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2024-05-03 04:14:08

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “債券買戻しから銀行決算発表へ”

“債券買戻しから銀行決算発表へ”

2023/10/11
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“「安全資産の債券買い」で買戻しから銀行決算発表へ”

  • 年末に向けて米国株市場はブル(強気)とベア(弱気)のどちらを向こうとしているのだろうか? 株式市場を弱気へ誘導していたのは主に債券市場だった。「より高く、より長く」と、米FRB(連邦準備制度理事会)による高金利長期化観測を受け、米国30年債利回りが4日、一時5%を上回った。30年物の住宅金利も1週間の平均で約23年ぶりの高水準となる7.49%に達した。ドイツ10年国債利回りも4日に一時3%を超えた。
  • ところがこの辺りから長期金利上昇に一服感および債券買戻し(長期金利低下)の動きが出始めた。6日発表の9月の米雇用統計も非農業雇用者数は市場予想を大幅に上回ったものの、平均賃金伸び率や失業率は落ち着きを示した。ジェファーソンFRB副議長も9日、「債券利回り上昇を通じた金融引締め」に言及し、追加利上げが必要ない可能性も示唆した。
  • 中東でイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃に対し、イスラエル軍が報復としてハマスが実効支配するガザ地区へ激しい攻撃を行う「戦争状態」が発生した。このような地政学リスクに対し、欧州の債券市場は9日、安全資産といわれる国債買いで反応。米国債市場は休場だったなか、米国株市場は堅調に推移。長期金利低下に加え、バイデン政権が最新鋭の空母打撃群を東地中海に派遣したことで戦争の拡大が無いと見たことからの「遠くの戦争は買い」を誘う展開となったように見受けられる。
  • 13日からは2023年7-9月期の決算発表が始まる。特に金融機関については金利上昇の財務状態に与える影響が注目される。今年3月、預金増に対し資金を貸出に回せず債券運用を増やしたことが仇となって破綻した金融機関が相次いだ。米国内でも再エネのプロジェクト進捗が金利上昇で危ぶまれ、業種別で公益株の下落が目立つ。欧州でもドイツで「クエレ・ブル」再開発事業に携わるゲルヒ・グループが破産手続きを申請したほか、英国で銀行のメトロバンクが財務強化のため増資を行い、希薄化懸念から株価が大幅下落。米国の商業用不動産の評価額引き下げおよびオフィス系REIT(不動産投資信託)に関連しての銀行株の動きは要注意だろう。
  • リスクヘッジの観点からベア型のETF利用も検討されよう。米金融関連の指数に連動するベアETFとしてDirexionデイリー米国金融株ベア3倍ETF(FAZ)、米不動産関連指数に連動するベアETFとしてDirexionデイリー米国株ベア3倍ETF(DRV)等がある。エントリーの際、14日間の上げ幅(前日比)合計を、同期間の上げ幅合計と下げ幅合計を足した数字で割った「RSI(相対力指数)」等で指数が売られ過ぎではない点も要チェックだろう。(笹木)
  • 10/11号では、ASMLホールディング(ASML)バンガード米国短期債ETF(BSV)コルテバ(CTVA)メルク(MRK)ノースロップ・グラマン(NOC)スターバックス(SBUX)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(10/6現在)

主要企業の決算発表予定

10月10日(火)ペプシコ
10月11日(水)
10月12日(木)ファスナル、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、デルタ航空、ドミノ・ピザ
10月13日(金)プログレッシブ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、ユナイテッドヘルス・グループ、ブラックロック、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ
10月16日(月)チャールズ・シュワブ

