前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は前日の高値を上抜けて一時114.15まで上昇した。一方、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じたことから、クロス円も底固い動きとなった。その後、上昇一服後は上値の重い動きとなったものの、下値は限定的だった。
米国市場では、ベテランズデーで米国の一部市場が休場となり新規材料に乏しい中、欧州市場の流れを引き継ぎドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時113.81まで下落したものの、米国の早期利上げ期待が根強いこともあり、その後は114.11まで反発となった。一方、ECBの経済報告でハト派的な見通しが示されたことがユーロの圧迫要因となり、対ドルで2020年7/21以来の安値を更新し、対円でも10/11以来の安値となった。また、英国の7−9月期GDPが前期から大幅に減速したことから、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対ドルで2020年12/23以来の安値となり、対円でも10/8以来の安値となった。
米株式市場では、Veterans Dayの休日で一部市場が休場となり、新規材料に乏しい中、娯楽・メディア大手の冴えない決算発表を受けて同社株が大幅下落した影響から、ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなった。一方、金利上昇を背景に前日大きく下落したナスダックは、買い戻しの動きが優勢となった。ダウ平均株価は、一時前日比164ドル安まで下落し、安値圏を維持したまま158.71安(-0.44%)で終了し、3営業日続落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、81.57ポイント高(+0.52%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場で米消費者物価指数が30年ぶりの高い伸びとなり、米長期金利が上昇したことを受けてドルが主要通貨に対して上昇した流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から堅調な動きとなり、前週末の米雇用統計後に付けた高値の114.03を上抜けて一時114.15まで上昇し、11/4以来の高値となった。また、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともドルの押し上げ要因となった。一方、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じ、229円高まで上昇したことから、クロス円も底固い動きとなった。
(2)上昇一服後は、上値の重い動きとなり、ドル/円は114円台を維持できず、軟調な動きとなった。一方、クロス円も午後に入り日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。特に、欧州では新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化しているとの報道から、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
(3)米国市場では、Veterans Day(ベテランズデー)のため一部市場(債券市場)が休場となり、新規材料に乏しい中、欧州市場の流れを引き継ぎドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時113.81まで下落した。一方、ドイツなどで新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を記録するなど、一部でロックダウンも検討されているとの報道や、昨日のECBの経済報告でハト派的な見通しが示されたこともユーロの圧迫要因となり、ユーロは対ドルで2020年7/21以来の安値を更新し、対円でも10/11以来の安値となった。また、英国の7−9月期GDPが前期から大幅に減速したことから、主要通貨に対して軟調な動きとなり、対ドルで2020年12/23以来の安値となり、対円でも10/8以来の安値となった。
(4)安値圏では値頃感の買い戻しに加え、米国の早期利上げ期待が根強いこともあり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなり、ドル/円も114.11まで上昇する動きとなった。一方、メキシコ中銀の金融政策発表で、4会合連続の利上げが発表されたものの、全会一致の結果でなかったことから次回の不透明感が広がり、メキシコ・ペソはドルや円に対して下落となった。
本日のトピックス
ドイツなどで新型コロナウイルスの感染者数が過去最多となり、ユーロ圏の一部でロックダウンが検討されているとの報道を受けて、リスク回避の動きからユーロが下落しており、今後も関連する報道などに注目したい。一方、米国の早期の利上げ期待が根強いことから、ドルは底固い動きが続いており、東京市場でも序盤から堅調な動きとなり、一時114.18まで上昇している。引き続きドル買い・ユーロ売りが続き、ユーロ/ドルが安値を更新するのか注目される。
本日の米国市場では、11月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、米国の物価上昇を背景に消費者のマインドが低下しており、引き続き消費者は先行きに懸念を抱いていることが示されると見られている。
11/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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72.5 | 71.7 |
前回は市場予想を上回ったものの、9月の結果からは低下した。物価上昇が続いていることが消費者のマインドを低下させており、楽観的な見方が後退していることが示された。今回は小幅上昇が予想されており、特に2008年以来の高水準となった1年先のインフレ期待(4.6%⇒4.8%)に落ち着きが見られるのか注目したい。 |