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2024-05-03 11:48:58

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “エッジAI、半導体「後工程」、エンタープライズ生成AI”

“エッジAI、半導体「後工程」、エンタープライズ生成AI”

2024/1/23
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“エッジAI、半導体「後工程」、エンタープライズ生成AI”

  • S&P500株価指数が19日、約2年ぶりに最高値を更新した。19日終値までの昨年来騰落率(+1.47%)への寄与度は、エヌビディア(NVDA)が約42%、マイクロソフト(MSFT)が約29%、メタ・プラットフォームズ(META)が約11%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が約7%と、生成AI(人工知能)とその基盤となるAI半導体の分野での主要銘柄を中心に買われている。エヌビディアの最新半導体「HGX H100」の認定パートナーを取得しているサーバーメーカーの1社スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の終値も19日、利益予想上方修正を受けて前日比36%上昇した。
  •  生成AIとAI半導体への物色の流れが継続するとした場合、どのような分野に投資すべきなのだろうか?当ウィークリー先週号(2024年1月16日号)でAIをデバイスに直接搭載しそのデバイスで処理を行う「エッジAI」、およびそのプラットフォーマーとしてクアルコム(QCOM)について述べた。同社の19日終値での市場予想PER(株価収益率)は16.2倍と割安水準にある。
  •  もう一つ重要な分野は半導体製造装置の「後工程」である。生成AIのように大規模言語モデル(LLM)で大量のデータを機械学習および深層学習に使う場合には、素子や回路配線幅の微細化による高性能化だけでは足りず、機能ごとに「チップレット」に細かく切り分けてパッケージ化すること、チップレットを立体的に組み上げること、それぞれのチップレットのテストなどが重要視される。半導体組み立てやテストといった後工程を受託する企業は米国では少ない。アムコー・テクノロジー(AMKR)は米国における半導体製造のサプライチェーン構築といった経済安全保障の観点からも重要な位置を占めるとみられるものの、19日終値のでの市場予想PERは23.4倍にとどまる。
  • 生成AIを活用したサービスの分野では、生成AIの企業への活用が進むことが想定される。そのためには、AIに活用されるデータにアクセスしやすく、堅牢なセキュリティも要求される。生成AIも、企業ごとに基盤モデルが構築されて業務を効率化していく「エンタープライズ生成AI」が普及していくだろう。
  • 全米アクティブ投資マネージャーズ協会(NAAIM)の会員から報告された株式エクスポージャーを示す指数である「NAAIM指数」は、昨年10/25の24.82から12/27の102.71まで上昇。連れて米主要株価指数も年末高となった。NAAIM指数はその後、今月17日の53.54まで低下。つまり、足元では主要株価指数の上昇と機関投資家の株式ポジション縮小の同時進行といった逆行現象(ダイバージェンス)が発生している。決算発表を契機として、このかい離が修正される形での株価指数の調整も想定されよう。(笹木)
  • 1/23号では、アムコー・テクノロジー(AMKR)ASEテクノロジー・ホールディング(ASX)カミンズ(CMI)IBM(IBM)コルボ(QRVO)ゼブラ・テクノロジーズ(ZBRA)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(1/19現在)

主要企業の決算発表予定

1月23日(火)スチール・ダイナミクス、インテュイティブサージカル、テキサス・インスツルメンツ、ベーカー・ヒューズ、ネットフリックス、インベスコ、ゼネラル・エレクトリック、ジョンソン・エンド・ジョンソン、プロクター・アンド・ギャンブル、DRホートン、ハリバートン、ベライゾン・コミュニケーションズ、シンクロニー・ファイナンシャル、RTX、ロッキード・マーチン、パッカー、3M
1月24日(水)パッケージング・コープ・オブ・アメリカ、IBM、WRバークレー、テスラ、サービスナウ、レスメド、ラムリサーチ、CSX、アメリプライズ・ファイナンシャル、レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル、ユナイテッド・レンタルズ、シーゲート・テクノロジー・ホールディングス、クラウン・キャッスル、ラスベガス・サンズ、キンバリー・クラーク、アンフェノール、AT&T、プログレッシブ、テキストロン、フリーポート・マクモラン、アボットラボラトリーズ、TEコネクティビティ、ゼネラル・ダイナミクス、テレダイン・テクノロジーズ、エレバンス・ヘルス、ASMLホールディング
1月25日(木)ウェアーハウザー、L3ハリス・テクノロジーズ、インテル、アーサー・J・ギャラガー、KLA、フェア・アイザック、ウエスタンデジタル、ビザ、キャピタル・ワン・ファイナンシャル、TモバイルUS、ユニオン・パシフィック、ヒューマナ、ダウ、コムキャスト、バレロ・エナジー、サウスウエスト航空、シャーウィン・ウィリアムズ、マコーミック、マーシュ・アンド・マクレナン、エクセル・エナジー、ブラックストーン、ネクステラ・エナジー、アメリカン航空グループ、ノースロップ・グラマン
1月26日(金) コルゲート・パルモリーブ、アメリカン・エキスプレス、ノーフォーク・サザン
1月29日(月)ワールプール、ニューコア、F5、フランクリン・リソーシズ

