米6月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
7/7(金)21:30(日本時間)
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前回値: |
+13.8万人 / 4.3% |
事前予想: |
+17.7万人 / 4.3% |
7/7(金)発表の米雇用統計 予想を確認!
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月予想 | |
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非農業部門 雇用者数(万人) | 21.6 | 23.2 | 5 | 17.4 | 13.8 | 17.7 |
失業率(%) | 4.8 | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 4.3 | 4.3 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.2 | 0.3 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | 0.3 |
時間給賃金 前年比(%) | 2.6 | 2.8 | 2.6 | 2.5 | 2.5 | 2.6 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は7/3現在の予想平均値
米 非農業部門雇用者数(万人)、失業率(%)の推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米 時間給賃金(%)の推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
今回の雇用統計注目ポイント
① イエレンFRB議長が6月FOMC後の会見で述べた「低インフレは一時的な現象」との発言を裏付ける結果になるのか
② 英中銀や欧州中央銀行(ECB)の緩和的な金融政策が「出口政策」へ向かうきざしがある中で、FRBの年後半の金融政策(追加利上げ、バランスシート縮小)を予想する上でも時間給賃金に注目!
③ 6/30の米債券市場で10年債利回りが5/17以来の2.30%台を回復しており、雇用統計の結果を受けて長期金利の一段の上昇と、ドル円の円安基調圧力が高まるか
④ ドル円は114円台を目指す転機となるか
先週、ドラギECB総裁や英中銀のカーニー総裁、さらにカナダ中銀総裁が、現在の緩和的な金融政策が出口に向かっているといった趣旨の認識を示したことで、早期の緩和解除の見方が強まっています。
一昨年12月に利上げに踏み切って以降、今年6月までに4回の利上げ(各0.25%)を実施してきた米FRBですが、年内あと1回の利上げ予想については実施に懐疑的な見方も聞かれ始めています。イエレンFRB議長が述べたように「低インフレは一時的な現象」なのかについても、意見の分かれるところかもしれません。
ただ、ここにきて米国のインフレ期待に明るい材料も見られるようになっており、低インフレが一時的となる可能性も高まりつつあるようです。
先週発表された米6月消費者信頼感指数(確報値)は118.9となり、改定値(117.6)から改善しており、消費者による今後数ヵ月後の景気拡大期待の表れといった見方も聞かれています。
米 消費者信頼感指数 推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
消費者信頼感指数の改善の根拠となっているのが労働市場の安定です。
特に先月16年ぶりに歴史的な低水準となる4.3%まで改善が進んだ失業率が大きく関係していると考えられています。時間給賃金が依然として伸び悩んでいる点は懸念されていますが、職を探している人がほぼ確実に働く場を提供されるという安心感も消費者心理の改善に寄与しているようです。ちなみに今週末発表される米6月失業率も4.3%の予想となっています。
一方で懸念される点としては、先週末発表された米5月個人消費支出価格指数(コア)が、前年比+1.4%と3ヵ月連続で低下していることです。2015年11月以来1年半ぶりの低水準に低迷するなど、すぐにインフレ期待の上昇を見込むには厳しい状況になっています。
米 個人消費支出価格指数(コア) 前年比(%)
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
こうした中で発表される米6月雇用統計で時間給賃金の伸びが確認されれば、インフレ期待も高まり、先々の個人消費支出価格指数の改善にもつながるかもしれません。イエレンFRB議長のいう「低インフレは一時的な現象」を裏付ける意味からも、今回の雇用統計は年後半以降のFRBの金融政策の行方を占う意味で注目されます。