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2024-05-03 04:01:37

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “90年代後半ITバブルに類似点、立ちはだかるイベント”

“90年代後半ITバブルに類似点、立ちはだかるイベント”

2024/3/5
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“90年代後半ITバブルに類似点、立ちはだかるイベント”

  • 人間のように自然な会話ができる対話型生成AI(人工知能)サービスのChatGPTが公開されたのが2022年11月。FRB(連邦準備制度理事会)による金融引締めで下落基調だった米国主要株価指数もその時期で底入れ・反転し、それ以降は政策金利早期利下げ観測とともに堅調に推移している。
  • 生成AIの急速な普及および各企業の投資拡大は1990年代後半のITバブルを彷彿とさせる面もある。エヌビディア(NVDA)が生成AI活用のための機械学習・深層学習に必要な画像処理半導体(GPU)で世界標準の地位を占めるのは、1990年代後半にマイクロソフト(MSFT)のWindowsがOSの世界標準となったことに類似している面もある。
  • 更に、1994年にインターネット書店として設立のアマゾン・ドット・コム(AMZN)がITを用いた新たな事業モデルを提供したように、これから生成AIを活用した事業が本格的に展開されて行くに連れて「ポスト・エヌビディア」銘柄もそのような企業の中から生まれる余地もあるだろう。財務状況が改善しているグロース銘柄の中にその候補を見い出す可能性がありそうだ。
  • また、当時のFRB議長だったグリーンスパン氏は、ネットスケープ株の新規公開日(1995年8月9日)をインターネット株ブームの始まった日として歴史に記録されるだろうとした。スマホ半導体設計で世界市場独占の英アーム・ホールディングス(ARM)の昨年9月IPOも同様に歴史に残るのだろうか?
  • 2/29引け後に決算発表のデル・テクノロジーズ(DELL)は、AIワークロードに必要なサーバー需要急増を受けて3/1株価終値が前日比32%上昇。同社はAIソリューションにアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のAI用サーバーを採用。AMD株価も押し上げた。デルと同様の事業を行う他社も注目される。
  • 今の生成AI関連が1990年後半のような大きな相場へと発展していくかどうかを占う上では、今週の動向が鍵を握ろう。5日の「スーパー・チューズデー」以降、「もしトラ(もしかしたらトランプ)」に伴う政策不透明感は市場心理を冷やす可能性があるだろう。また、6-7日に行われるパウエルFRB議長の上院・下院金融委員会証言は、8日発表の2月の雇用統計に至る一連の雇用関連経済指標(2月の米ADP雇用統計、1月の求人件数、週次新規失業保険申請件数)とともに、生成AI関連銘柄が買われやすい前提となる長期金利動向に大きな影響を与えよう。
  • 他方、アップル(AAPL)株価終値が引き続き200日移動平均を下回るほか、Googleのアルファベット(GOOGL)株価終値も100日移動平均を下回ってきており、主要銘柄が崩れつつある点は引き続き要警戒だろう。(笹木)
  • 3/5号では、オートデスク(ADSK)C3.ai(AI)ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)ルミナーテクノロジーズ(LAZR)リフト(LYFT)スノーフレーク(SNOW)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(3/1現在)

主要企業の決算発表予定

3月5日(火)クラウドストライク・ホールディングス、ロス・ストアーズ、ターゲット
3月6日(水)ブラウン・フォーマン、キャンベルスープ
3月7日(木)マーベル・テクノロジー、ブロードコム、モンゴDB、コストコホールセール、クローガー

