前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からやや上値の重い動きとなった。その後は、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、世界経済の減速や米中貿易摩擦への懸念を背景に、リスク回避の動きも意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された4月の米耐久財受注が予想以上の低下となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は5/15以来の安値を付けた。その後は、上げ幅を縮小していた米主要株価指数が再び上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなったが、米英市場が3連休を控えていることもあり、やや上値は限定的だった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から下落したものの、その後は下げ幅を縮小し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、実需の売買が集中する五・十日でドルを手当てする動きが見られたことや、下落して始まった中国株がプラス圏へ上昇したことを受けて、堅調な動きとなった。
(2)上昇一服後は、週末のポジション調整に加え、日経平均株価が上値の重い動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。一方、豪州大手銀行のエコノミストが、豪中銀が年内に3回の利下げを行うとの見通しを示したことを受けて、豪ドルはドルや円に対して下落した。
(3)欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その中で、次の英首相への就任が有力視されているボリス・ジョンソン前外務大臣が、合意の有無にかかわらず10月末でEUから離脱すると発言したことを受けて、ポンドが下落した。ポンド/円は、一時138.52まで下落し、1/15以来の安値を付けた。
(4) 米耐久財受注が予想以上に低下し、前日発表の製造業PMIの悪化と合わせ、中国との貿易摩擦の影響が出ているとの見方を背景に、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが2.330%から2.306%に低下したことから、ドル/円は109.27まで下落し、5/15以来の安値を付けた。その後は、上げ幅を縮小していた米主要株価指数が再び上げ幅を拡大するも反応は限られ、米国、英国市場が3連休を控えていることでポジション調整の動きも見られ、終盤まではやや上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、週明けであることに加え、英国市場がSpring Bank Holiday、米国市場がMemorial Dayのため休場となることから、 やや限定的な動きが予想される。トランプ米大統領は、5/25-28まで国賓として訪日しているが、本日は日米首脳会談、共同記者会見が予定されている。首脳会談では、通商問題も議論されると見られているが、事前にライトハイザー米通商代表部代表と茂木経済再生相が協議しており、踏み込んだ議論にはならないとの見方も出ている。双方とも外交をアピールしたいとの思惑もあるが、今回は国賓として訪日していることもあり、友好ムードを印象付けていると感じられる。トランプ大統領は、6月に大阪で開催されるG20首脳会議にも参加することから、ここでも日米首脳会談の機会がある。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の基準線近辺で上値を抑えられ、その後下落に転じている。現状では、底固い動きも見られているが、ここから反発となるのか、一段の下げとなるのか注目したい。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、現在110.711で横ばいが続いているが、30日には110.629に低下し、31日に110.506、6月3日に110.459、4日に110.356と低下する(109.024を下回る場合にも基準線は低下となる)。このことから、基準線の低下のタイミングと、ドル/円の動きに注目したい。
そして、下値の重要なポイントである109.024を下回る場合には、一段の低下となる可能性も考えられる。その場合の下値目標の計算値は108.739、さらに下落が続く場合には107.298と計算できることから注目したい。
上値のポイントは、転換線(本日は109.914)、基準線がポイントとなる。これらを上回り、雲を上抜ける展開となる場合には、再び112円台までの上昇も考えられる。