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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “中東情勢と防衛関連株、オゼンピックの破壊力”

“中東情勢と防衛関連株、オゼンピックの破壊力”

2023/10/17
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“中東情勢と防衛関連株、オゼンピックの破壊力”

  • 中東情勢が株式市場に「リスクオフ」の牙を剥き始めた。イスラエルがパレスチナ自治区ガザで地上戦を近く開始する方針とし、ガザ住民に退避を勧告。地上戦が開始すればイスラム教シーア派のヒズボラのほか、イランや米国も参戦して戦争が拡大するのではないかとの懸念から、週末の13日は原油先物価格が急騰、地政学リスクの高まりに対して「有事の金(ゴールド)買い」や安全資産の米国債買い(=長期金利低下)などの動きがみられた。
  • 防衛関連株価は総じて堅調に推移。米国とイスラエルはオバマ政権時の2016年9月に、2018年から10年間に及ぶ米国のイスラエル軍事支援に関する覚書を締結。同10年間にわたり計380億ドルの軍事支援を行うこととしている。その代わり、イスラエルは最終的には全ての兵器を米国企業から購入することとなっている。米国株の代表的な航空宇宙・防衛株指数である「ダウ・ジョーンズ米国セレクト航空宇宙・防衛株指数」終値は、今月5日に約1年ぶりの安値水準まで下落後、12日には5日終値比5.4%上昇。13日終値は年初来高値だった7/11から約8%低い水準。13日終値は日次ベースで同指数の値動きの3倍に連動した「Direxionデイリーエアロスペース・アンド・ディフェンス ブル3倍ETF(DFEN)」のようなETFも活用検討の余地があるかもしれない。
  • 生成AI(人工知能)で画像処理半導体(GPU)のエヌビディア(NVDA)は今のところ今年の米国株市場の「MVP」賞に値するパフォーマンスを示している。これに匹敵するほどの大掛かりな世の中の変化を巻き起こしているのがデンマークの薬品企業ノボ・ノルディスク(NVO)だ。元々は2型糖尿病の治療のために開発された「セマグルチド」という「GLP-1受容体作動薬」が、2型糖尿病向けの「オゼンピック」と肥満治療薬「ウゴービ」として既に出回っている。この薬を摂取すると脳の満腹中枢に働きかけることで食欲が減退しやすくなることから、食品メーカーの業績への悪影響が懸念されている。他方、航空会社は乗客のウエイトが減少することで燃費改善を通じて利益率の向上とCO2排出量の減少が見込まれるのではないかとの話も出ている。
  • 「オゼンピック」の臨床試験の中間解析で、糖尿病患者の腎疾患進行を遅らせる効果があることが示されたと発表し、血糖値モニタリング医療装置メーカーや人工透析サービス関連会社の株価が下落する事態が発生。そして何よりも、肥満の改善に伴う様々な病気が減少すれば医療保険からの支出も減少し、国家財政への好影響が期待される。現時点ではノボ・ノルディスクの競合企業としてイーライ・リリー(LLY)が挙げられる。足元はイーライ・リリーが上回っているものの両社の時価総額が競り合う展開も想定されよう。(笹木)
  • 10/17号では、エヴォティック(EVO)ハロザイムセラピューティクス(HALO)ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)iシェアーズ・バイオテクノロジーETF(IBB)L3ハリス・テクノロジーズ(LHX)ノボ・ノルディスク(NVO)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(10/13現在)

主要企業の決算発表予定

10月17日(火) ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス、JBハント・トランスポート・サービシズ、オムニコム・グループ、ゴールドマン・サックス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、プロロジス、ロッキード・マーチン、バンク・オブ・アメリカ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン
10月18日(水)ラムリサーチ、ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ、PPGインダストリーズ、テスラ、スチール・ダイナミクス、エキファックス、クラウン・キャッスル、キンダー・モルガン、ラスベガス・サンズ、ネットフリックス、モルガン・スタンレー、ステート・ストリート、M&Tバンク、シチズンズ・フィナンシャル・グループ、プロクター・アンド・ギャンブル、ナスダック、トラベラーズ、USバンコープ、アボットラボラトリーズ、ノーザン・トラスト、エレバンス・ヘルス、ASMLホールディング、ZBナショナル・アソシエーション
10月19日(木)インテュイティブサージカル、CSX、ユニオン・パシフィック、キーコープ、トゥルイスト・ファイナンシャル、フリーポート・マクモラン、ジェニュイン・パーツ、ブラックストーン、AT&T、マーシュ・アンド・マクレナン、プール、アメリカン航空グループ、スナップオン、アラスカ・エア・グループ、フィリップ・モリス・インターナショナル、フィフス・サード・バンコープ
10月20日(金)リージョンズ・ファイナンシャル、ハンチントン・バンクシェアーズ(オハイオ州)、アメリカン・エキスプレス、SLB、インターパブリック・グループ、コメリカ
10月23日(月) アレクサンドリア・リアル・エステート・エクイティーズ、パッケージング・コープ・オブ・アメリカ、WRバークレー、ケイデンス・デザイン・システムズ、ブラウン・アンド・ブラウン