主要イベントの予定

3月5日(火)
  • 米大統領選スーパーチューズデー、中国で全国人民代表大会(全人代)開幕(北京)
  • 米ISM非製造業総合景況指数(2月)、米耐久財受注(1月)
3月6日(水)
  • 米パウエルFRB議長が下院金融委員会で証言、米サンフランシスコ連銀総裁が基調講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米ミネアポリス連銀総裁が米紙WSJの討論会に参加、米大統領選挙で民主党ハワイ州党員集会
  • 米ADP雇用統計(2月)、米卸売在庫 (1月)、米求人件数 (1月)
3月7日(木)
  • 米パウエルFRB議長が上院銀行委員会で証言、米クリーブランド連銀総裁講演、米大統領が一般教書演説、ECB政策金利発表・ラガルド総裁記者会見
  • 米新規失業保険申請件数 (3月2日終了週)、米貿易収支 (1月)、米消費者信用残高(1月)
3月8日(金)
  • 米ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加、世界最大級の複合イベント「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」(米テキサス州、16日まで)、米つなぎ予算失効期限
  • 米雇用統計 (2月)
3月9-10日(土・日)
  • 米夏時間開始、スペースワンのカイロスロケット初号機打ち上げ予定、米アカデミー賞授賞式(米ロサンゼルス)
3月11日(月)
  • ニューヨーク連銀1年インフレ期待(2月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

オートデスク(ADSK)市場:NASDAQ・・・2024/5/24に2025/1期1Q(2-4月)の決算発表を予定 

  • 1982年設立。汎用CADソフトウェア「AutoCAD」などを提供。「建築・エンジニアリング・施工(AEC)」、「AutoCAD・AutoCAD LT」、「製造(MFG)」、「メディア・娯楽(M&E)」の4つの製品別セグメントを営む。
  • 2/29発表の2024/1期4Q(11-1月)は、売上高が前年同期比11.5%増の14.69億USD、非GAAPの調整後EPSが同12.4%増の2.09USD。企業経営のデジタル変革(DX)需要の高まりが3次元CADプラットフォーム需要増に繋がった。前四半期比では入金済み請求額(Billings)が42%増の17.1億USD。
  • 2024/12通期会社計画は、売上高が前期比9-11%増の59.9-60.9億USD、調整後EPSが同4-7%増の7.89-8.11USD。同社は生成デザインで業界をしてきたなか「3D生成AI(人工知能)」でも主導的立場。同社の「設計から製造まで」の多様なライフサイクル全体に係る基盤プラットフォームは、生成AI技術進化を受けて単純業務の自動化にとどまらず高品質3Dデザインを高速で行えるようになった。

C3.ai(AI)市場:NYSE・・・2024/5/31に2024/4期4Q(2-4月)の決算発表を予定 

  • 2009年設立。企業向け人工知能(AI)ソフトウェアをSaaSアプリケーションを通じて提供。同社のAIプラットフォーム・アプリケーションを使えば、業界を問わず顧客も業務用AIアプリを設計・開発できる。
  • 2/28発表の2024/4期3Q(11-1月)は、売上高が前年同期比17.6%増の78.4百万USD(会社予想:74.0-78.0百万USD)、非GAAPの調整後営業利益が前年同期の▲15.0百万USDから▲25.7百万USDへ赤字幅拡大も会社予想(▲40-▲46百万USD)を上回った。AI関連製品需要が引き続き好調。
  • 2024/4期4Q(2-4月)会社計画は、売上高が前年同期比13-19%増の82.0-86.0百万USD、調整後営業利益が前年同期▲23.5百万USDから▲43.5-▲51.5百万USDへ赤字幅拡大。トム・シーベルCEOは1990年代にCRMソフトベンダー「シーベル・システムズ」創業の経験豊富な経営者。同社の大企業向け生成AIサービスが業界問わず需要拡大のなか、コスト増に対して昨年11月に人員削減実施。

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)市場:NYSE・・・2024/5/30に2024/10期2Q(2-4月)の決算発表を予定 

  • 1939年創業。2015年にHewlett PackardがHP Inc.(HPQ)と同社に分割。同社は法人向けにコンピューティングやストレージ、DCネットワーキングなどインフラ、自動運転・IoT向けソリューション提供。
  • 2/29発表の2024/10期1Q(11-1月)は、売上高が前年同期比13.5%減の67.55億USD、非GAAPの調整後EPSが同23.8%減の0.48USD。主力のサーバー事業が同23%減収、およびハイブリッドクラウド事業が同10%減収も、定額課金プラットフォームの年間経常収益(ARR)が同42%増の14億USD。
  • 通期会社計画を下方修正。売上高を前期比0-2%増(従来計画2-4%増)、調整後EPSが同15-11%減の1.82-1.92USD(従来計画1.82-2.02USD)とした。サーバーから顧客領域エッジ・コンピューティングまでカバーする定額課金サービス「HPE グリーンレイク・プラットフォーム」は、エヌビディア(NVDA)の最新GPU搭載サーバーが提供されれば需要拡大が期待される。1日終値予想PERは8.25倍。

