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2024-05-03 08:58:26

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “9月アノマリー、参考にしたい「2023 Midyear Outlook」”

“9月アノマリー、参考にしたい「2023 Midyear Outlook」”

2023/9/26
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“9月アノマリー、参考にしたい「2023 Midyear Outlook」”

  • 米国株相場の季節性に関する「アノマリー」(理論では説明できないが経験的に説明される相場の傾向)が当てはまるのだろうか?当ウィークリー8月29日号で述べたように、米S&P500株価指数の月間平均騰落率を昨年末までの過去20年間および30年間で算出すると、いずれも9月が12ヵ月の中で最も低い。米政府における財政年度の最終月であることとの関係も考えられるなか、今年は大統領選挙サイクルの3年目で米国株が騰がりやすい年だという別のアノマリーを叫ぶ声も市場で強く、注目されていたところだった。
  • 先週の相場下落の直接のきっかけは19-20日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)だ。政策金利(FF金利)は据え置かれたものの金利・経済見通しで2024年末のFF金利の予想中央値が3ヵ月前時点より0.5ポイント引き上げられる「タカ派の利上げ停止」の様相を呈した。米国債利回りは10年物が4.5%に近付き、2年物が5.1%台で推移。米国株投資と比較しても米国債投資や米ドル預金など短期物の魅力を一挙に高めたように見受けられる。
  • 資産運用世界最大手のブラックロック(BLK)が6/28に発表した「2023 Midyear Outlook」には中央銀行が長期にわたる金融引締めを維持せざるを得ないとの見通しが既に示されていた。その要因として、供給制約によるインフレ圧力に加え、高齢化に伴う労働者供給の減少が挙げられ、売上減でも労働者を保持しようとする動機が高まることで「景気後退局面における完全雇用の可能性」に言及していたことが印象的だった。銘柄選択の観点からも企業の雇用に関連したサービスは有望と考えられよう。
  • 同「2023 Midyear Outlook」では、各国経済やセクター全体にわたって収益性に大きな変化をもたらす「メガフォース」として、①デジタルによる創造的破壊とAI、②分断化する世界、③低炭素への移行の追跡、④人口の高齢化、⑤金融業界の今後といった5点が挙げられていた。今後の銘柄選択においても柱として考えてよい視点・ポイントと考えられる。
  • AI(人工知能)の観点では、28日に決算発表予定のアクセンチュア(ACN)は幅広い業種向けにAI関連特許を数多く取得し、来るべき時代に備えている。人口の高齢化は医薬品需要増加と同時に、所得減少と政府・地方自治体の財政支出増に伴って国債発行増を招き、長期金利への上昇圧力となりやすいだろう。また、足元で米商業用不動産や米オフィス系リートの下落、銀行預金のMMF(マネー・マーケット・ファンド)へのシフトなどが米銀行の弱体化とともに貸出の減少を招く懸念の声が上がる中でも、ノンバンクやプライベート・クレジットなどが伸びる余地がある点も注目されよう。(笹木)
  • 9/26号では、オートマチック・データ・プロセシング(ADP)キャタピラー(CAT)CMEグループ(CME)マケッソン(MCK)ワークディ(WDAY)ウエイスト・マネジメント(WM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(9/22現在)

主要企業の決算発表予定

9月26日(火)コストコホールセール、シンタス
9月27日(水)マイクロン・テクノロジー、ペイチェックス
9月28日(木)ナイキ、カーマックス、アクセンチュア
9月29日(金)カーニバル

主要イベントの予定

9月26日(火)
  • 米2年債入札
  • 米主要20都市住宅価格指数(7月)、FHFA住宅価格指数(7月)、消費者信頼感指数・コンファレンス・ボード(9月)、新築住宅販売件数(8月)
9月27日(水)
  • 米5年債・2年物変動利付債入札
  • 米耐久財受注 (8月)
9月28日(木)
  • 米シカゴ連銀総裁と米リッチモンド連銀総裁が講演、パウエルFRB議長がタウンホール会議を主宰
  • 米新規失業保険申請件数(23日終了週)、GDP(2Q確定値)、中古住宅販売成約指数(8月)
9月29日(金)
  • 米ニューヨーク連銀総裁が講演・ラガルドECB総裁がイベントで講演(パリ)、中国休場(中秋節、国慶節)・10月9日に取引再開
  • 米卸売在庫(8月)、個人所得・支出 (8月)、PCE価格指数(8月)、ミシガン大学消費者マインド指数・確報値(9月)
10月2日(月)
  • S&Pグローバル米国製造業PMI(9月)、建設支出(8月)、ISM製造業景況指数・支払価格・雇用・新規受注(9月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

オートマチック・データ・プロセシング(ADP)市場:NASDAQ・・・2023/10/26に2024/6期1Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1949年設立の人事関連アウトソーシング企業。雇用サービス部門のほか顧客企業バックオフィス業務のPEOサービス部門を営む。月次の「ADP雇用統計」は同社顧客の給与計算データから算出。
  • 7/26発表の2023/6期4Q(4-6月)は、売上高が前年同期比8.5%増の44.77億USD、非GAAPの調整後EPSが同26.0%増の1.89USD。事業セグメント別売上高は、顧客企業向けファンド利息収入を含む雇用サービス部門が同11.1%増の30.20億USD、PEOサービス部門が同3.5%増の14.57億USD。
  • 2024/6通期会社計画は、売上高が前期比6-7%増、調整後EPSが同10-12%増。主力の雇用サービス部門は、給与管理サービス、人事管理、保険サービスなど幅広い人事関連アウトソーシングなどをクラウドベースで提供。PEOサービス部門は、顧客企業のバックオフィス業務を代行の雇用管理アウトソーシングを提供。人手不足を背景に堅調な雇用が続くことは同社業績への追い風となろう。

