前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、五・十日で実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、アジア株全般が下落したこと、さらに米長期金利が低下したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。特に、豪ドルはシドニーのロックダウンの延長を受けて主要通貨に対して下落した。
米国市場では、欧米の主要株価指数が上昇したことで、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は109.88まで上昇した。ただ、アジア時間に付けた109.89を超えらず、その後はやや上値の重い動きとなった。
米株式市場では、前日までダウ平均株価が3日続落となったことから、値頃感の買い戻しが先行し、ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなった。その後、高値圏での横ばいの展開が続き、225.96ドル高(+0.65%)で終了し、4営業日ぶりに反発となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、172.87ポイント高(+1.19%)で終了し、S&P500とともに続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開で始まった。その後、週末の五・十日に当たり、実需のドル買い・円売りが観測されたことから、仲値公示にかけてドル/円は109.89まで上昇した。一方、クロス円はドル円の上昇に連れ高となった。
(2)仲値通過後はドル買いも一服し、日経平均株価が一時前日比246円安まで下落したことに加え、米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後に入り、ドル円・クロス円は持ち直したものの、香港や上海株が下落するなど、アジア株全般が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い動きが続いた。一方、新型コロナウイルスの新規感染者が高止まりしていることや、シドニー市のロックダウン(都市封鎖)が9月末まで延長されたことが嫌気され、豪ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では一時78.13まで下落し、2020年12/22以来の安値を更新した。また、対ドルでも2020年11/4以来を更新した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなかったものの、欧米の主要株価指数が上昇したことで、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.225%から1.265%まで上昇したことも加わり、109.88まで上昇した。ただ、アジア時間に付けた109.89を超えらず、その後はやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
週明けで新規材料に乏しいことや、ジャクソンホールシンポジウムを控えていることもあり、序盤から小動きの展開となった。しかし、株式市場の動きや長期金利動向で動きが出る可能性も考えられる。特に、ドル/円は先週末まで3日間110円台の定着に失敗していることから、本日110円台の回復、定着ができるのか注目されている。
米国市場では、7月の米中古住宅販売件数の発表が予定されており、サプライチェーンの混乱に伴う資材価格の上昇、在庫不足などによる住宅価格上昇が圧迫要因となっており、前月5ヵ月ぶりの増加となったものの、今回は再び減少が予想されている。結果を受けてマーケットの反応が注目される。
8/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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584万件 | 586万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、5ヵ月ぶりの増加となった。在庫が小幅ながら改善したことに加え、住宅価格は過去最高を更新したものの、住宅需要の堅調さが影響した。今回は、若干の減少が予想されており、依然として供給不足が続いていることが圧迫要因となるとみられている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲下限を下抜けて一段の下げとなったものの、持ち直している。ただ、一目均衡表の雲下限近辺で上値を抑えられており、ここから雲を上抜けて一段の上昇となるのか、失速して下落に転じるのか注目される。
一目均衡表の雲下限は、本日109.999に位置しているが、週末には110.112まで上昇する。また、雲上限ラインの110.150-110.121(月-金)も上抜ければ一段の上昇となり、直近高値の110.799を目指す展開も考えられる。
しかし、雲を上抜けずに下げに転じる場合には、基準線の109.761が目先の下値のポイントとなり、ここを下抜ける場合には109.112が次の下値のポイントとなる。さらに、109.112を下抜ける場合には一段の下げとなり、下値目標の計算値である108.535を目指す展開も考えられる。