主要イベントの予定

10月17日(火)
  • 米ニューヨーク連銀総裁が討論会で司会、米リッチモンド連銀総裁が講演、EU財務相理事会(ルクセンブルク)
  • 米小売売上高(9月)、米鉱工業生産(9月)、米NAHB住宅市場指数(10月)、米企業在庫(8月)、対米証券投資(8月)
10月18日(水)
  • 米ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加、米フィラデルフィア連銀総裁が講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米マイクロソフトとアクティビジョン合併完了期限
  • 米住宅着工件数(9月)
10月19日(木)
  • 米パウエルFRB議長が講演、米シカゴ連銀総裁がQ&Aに参加、米アトランタ連銀総裁と米フィラデルフィア連銀総裁と米ダラス連銀総裁が講演
  • 米新規失業保険申請件数 (14日終了週)、米中古住宅販売件数(9月)、米景気先行指標総合指数 (9月)
10月20日(金)
  • 米フィラデルフィア連銀総裁が講演、米・EU首脳会議(ワシントン)
10月23日(月)
  • シカゴ連銀全米活動指数(9月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

エヴォティック(EVO)市場:NASDAQ/ADR・・・2023/11/18に2023/12期9M(1-9月)の決算発表を予定 

  • 1993年設立のドイツの製薬バイオ技術企業。糖尿病やがん他様々な治療分野で医薬品を開発し、イーライリリー、ノボ・ノルディスク、ファイザーほか世界大手製薬企業をパートナーとする。
  • 8/29発表の2023/12期1H(1-6月)は、売上高が前年同期比13.9%増の3.83億EUR、粗利益率が同7.1ポイント上昇の25.9%、調整後EBITDAが同22.4%減の26.1百万EUR。ブリストルマイヤーズスクイブ他の大手製薬との新たな提携が利益率上昇に寄与も4月発生のサイバー攻撃への対応コストが嵩んだ。
  • 通期会社計画を下方修正。売上高を前期比0-5%増の7.50-7.90億EUR(従来計画8.20-8.40億EUR)、調整後EBITDAを41-22%減の60-80百万EUR(同1.15-1.30億EUR)とした。サイバー攻撃の影響により売上機会損失に加えて6月まで生産性低下が継続。同社は9月、学術機関からの研究促進目的でノボ・ノルディスクと共同で心臓代謝疾患創薬に係る新薬発見アクセレータLABeN2を発表。

ハロザイムセラピューティクス(HALO)市場:NASDAQ・・・2023/11/8に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1998年設立のバイオ技術企業。注射薬の送達を促進し、薬物有効性・利便性を高める、特許取得済み酵素を基盤としてがん治療薬を開発・製造。世界の医薬品大手と共同・ライセンス契約を締結。
  • 8/8発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比45.1%増の2.21億USD、非GAAPの調整後EPSが同39.6%増の0.74USD。皮下投与のドラッグデリバリーシステム(DDS)技術「ENHANZE」のロイヤリティ収入増のほか全身筋無力症治療薬関連の当局承認に伴う開発マイルストーン収入が業績貢献。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比25-28%増の8.25-8.45億USD(従来計画8.15-8.45億USD)、調整後EPSを同20-24%増の2.65-2.75USD(同2.50-2.65USD)とした。同社は今年5月、無針・微小針の注射システムなどを開発するアンタレス・ファーマを買収し、DDS技術分野の競争力強化。ハロザイムのDDS技術は注射を伴う医薬品開発に必要として安定した需要の拡大が見込まれよう。

ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)市場:NYSE・・・2023/11/2に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2011年にノースロップ・グラマンから分離独立。米海軍と沿岸警備隊用船舶メーカー。非核船の造船(インガルス)、原子力船造船(ニューポートニュース)の2事業に加え、ミッションテクノロジー事業を営む。
  • 8/3発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比4.7%増の27.87億USD、EPSが同26.4%減の3.27USD。新規受注高が同30%増の26億USDと堅調も、インガルス造船とニューポートニュース造船のそれぞれの事業において価格改定を含めて契約評価額の下方修正が利益面で響いた。
  • 通期会社計画は、造船2事業について売上高が前期比▲0.3〜+2%の84-86億USD、営業利益率が同0-0.3ポイント上昇の7.7-8.0%と従来計画据え置き。同社は原子力空母設計建造で米国唯一、原子力潜水艦建造で米2社内の1社であり、米国防総省から継続的受注が見込まれる。中東の地政学リスクに対し、米海軍は同社開発の最新鋭原子力空母ジェラルド・フォードを東地中海へ派遣。

iシェアーズ・バイオテクノロジーETF(IBB)市場:NASDAQ・・・分配金:年4回(3・6・9・12月) 

  • 米国で上場されるバイオ・セクターで構成されるICE バイオ・テクノロジー指数に連動する投資成果を目指す。構成銘柄は最低時価総額2億USD、浮動株比率調整後の時価総額で加重平均する。
  • 10/13時点で時価総額が68.2億USD、過去1年間分配金単価合計はネット0.325331USD。組入れ上位6銘柄は上位順に、アムジェン(AMGN)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)、ギリアド・サイエンシズ(GILD)、シージェン(SGEN)、バイオジェン(BIIB)。
  • 昨年末終値から10/13終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は、同ETFが▲7.4%に対し、ダウ工業株30種平均が+1.6%、S&P500株価指数が+12.7%、ナスダック100が+37.1%。大手医薬品企業の中では業績を牽引する主力医薬品の特許期間(20年)経過を目前に控え、将来有望かつ当局の承認が見込まれる臨床試験中のパイプラインを擁するバイオ企業への買収の動きが活発化。

L3ハリス・テクノロジーズ(LHX)市場:NYSE・・・2023/10/26に2023/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 2019年にL3テクノロジーズとハリスの合併により誕生した全米6位の防衛請負業者。通信・情報技術を専門とし、国防省・軍事において安全で信頼度の高い無線通信システムおよび機器を提供。
  • 7/26発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比13.5%増の46.93億USD、非GAAPの調整後EPSが同8.0%減の2.97USD。受注高が同17.5%増の55.57億USD、6月末受注残高が同25.4%増の249.51億USDと拡大も、減損損失計上や年金費用および金利・税金費用が利益面で響いた。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比5.5-7.0%増の180-183億USD(従来計画174-178億USD)、調整後EPSを同6-3%減12.15-12.55USD(同:12.00-12.50USD)とした。同社は7月、イスラエル航空宇宙産業のELTAシステム・グループ(ELTA)との提携を拡大し、米国とNATOの相互運用可能な最先端の航空機早期警戒管制ソリューションを提供と発表。中東情勢で重要な位置付けとなろう。

ノボ・ノルディスク(NVO)市場:NYSE/ADR・・・2023/11/2に2023/12期9M(1-9月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1923年設立のデンマークの製薬企業。糖尿病領域、成長ホルモン領域、血友病領域を中心に医薬品を開発・製造・販売。「糖尿病・肥満ケア」と「希少疾患(バイオ医薬品)」を主な事業部門とする。
  • 8/10発表の2023/12期1H(1-6月)は、売上高が前年同期比29.3%増の1076.67億DKK(デンマーク・クローネ)、EPSが同44.1%増の17.41DKK。製品別売上では糖尿病ケアが同23%増の808.29億DKK(内、GLP-1向けが同49%増の547.36億DKK)、肥満ケアが同2.6倍の181.48億DKK。
  • 10/13に通期会社計画を上方修正。為替変動の影響を除く前期比で売上高を32-38%増(従来計画27-33%増)、営業利益を同40-46%増(同:31-37%)とした。同社は10日、GLP-1受容体作動薬「オゼンピック」が臨床試験の中間解析で、糖尿病患者の腎疾患の進行を遅らせる効果があると発表。肥満症治療薬「ウゴービ」とともに血糖モニター、人工透析企業から食品メーカーまで株価に影響。
  • (※)決算発表の予定は10/13現在であり、変更される可能性があります。

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