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2024-05-03 11:14:01

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “菊の季節に半導体が開花、CEO交代とターンアラウンド”

“菊の季節に半導体が開花、CEO交代とターンアラウンド”

2023/11/14
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“菊の季節に半導体が開花、CEO交代とターンアラウンド”

  • 「菊の季節に半導体が満開」なのだろうか?半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造[TSMC](TSM)の10月売上高が8ヵ月ぶり前年同月比で増収に転じたことに加え、単月で過去最高を記録した。アップル(AAPL)のiPhoneやパソコン「MacBook」など、TSMCが強みを有する微細化プロセスの最先端半導体である「3ナノ(10億分の1メートル)品」が搭載された新製品が相次いだほか、主要顧客の半導体大手エヌビディア(NVDA)などが手掛ける生成AI(人工知能)向け半導体需要が重なった模様だ。これを受けて半導体の設計・製造・流通・販売を行う米企業30社で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は10日終値が前日比4.0%上昇の大幅高となった。
  • この背景には、当ウィークリー先週号(2023年11月7日号)で述べたように米国株の需給が年初来でも際立って良好だった点が挙げられる。アクティブ投資マネージャーの株式エクスポージャーを指数化した「NAAIM指数」は10/25に年初来最低水準の24.82まで低下後、2週間後の今月8日には61.76と年初来の平均近くまで既に回復してきている。その意味では足元の投資家心理は「弱気(ベア)と強気(ブル)の境界線」付近という見方もできよう。
  • TMSCの10月売上高が意味するのは、最近まで業績の足を引っ張ってきたスマホとパソコンが生成AI機能などに係る最先端半導体を搭載して需要を喚起し始めた点だろう。市場調査会社IDCによる今年7-9月は、世界パソコン出荷台数が前年同期比7.6%減と7四半期連続売マイナスも、前四半期比では2四半期連続で前四半期比プラス。世界スマホ出荷台数が同0.1%減と9四半期連続の同マイナスも、3四半期連続で前四半期比プラスと底入れの兆しが出ている。アップル主役のエコシステムが再び動き出した可能性があろう。
  • 株式投資の醍醐味の一つには、ターンアラウンド銘柄への投資が挙げられる。業績悪化で大幅に株価の下落した企業が、辣腕経営者の下で経営再建を進めて立ち直ることで大幅株価回復を達成するのはそれほど珍しい話ではない。ゼネラル・エレクトリック(GE)は、2016年7月の高値198.16ドルから20年5月の34.22ドルまで下落後、足元では115ドル台まで回復。同社初の社外出身カルプCEOが2018年9月以降、経営再建を主導している。ウォルト・ディズニー(DIS)は、ボブ・アイガーCEOが完全に引退してわずか11ヶ月後の22年11月に同社CEOに復帰。株価は2021年3月高値から足元で約56%下落も10日終値は年初来でプラス圏を維持している。ペイパル・ホールディングス(PYPL)ユニティ・ソフトウエア(U)も株価が過去最高値から大幅に下落する中でCEOが交代。ターンアラウンドが期待されよう。(笹木)
  • 11/14号ではウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)KLA(KLAC)ペイパル・ホールディングス(PYPL)ヴァンエック半導体ETF(SMH)台湾積体電路製造(TSM)ユニティ・ソフトウェア(U)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(11/10現在)

主要企業の決算発表予定

11月14日(火)ホーム・デポ
11月15日(水)パロアルト・ネットワークス、シスコシステムズ、TJX、キャタレント、JDドットコム、ターゲット
11月16日(木)アプライド・マテリアルズ、ロス・ストアーズ、ウォルマート、バス&ボディワークス
11月17日(金) ジョンソンコントロールズインターナショナル
11月20日(月)アジレント・テクノロジー、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ、キーサイト・テクノロジーズ