ルミナーテクノロジーズ(LAZR)市場:NASDAQ・・・2024/5/9に2024/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 2012年設立の乗用車・商用トラック用の車両センサーおよびソフトウエア企業。同社が手掛け、自動運転に欠かせない技術「LiDAR」は、レーザー光照射によって物体までの距離や方向を測定。
  • 2/27発表の2023/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比2.0倍の17.0百万USD、非GAAPの調整後EPSが前年同期▲0.26USDから▲0.20USDへ、調整後フリーキャッシュフローも▲60.8百万USDから▲53.5百万USDへ赤字幅縮小。大手メーカーから受注相次ぎ、12月末受注残高は同26.7%増と拡大。
  • 2024/12通期会社計画は、売上高が前期比2.0倍の1.40億USD、期末現金ポジションが同7%増の1.50億USD。同社のLiDARは性能評価が高く、ボルボ、メルセデス・ベンツ、日産自動車など次世代車で採用相次ぐ。同社CEOのオースティン・ラッセル氏は17才で同社設立。2018年にフォーブス「30アンダー30」(世界を変える30歳未満の30人)に選出された経歴の「若き天才」で次世代を牽引しよう。

リフト(LYFT)市場:NASDAQ・・・2024/5/3に2024/12期1Q(1-3月)の決算発表予定 

  • 2007年設立のライドシェアサービス提供会社。米国・カナダで複合輸送ネットワークサービスを展開し、自社モバイルアプリを介して運転手と乗客を繋ぐ。シェア自転車・バイク、レンタカーも展開。
  • 2/13発表の2023/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比4.2%増の12.24億USD、非GAAPの調整後EPSが前年同期の▲0.74USDから0.18USDへ黒字転換。競合ウーバーとの差を縮める費用が嵩むなか、総取扱高(Gross Bookings)が同17%増、稼働ライダー数が同10%増と需要増が貢献。
  • 2024/12期1Q(1-3月)会社計画は、総取扱高が前年同期比15-18%増の35-36億USD、調整後EBITDAの対取扱高マージンが1.4-1.5%(前年同期0.7%)、更に通期フリーキャッシュフロー黒字化を見込む。運転手待遇など業界として課題を抱える中でドライバーの供給改善による市場効率化を背景に売上高対総取扱高比率の改善傾向(4Q:32.9%)続く。1日終値は2019年高値から82%下落水準。

スノーフレーク(SNOW)市場:NYSE・・2024/5/24に2025/1期1Q(2-4月)の決算発表予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら、「始値<終値(陽線)」なら

  • 2012年設立のクラウドコンピューティング関連データウェアハウス企業。独自マルチクラスタ共有データアーキテクチャで複数ワークロードを大規模並列処理できる。バークシャー・ハザウェイも投資。
  • 2/28発表の2024/1期4Q(11-1月)は、売上高が前年同期比31.5%増の7.74億USD、非GAAPの調整後EPSが同2.5倍の0.35USD、調整後フリーキャッシュフロー(FCF)が同50.6%増の3.24億USD。100万USD以上の売上顧客数が同39%増の461件、過去12ヶ月間の売上継続率が同27ポイント低下の131%。
  • 2025/1通期会社計画は、製品売上高(売上構成比95%)が前期比22%増の32.50億USD、調整後FCFマージンが同横ばいの29%。市場は会社見通しにおける成長率鈍化とスルートマンCEO退任を嫌気して29日終値が前日比18%下落。新CEOがAI担当役員のラマスワミ氏、および企業による生成AIアプリケーション構築でエヌビディア(NVDA)との提携など、生成AI関連で見直しの余地があろう。
  • (※)決算発表の予定は3/1現在であり、変更される可能性があります。

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