主要イベントの予定

1月23日(火)
  • 米大統領選・ニューハンプシャー州予備選(共、民)、米アカデミー賞ノミネート発表、米2年債入札
1月24日(水)
  • 米5年債入札、米製造業・サービス業PMI(1月)
1月25日(木)
  • 米7年債入札、ECB政策金利発表・総裁記者会見
  • 米卸売在庫(12月)、米耐久財受注 (12月)、米GDP(4Q・速報値)、米新規失業保険申請件数(20日終了週)、米新築住宅販売件数(12月)
1月26日(金)
  • 米個人消費支出(PCE)価格指数(12月)、米個人所得・消費(12月)、米中古住宅販売成約指数(12月)
1月29日(月)
  • ダラス連銀製造業活動(1月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アムコー・テクノロジー(AMKR)市場:NASDAQ・・・2024/2/5に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1968年設立の半導体後工程の受託製造(OSAT)企業。ウェハー製造・精密試験、ICのパッケージング組立てや設計、最終・信頼性・バーンイン(加速)試験、電気的特性評価等のサービスを提供。
  • 10/30発表の2023/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比12.6%減の18.22億USD、非GAAPの調整後EBITDAが同30.8%減の3.33億USD。前四半期比は同25.0%増収と回復。前年同期比は通信向けのみ増収(2%)も、前四半期比は通信の加速(68%)に加え、自動車・産業向けも増収(3%)。
  • 2023/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比15-9%減の16.25-17.25億USD、EPSが同52-27%減の0.32-0.49USD(3Q実績0.54USD)。重要性を増す生成AI(人工知能)半導体ではチップレットを積層してパッケージ化する後工程の重要性が高まっている。同社は世界OSAT市場でシェア2位。データセンターなどコンピューティング、ゲーム・家電など消費者向けも回復が期待される。

ASEテクノロジー・ホールディング(ASX)市場:NYSE・・・2024/2/15に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1984年設立の台湾企業。半導体後工程の受託製造企業(OSAT)で世界首位。通信、コンピューティング、自動車・消費者向けパッケージング、検査、EMS(電子機器受託製造)のサービスを提供。
  • 10/26発表の2023/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比18.3%減の1.54億NTD(新台湾ドル)、EPSが同49.0%減の2.00NTD。粗利益率が同4.0ポイント低下の16.2%も、営業キャッシュフローは同12.1%増だった。前四半期比では13.1%増収、EPS13.6%増益、粗利益率0.2ポイント上昇と堅調。
  • 2023/12期4Q(10-12期)会社計画は、3Q売上比率54%の半導体後工程・材料関連(ATM)が前四半期比1桁台前半〜半ばの減収、同比率46%のEMSが同10%台前半の増収。生成AI(人工知能)半導体では、微細なパーツに分かれたチップレットを積層してパッケージ化する後工程の重要性が高まっている。それに加え、同社はEMSの受託製造との統合ソリューションを提供する点が強み。