キャタピラー(CAT)市場:NYSE・・・2023/10/27に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1925年設立。建設・採鉱装置、ディーゼル・天然ガスエンジンなどの世界有数のメーカー。建設産業、資源産業、エネルギー・運輸の主要3事業のほか、リースやローンなどの金融商品事業を展開。
  • 8/1発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比21.6%増の173.17億USD、非GAAPの調整後EPSが同74.5%増の5.55USD。建設産業向けが同19%増収、鉱業向けが同20%増収、エネルギー・輸送向けが同27%増収と同社機械製品に対する世界的に幅広い分野の底堅さが示された。
  • 2023/12期3Q(7-9月)会社業績予想は、売上高および調整後営業利益率が前年同期比で増加・上昇も、前四半期比では減少・低下としている。インフレ高進と金利上昇により欧州や米国、アジアで経済成長減速の懸念が残るなか、各国で中長期インフラ投資計画の政府予算、経済安全保障からのエネルギー・資源確保の要請など景気変動に関わらず同社機械製品への需要が見込まれる。

CMEグループ(CME)市場:NASDAQ・・・2023/10/25に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1898年に設立されたデリバティブ取引所の持ち株会社。「CME」、「CBOT」、「NYMEX」、「COMEX」等の取引所を保有する他、先物・オプションの電子取引プラットフォーム「CME Globex」を運営する。
  • 7/26発表の2023/12期2Q(4-6月)は、営業収益が前年同期比9.9%増の13.60億USD、非GAAPの調整後EPSが同16.8%増の2.30USD。日次平均取引枚数は同0.9%減も、日次平均1枚当たり手数料収益が同11.9%増加。農業、金属、エネルギー関連プロダクトの増収率が2桁に達するなど躍進。
  • 2Qの特徴として、取引枚数に占める海外比率が27.5%に達するなど海外からの取引参加者の増加、および営業外利益として投資利益が同5.5倍の15.68億USDと金利上昇に伴って取引参加者からの受入証拠金の運用に係る財務収益が急増している点が挙げられる。ロシアのウクライナ侵攻や異常気象の頻発を受けて農産物のボラティリティーが上昇。引き続きリスク管理需要を牽引しよう。

マケッソン(MCK)市場:NYSE・・・2023/11/1に2024/3期2Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1833年設立の医薬品卸売業者。処方薬、医薬品、手術用具・機器等の卸売のほか、製薬会社向け特殊医療品物流サービス、薬局向け自動調剤システム、病院向け診療管理用ほかソフトを提供。
  • 8/2発表の2024/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比10.9%増の744.83億USD、非GAAPの調整後EPSが同24.7%増の7.27USD。米国ででリテール消費者向け医薬品、バイオ等スペシャルティ医薬品、および糖尿病に係るGLP-1が伸長。自社株買い枠を7月に60億USD追加設定(合計89億USD)。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前年同期比2.4-5.4%増の26.55-27.35USD(従来計画:26.1-26.9USD)とした。同社は米国内の医薬品流通の約3分の1を担う。米疾病対策センター(CDC)によれば、米国では新型コロナ感染症と呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症、インフルエンザの3つのウイルスに関し秋から冬にかけて同時流行する「トリプルデミック」の懸念が高まっている。

ワークディ(WDAY)市場:NASDAQ・・・2023/11/29に2024/1期3Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 2005年に設立。クラウドERP(統合基幹業務システム)大手。グロバール人事業務、給与支払い、財務管理のSaaSベースのエンタープライズ・ソリューションを提供。全世界で1万社超の企業が利用。
  • 8/24発表の2024/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比16.3%増の17.86億USD、非GAAPの調整後EPSが同65.1%増の2.74USD。売上構成比約91%を占める継続課金サブスクリプション収入は同18.8%増、7月末受注残で同32.5%増。営業活動キャッシュフローも同3.7倍の4.25億USDに拡大。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比16%増の72.0-72.4億USD(従来計画:71.80-72.25億USD)、調整後営業利益率を同4ポイント上昇の23.5%(同:23.0%)とした。AI(人工知能)による代替で相殺できる余地があるものの、米国はじめ先進国では高齢化に伴う労働者供給の減少を受けて景気動向に関わらず雇用確保への動きを強めやすく、同社事業への中長期的追い風となろう。

ウエイスト・マネジメント(WM)市場:NYSE・・・2023/10/26に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1968年設立。全米最大規模の廃棄物管理サービス会社であり、廃棄物の回収、移送、リサイクル、資源回収、処分を行う。廃棄物再エネルギー化施設の開発・運営・所有業者としても全米首位。
  • 7/25発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比1.8%増の51.19億USD、非GAAPの調整後営業EBITDAが同3.7%増の14.67億USD。インフレやサービス件数減の逆風の下、提供価格の引上げに加えコスト最適化により調整後営業EBITDAマージンが同0.6ポイント上昇の28.7%へ改善。
  • 通期会社計画を下方修正。売上高を前期比3.25-4.25%増(従来計画:4.0-5.5%増)、調整後営業EBITDAを同4.8-6.6%増の57.75-58.75億USD(同:58.25-59.75億USD)とした。再生可能エネルギー価格が会社想定よりも低いことが足元の業績への重荷の1つとなっているなか、WTI原油先物終値は22日が6月末比約28%と堅調に推移。エネルギー価格高騰に伴い再エネ価格も上昇が期待されよう。
  • (※)決算発表の予定は9/22現在であり、変更される可能性があります。

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