USD。売上高からオンラインゲーム繰延収益の影響を除く純受注額が同21.5%増の15.78億USDと堅調。サッカーの「EA SPORTS FIFA」が増収加速に加え「Star Wars Jedi: Survivor 」が伸長。
  • 通期会社計画を上方修正。EPSを前期比18.8-36.1%増の3.42-3.92USD(従来計画3.35-3.85USD)とした。売上高は同▲1.7〜+3.7%の73-77億USDと従来計画を据え置き。6/22-25にシンガポールで開催された史上初の「オリンピックeスポーツウィーク」に続き、4年に1度のFIBA(国際バスケットボール連盟)ワールドカップが8/25〜9/10にフィリピン、インドネシア、沖縄で開催と追い風が続きそうだ。

ホロジック(HOLX)市場:NASDAQ・・・2023/10/31に2023/9期4Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1985年設立。乳房診断装置(乳癌)、体外診断薬・診断機器(遺伝子診断)、婦人科用外科手術機器(婦人科手術)、骨密度測定製品(骨粗鬆症)など女性疾患に係る4つの中核製品群を持つ。
  • 7/31発表の2023/9期3Q(4-6月)は、売上高が前年同期比1.8%減の9.84億USD、非GAAPの調整後EPSが同2.1%減の0.93USD。新型コロナ関連検査の影響を除く既存事業売上高は同18.1%増。乳房診断が同27.4%増収、婦人科手術が同13.9%増収、骨密度測定が同24.9%増と堅調に推移。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比▲17.8-▲17.0%の39.95-40.35(従来計画39.25-40.25億USD)、調整後EPSを同▲35.7-▲34.6%の3.87-3.94USD(3.75-3.95USD)とした。同社はGoogleと共に3D医用画像技術とAI(人工知能)を組み合わせて子宮頸がんなど女性特有のがん異常細胞の識別に取り組む等、女性の健康問題を技術で解決する「フェムテック」で先導的ポジションを占める。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)市場:NYSE・・・2023/10/17に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1887年設立。世界60ヵ国に250社以上のグループ企業を有する世界最大級のヘルスケア企業。消費者向けの「コンシューマー・ヘルス」、「医薬品」、および「医療装置」の3事業部門を運営する。
  • 7/20発表の2023/12期2Q(4-6月)は営業収益が前年同期比6.3%増の255.30億USD、非GAAPの調整後EPSが同8.1%増の2.80USD。手術用の医療器具などを扱う「医療機器・診断器具」部門が同13%増収、主力の「処方薬」部門は同3%増も、新型コロナワクチンを除けば6%増と堅調に推移。
  • 通期会社計画を上方修正。買収・事業売却・新型コロナ関連の影響を除く調整後営業収益を前期比6.0-7.0%増(従来計画4.5-5.5%増)、調整後EPSを同5.5-6.5%増の10.7-10.8USD(従来計画10.6-10.7USD)とした。5月に別会社にして上場した消費者向け部門「ケンビュー」は年内スピンオフ見込む。主要格付け機関2社が米国長期債を格下げするなか同社はS&P信用格付けでAAAを維持。

3M(MMM)市場:NYSE・・・2023/10/25に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1902年設立の化学・電気素材メーカー。「安全&産業(作業現場向け)」、「輸送&電子機器」、「ヘルスケア」、「消費者」の4事業セグメントの下で運営され、世界中で多様な事業部門を展開する。
  • 7/25発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比4.3%減の83.25億USD、非GAAPの調整後EPSが同11.4%減の2.17USD。PFAS(有機フッ化化合物)汚染関連除けば同4.7%減収。税引前0.31USD構造改革費用を除けば調整後EPSは実質増益、調整後営業利益率も同0.4ポイント上昇。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比▲15-▲10%の8.60-9.10USD(同8.5-9.0USD)とした。売上高の前期比は▲5-▲1%で据え置き。同社は6/22、PFASによる飲料水汚染の責任を巡る多数の自治体からの訴訟で最大125億USD支払う和解案で暫定合意と前進。同社はJ&J他と共に2022年まで60年超の連続増配年数を記録し、かつ、今期市場予想配当利回りが約5.7%(8/4終値)。

オルガノン(OGN)市場:NYSE・・・2023/8/8に2023/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2021年6月に製薬大手メルク(MRK)から婦人科製薬事業部門がスピンオフした婦人科領域に注力するヘルスケア企業。主な製品に不妊症治療薬ガニレストや経口避妊剤マーベロンなどがある。
  • 5/4発表の2023/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比1.9%減の15.38億USD、非GAAPの調整後EPSが同34.5%減の1.08USD。ドル高の影響を除けば同3%増収。インフレ圧力上昇、販促費用と人件費、臨床治療中医薬品に係る研究開発費、および利払い費などの増加が利益面で響いた。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比▲0.4〜+4.5%の61.5-64.5億USD、調整後EBITDAマージンが31.0-33.0%(前期33.8%)と従来計画据え置き。1Q売上比率で約25%の婦人科領域(ウーマンズヘルス)事業は、日本で出生率引上げに向けて不妊治療の保険適用範囲拡大のほか欧米諸国を中心に少子化や不妊治療の議論が活発化の様相。今期市場予想配当利回りが5.20%(8/4終値)。
  • (※)決算発表の予定は8/4現在であり、変更される可能性があります。

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