カミンズ(CMI)市場:NYSE・・・2024/2/6に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1919年設立のエンジンメーカー。主にディーゼルおよび天然ガスエンジン、関連部品、発電機の設計、生産、販売を行う。2019年に水素発電・貯蔵・燃料電池のハイドロジェニックス社を買収。
  • 11/2発表の2023/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比13.4%増の84.31億USD、EPSが同62.8%増の4.59USD、営業キャッシュフローが同4.0倍の15.29億USD。部品、エンジン、流通、発電システム、アチェレラ(水素発電・燃料電池関連ブランド名)の全事業が増収、EBITDA増益と堅調。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比18-21%増(従来計画15-20%増)とした。部品事業で2022年のメリター社買収が業績に寄与。他方、昨年5月にろ過装置設計製造のアトス(ATMU)をスピンオフなど事業ポートフォリオ継続見直しによる効率性改善も貢献大。ラスベガスで開催のハイテク見本市「CES」で水素自動車への関心の高まりは、アチェレラ事業の今後の成長へ追い風となろう。

IBM(IBM)市場:NYSE・・・2024/1/24に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1911年設立。コンピューター・ソリューションを提供する。ストレージ製品、サーバー製品のほか、人工知能(AI)の「Watson」やクラウドサービス、IoT、アナリティクス、コンサルティングなども手掛ける。
  • 10/25発表の2023/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.6%増の147.52億USD、継続事業に係る非GAAPの調整後EPSが同21.5%増の2.20USD。企業の基幹業務で使うメインフレームを手掛けるインフラ部門が同2%減収も、ソフトウェア部門が同8%増収、コンサルティング部門が同6%増収。
  • 通期会社計画は、為替の影響を除く増収率が前期比3-5%、フリーキャッシュフローが同11%増の105億USDで従来計画を据え置き。今年7月に提供開始の法人顧客向けAI(人工知能)の「ワトソンX」は、生成AIに関して様々な企業・業界ごとの基盤モデルが自社内で構築され、利用および外部提供していく事業モデルの「エンタープライズ生成AI」の市場を牽引することで成長が期待される。

コルボ(QRVO)市場:NASDAQ・・2024/2/1に2024/3期3Q(10-12月)の決算発表予定 

  • 1957年設立の半導体メーカー。無線と有線の通信接続技術に関して、主にモバイル、インフラ、防衛・航空宇宙業界のアプリケーションを対象に高周波集積回路の設計・開発・製造・販売を行う。
  • 11/1発表の2024/3期2Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.7%減の11.03億USD、非GAAPの調整後EPSが同10.2%減の2.39USD。先端セルラーグループ(ACG)は同8%増収も、高性能アナログ(HPA)が同34%減収、接続センサーグループ(CSG)が同28%減収。前四半期比は70%増収、調整後EPSが7.0倍。
  • 2024/3期3Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比31-38%増の9.75-10.25億USD、調整後EPSが同2.2倍の1.65USD。高周波(RF)半導体チップは、5G通信インフラと5G向けスマホの普及が進むほか、クラウドコンピューティングの増加を受けた無線通信市場の拡大の恩恵を受けつつある。回復基調に転じたACGに続き、IoT(モノのインターネット)拡大によるHPAとCSGの反転が期待される。

ゼブラ・テクノロジーズ(ZBRA)市場:NASDAQ・・・2024/2/15に2023/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら、「始値<終値(陽線)」なら

  • 1969年設立で、リアルタイムで感知・分析・行動する為の技術 に特化したモバイルコンピューティング企業。世界の小売・物流ほか様々な業界に自動認識とデータキャプチャ・ソリューションを提供。
  • 10/31発表の2023/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比30.6%減の9.56億USD、非GAAPの調整後EPSが同78.9%減の0.87USD。従来計画(年換算85百万USD)を上回る同1億USDの営業費用削減を達成したものの全地域で主要製品カテゴリーの販売減および流通業者の在庫削減が響いた。
  • 2023/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比32-36%減、調整後EPSが同71-62%減の1.40-1.80USD。前四半期比でコスト削減による調整後EPS増益見通し。同社はクアルコム(QCOM)プロセッサを搭載したモバイルコンピューティングおよびタブレット上で生成AI(人工知能)を伴う大規模言語モデル(LLM)の実証に成功。クラウドに接続しない「オンデバイス(エッジ)AI」活用が注目される。
  • (※)決算発表の予定は1/19現在であり、変更される可能性があります。

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