主要イベントの予定

11月14日(火)
  • 米バイデン大統領がサンフランシスコ訪問、米シカゴ連銀総裁が講演、スイス国立銀行・FRB・国際決済銀行(BIS)の会合(チューリヒ、15日まで)、ジェファーソンFRB副議長らが講演、APEC閣僚会議(サンフランシスコ、15日まで)
  • 米CPI (10月)
11月15日(水)
  • APEC首脳会議(サンフランシスコ、17日まで)、国際通貨基金(IMF)専務理事講演
  • 米PPI (10月)、米小売売上高 (10月)、米ニューヨーク連銀製造業景況指数(11月)、米企業在庫(9月)
11月16日(木)
  • 米クリーブランド連銀総裁が会議冒頭あいさつと基調講演、米ニューヨーク連銀総裁が講演、米バーFRB副議長(銀行監督担当)講演
  • 米新規失業保険申請件数(11日終了週)、米輸入物価指数(10月)、米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(11月)、米鉱工業生産指数(10月)、米NAHB住宅市場指数 (11月)、米対米証券投資(9月)
11月17日(金)
  • 米つなぎ予算期限、米ボストン連銀総裁が会議冒頭のあいさつ、米シカゴ連銀総裁が講演、米サンフランシスコ連銀総裁が講演 (フランクフルト)、米ロサンゼルス自動車ショー(26日まで)
  • 米住宅着工件数(10月)
11月20日(月)
  • 米景気先行指標総合指数(10月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)市場:NYSE・・・2024/2/8に2024/9期1Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1923年設立の総合エンターテイメント企業。ABCテレビ、ケーブルTVのESPN、動画配信サービス、映画制作・ライセンス含む「メディア・エンターテイメント部門」、および「テーマパーク部門」を営む。
  • 11/8発表の2023/9期4Q(7-9月)は、売上高が前年同期比5.4%増の212.41億USD、非GAAPの調整後EPSが同2.7倍の0.82USD。テーマパーク部門は上海と香港の入場者数増の寄与で同13%増収、31%営業増益。動画配信事業は営業利益が同▲14.06億USDから▲4.20億USDへ赤字幅縮小。
  • 同社は2024年9月末目標で、①販管費および②スポーツ除く動画コンテンツへの現金支出の年間合計削減額を75億USDと従来計画より20億USD積み増し。コスト管理の加速の一方、営業面でも動画配信事業で「ディズニー+」の9月末会員数が6月末比410万人増加および米Huluの完全子会社化発表と、2024/9期4Qまでの黒字化目標を視界に入れている。経営再建への期待が高まろう。

KLA(KLAC)市場:NASDAQ・・・2024/1/26に2024/6期2Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1975年設立の半導体検査装置メーカー。世界シェア首位。ナノ水準の微細化対応に強み。半導体製造装置、シリコンウェハー、フォトマスク、材料など半導体の幅広い分野のメーカーが取引先。
  • 10/25発表の2024/6期1Q(7-9月)は、売上高が前年同期比12.0%減の23.97億USD、非GAAPの調整後EPSが同18.7%減の5.74USD。フリーキャッシュフローが同12.0%減の8.15億USD。業界世界首位の強み発揮で落ち込み軽微。前四半期比では売上高が1.8%増、調整後EPSが6.3%増と反発。
  • 2023/6期4Q(4-6月)会社計画は、売上高が前期比▲22〜▲14%の23.25-25.75億USD、調整後EPSが同▲29〜▲12%の5.26-6.46USD。生成AI(人工知能)普及に伴う高性能の先端半導体製造の需要増が見込まれるなか、メモリーチップ性能に影響を与え得る僅かな異常も検出できる高度な検査装置への需要も高まろう。同社の競争優位なポジション比で予想PER(22倍台)は割安だろう。

ペイパル・ホールディングス(PYPL)市場:NASDAQ・・・2024/2/9に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 2015年設立の電子決済サービス企業。利用者が事業者にクレジットカード番号等を伝える必要がない点に強み。Eコマースやホテル・飲食店での予約・事前決済など個人・法人向けで利用される。
  • 11/1発表の2023/12期3Q(7-9月)は、営業収益が前年同期比8.4%増の74.18億USD、非GAAPの調整後EPSが同20.4%増の0.93USD。稼働口座数が同0.9%減、調整後営業利益率が同0.2ポイント低下の一方、決済総額が同15%増、会計基準変更の影響を除く調整後フリーキャッシュフローが同19%増。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比21%増の4.98USD(従来計画4.95USD)とした。同社株価は、新型コロナ禍に伴う特需の反動減、および大口取引先だったeBayの離脱などを受けて21年7月高値から80%超下落。10日終値での予想PER11倍台に低下。9/27に就任のクリス新CEOが「利益ある成長」を掲げて再建に乗り出すなか、旅行等に伴う堅調な消費の追い風が期待される。

