前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な展開で始まった。ロシアの地下鉄爆破事件や日経平均株価の下落を背景に、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、米国の貿易赤字が縮小したことが好感され、ドルは堅調な動きとなり、クロス円も買い戻しの動きが優勢となった。また、下落して始まった米株価がプラス圏に反発したことも影響した。ただ、米中首脳会議や米雇用統計の発表を控えており、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ロシアの地下鉄爆発事件が引き続き懸念材料となったことや、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、トランプ米大統領が指名した連邦最高裁判事の候補者を議会が承認するのか不透明感が増したこともドル売りに反応した。また、新年度入りしたことで、国内の年金や生保などからドル買いが出たが、例年よりも少なかった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク回避姿勢が強まり、円買いの動きが加速した。また、欧州主要株価が序盤軟調な動きとなったことも影響した。
(3)米貿易収支で、赤字額が大きく縮小したことや、対中赤字も縮小したことを受けて、ドル買いが優勢となった。また、原油価格の上昇や、下落して始まったダウ平均株価がプラス圏に反発したことも影響した。ただ、終盤にかけては上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、主要な日本の経済指標の発表もなく、新規材料に乏しいことから、やや限定的な動きも考えられる。ただ、新年度初めての五十日(ごとおび)のため、実需のフローが活発に出てくる可能性もあることから、仲値公示や引け間際の動きには注意したい。また、日本の株価の動きも材料視される可能性があり注目したい。
そして、米国市場では、米国の主要な経済指標の発表が予定されており、特に週末の雇用統計の結果を占う上で重要視されている経済指標の発表であることから、結果には注目したい。
また、3月14-15日分のFOMCの議事録も公開されることから、利上げのペースに関する内容には反応する可能性がある。
4/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
3月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上で参考にされる。
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19.5万人 | 29.8万人 |
前回は、市場予想を大幅に上回る結果となり、2014年4月以来の大幅な伸びとなった。特に製造業や建設業の伸びが2002年以降最大となったことが影響した。今回は、前回の反動から大きく伸び幅が縮小する予想となっている。ただ、前日発表された製造業景況指数の雇用部門の指数が2011年6月以来の高い伸びとなったこともあり、引き続き製造業関連の伸びが続くようなら、再び予想を上回る可能性も考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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57.0 | 57.6 |
前回は、予想に反して1月の結果を上回り、2015年10月以来の高水準となった。新規受注や雇用が伸びたことが押し上げ要因となった。今回は、やや低下が予想されているものの、依然として高水準が予想されており、反応は限定的だろう。ただ、前回同様に予想を上回る結果となる場合には、ドルの押し上げに寄与する可能性も考えられる。また、雇用指数の上昇が続けば、雇用統計の結果に対する期待感も高まるだろう。 |