主要イベントの予定

10月10日(火)
  • 米アトランタ連銀総裁と米ウォラーFRB理事と米サンフランシスコ連銀総裁が講演、米ミネアポリス連銀総裁がタウンホール・ミーティングに参加、米メタがVR・ARヘッドセット「Quest 3」発売、 IMF世界経済見通し(WEO)
  • 米卸売在庫(8月)
10月11日(水)
  • 米ボウマンFRB理事と 米アトランタ連銀総裁が講演、FOMC議事要旨(9月19、20日開催分)、米下院議長選の予定、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議・関連会合(13日まで、モロッコ)
  • 米PPI(9月)
10月12日(木)
  • 米アトランタ連銀総裁が会議で歓迎のあいさつ
  • 米新規失業保険申請件数 (10月7日終了週)、米CPI(9月)、米財政収支(9月)、英鉱工業生産(8月)、OPEC月報
10月13日(金)
  • 米フィラデルフィア連銀総裁が講演(オンライン)
  • 米輸入物価指数(9月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値 (10月)
10月14日(土)
  • 米財務省が半期に一度の為替報告書の議会提出期限
10月16日(月)
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数(10月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ASMLホールディング(ASML)市場:NASDAQ ・・・2023/10/18に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1984年設立のオランダ半導体製造装置メーカー。極端紫外線(EUV)露光装置の世界市場を独占。短波長EUVを光源として回路の微細化工程に使用。台湾積体電路製造(TSMC)が最大顧客。
  • 7/19発表2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比27.1%増の69.02億EUR、EPSが同39.3%増の4.93EUR。前四半期比では、EPSが0.4%減も、売上高が同2.3%増、純受注高が19.9%増、粗利益率が0.7ポイント上昇と底堅く推移。半導体製造装置の需要上向きに伴い受注残が拡大した。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高の伸び率を前期比30%(従来計画:25%以上)とした。粗利益率は引き続き僅かな改善を見込む。6月末受注残が380億EURに上ることから、マクロ経済環境の不透明さが続くと見込まれる当面の間の業績への影響が限定的と見られることに加え、生成AI(人工知能)関連の先端半導体製造に同社製EUV露光装置が必要不可欠であることの強みが期待されよう。

バンガード米国短期債ETF(BSV)市場:NYSEArca ・・・分配金:年12回(毎月分配)

  • ブルームバーグ1-5年米国国債/クレジット指数に連動の投資成果を目指す。同指数は米国債、投資適格社債、投資適格外国債券の内、償還期間が1-5年で発行残高が中程度以上の銘柄で構成。
  • 9日終値時価総額が330億USD、過去12か月間分配金単価(ネット)合計が1.671646USDと、6日終値の12ヵ月間実績配当利回りが2.22%となる中で昨年10-12月合計が0.345983USD、今年1-3月合計が0.384780USD、同4‐6月合計が0.432118USD、同7-9月合計が0.509765USDと増加基調を継続。
  • 昨年末終値から10/6終値までの騰落率(除くインカムゲイン)は同ETFが横ばい。なお、S&P500株価指数が+12.3%。価格変動リスクおよび債券の平均回収期間を表す組入れ銘柄の「オプション調整後スプレッド(OAS)実効デュレーション」が2.53年と短く価格変動リスクが限定されている点が特徴。米FRBによる金融政策は政策金利を「より高く、より長く」とする見方が市場で強まりつつある。

コルテバ(CTVA)市場:NYSE ・・・2023/11/8に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 2019年に化学・農業大手ダウ・デュポンの3分割により農業特化で分離独立。除草剤や殺虫剤の農薬、および遺伝学に基づき、トウモロコシ・大豆・小麦などの品質を最適化する種苗が収益の柱。
  • 8/3発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比3.3%減の60.45億USD、非GAAPの調整後営業EPSが同2.4%減の1.60USD。種苗部門が販売価格上昇(同12%)を受けて同8%増収(42.64億USD)だった一方、農薬部門が販売量の減少(同29%減)を受けて同23%減収(17.81億USD)。
  • 通期会社計画を下方修正。売上高を前期比2.5-4.2%増の179-182億USD(従来計画:186-189億USD)、調整後営業EPSを同3.0-8.6%増の2.75-2.90USD(同:2.8-3.0USD)。農薬部門の減収は戦略的な事業売却の影響も含み、今後は穀物相場動向がより業績に反映しやすくなろう。また、同社は太陽光を使って水とCO2から化学原料を作る「人工光合成」の特許出願件数で世界首位を占める。