ヴァンエック半導体ETF(SMH)市場:NASDAQ・・・分配金:年1回(12月) 

  • 「MVIS US Listed Semi-conductor 25指数」に連動する投資成果を目指す。半導体セクターを中心に米国で上場する時価総額および流動性の高い企業に投資。各銘柄の保有率は20%以下。
  • 4/28終値で時価総額が71.0億USD、株式分割後の過去1年間における分配金単価(ネット)合計は1.2005 USD。組入れ上位順7社はエヌビディア(NVDA)、台湾積体電路製造(TSM)、ブロードコム(AVGO)、ASMLホールディング(ASML)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコム(QCOM)、インテル(INTC)。
  • 昨年末終値から11/10終値までの騰落率(インカムゲインを除く)は、同ETFが+55.0%に対し、ダウ工業株30種平均が+3.4%、S&P500株価指数が+15.0%、ナスダック100が+42.0%。「生成AI(人工知能)」需要が高まるなかで先端半導体、および半導体製造装置需要も高まりつつある。それに加え、需要減速傾向にあったスマホやパソコンも底打ちからAI新機能での需要喚起が見込まれる。

台湾積体電路製造(TSM)市場:NYSE・・・2024/1/12に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1987年設立。台湾本拠の世界最大の専業ファウンドリ(半導体受託生産)。同社製造の半導体はモバイルデバイス、高性能コンピューター(HPC)、車載半導体、IoT等の多様な半導体市場に跨る。
  • 10/19発表の2023/12期3Q(7-9月)は、半導体需要回復の遅れから、売上高が前年同期比14.6%減の172.8億USD、EPSが同27.9%減の1.29USD。粗利益率が同6.1ポイント低下の54.3%。前四半期比は売上高が10.2%増、EPSが13.2%増と、世界最先端の半導体「3ナノ品」の出荷本格化が寄与。
  • 2023/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比▲5.7-▲0.5%の188-196億USD、粗利益率が51.5-53.5%(前年同期62.2%)。11/10発表の10月の売上高が前年同月比15.7%増の2432億台湾ドルと、8ヶ月ぶり増収かつ単月で過去最高を記録。最大顧客である米アップルの新製品需要、および生成AI(人工知能)向けで最先端半導体「3ナノ品」などに係る半導体需要が貢献した。

ユニティ・ソフトウェア(U)市場:NYSE・・・2024/2/22に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2005年設立。ゲーム開発言語Unityを元に3Dコンテンツ開発・運営・収益化のプラットフォームを運営。開発者向け「開発ソリューション」とユーザー獲得支援の「運用ソリューション」の2事業を営む。
  • 11/9発表の2023/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比68.5%増の5.44億USD、非GAAPの調整後EBITDAが前年同期▲3117万USDから1.30億USDへ黒字転換。前四半期比は、売上高が2.0%増、調整後EBITDAが32.6%増、前四半期より黒字化のフリーキャッシュフローが3.2倍(1.04億USD)。
  • 同社は開発者からの新料金体系への反発を受けていたなか、10月に暫定CEOとしてホワイトハースト氏が就任。同氏はオープンソースOSのRed Hat(現IBM)CEOを12年勤めた後、IBM社長も14ヵ月務めた。イスラエルのアプリ収益化企業ironSourceを昨年11月に40億USDで買収後、調整後EBITDAおよびフリーキャッシュフローが改善・拡大傾向。暫定新CEOの経営手腕で一層の飛躍が期待されよう。
  • (※)決算発表の予定は11/10現在であり、変更される可能性があります。

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