メルク(MRK)市場:NYSE ・・・2023/10/26に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1891年に独E.Merckの米国子会社として設立後、第1次世界大戦中に米政府が接収し米企業化。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品、アニマルヘルス製品を提供。140ヵ国以上で事業を展開。
  • 8/1発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比3.0%増の150.35億USD、非GAAPの調整後EPSが自己免疫疾患治療薬のプロメテウス社買収費用で前年同期の1.87USDから▲2.06USDへ赤字転落。主力のがん治療薬「キイトルーダ」、HPV関連がん予防ワクチン「ガーダシル」は堅調。
  • 通期会社計画は、売上高を前期比▲1.1〜+0.5%増の586-596億USD(従来計画577-589億USD)、調整後EPSを同61-59%減の2.95-3.05USD(同6.88-7.00USD)とした。同社の約3分の1の売上を占めるキイトルーダの特許切れを5年後に控え、炎症性腸疾患を対象とした抗体医薬を現在開発中のプロメテウス・バイオサイエンスを108億USDで買収。経営問題への迅速な対応と評価されよう。

ノースロップ・グラマン(NOC)市場:NYSE ・・・2023/10/26に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1927年創業・1939年設立のノースロップが1994年にグラマンを買収。航空システム、防衛システム、ミッションシステム、宇宙システムの4事業セグメントを運営。軍艦メーカーとしては世界最大。
  • 7/27発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比8.8%増の95.76億USD、年金債務や固定資産償却の影響を除く非GAAPの調整後EPSは同3.1%増の4.94USD、調整後フリーキャッシュフローが前年同期の▲4.60億SDから6.15億USDへ黒字転換。合計受注残は前年末比横ばいの788.05億USD。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比5-6%増の384-388億USD(従来計画:380-384億USD)、調整後EPSを同12-11%減の22.45-22.85USD(同:22.25-22.85USD)とした。調整後フリーキャッシュフローは同14-33%増の18.50-21.50億USDで据え置き。イスラム組織「ハマス」によるイスラエルの大規模攻撃に際し、米政府は同社開発・建造の空母打撃群「ジェラルド・フォード」を東地中海へ派遣。

スターバックス(SBUX)市場:NASDAQ ・・・2023/11/2に2023/9期4Q(7-9月)の決算発表を予定

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1971年創業の世界的なコーヒーチェーン。世界で3万7222店舗(23年6月末現在)を展開。主力のStarbucks CoffeeのほかTeavana、Seattle’s Best Coffee、Evolution Freshなどのブランドを擁する。
  • 8/1発表の2023/9期3Q(4-6月)は、売上高が前年同期比12.5%増91.68億USD、非GAAPの調整後EPSが同19.0%増の1.00USD。既存店売上高では、北米が同7%増に対し、海外が同24%増。特に中国が前年同期のゼロコロナ政策の反動増で同46%増と牽引。全体新規店舗数が同1.6%増。
  • 通期会社計画は、既存店増収率が同1桁台半ば(従来計画7-9%)へ下方修正も、売上高が前期比10-12%増、調整後EPS増益率が同15-20%と従来計画を据え置いた。会社は生産性向上による利益率上昇を見込む。3Qの調整後営業利益率も前年同期比0.5ポイント上昇の17.4%だった。同社株価は2018年10-12月の3ヶ月間の騰落率が+13.9%と、主要株価指数の下落時に堅調に推移。
  • (※)決算発表の予定は10/6現在であり、変更される可能性があります。

過去の「銘柄ピックアップ」パフォーマンス検証

  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
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