前営業日トピックス
東京市場では、経済指標の発表もなく新規材料に乏しい中、前週末の米雇用統計で失業率が1年9ヵ月ぶりの低水準まで改善したことが改めて材料視され、ドルは序盤から堅調な動きとなった。また、米長期金利が上昇したことも下支え要因となった。一方、日経平均株価が300円超下落したことから、クロス円は序盤から上値の重い動きとなったが、午後に入り日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、底固い動きとなった。
欧州市場序盤に中国人民銀行が預金準備率を引き下げ、中国の景気対策期待に加え、米国市場では、国立アレルギー感染症研究所所長がオミクロン株について感染者の重症化の度合いはそれほど高くないとの見解を示したことを受けて主要株価が上昇するなど、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は113.55まで上昇した。
米株式市場では、オミクロン株の重症化リスクへの楽観的見通しが示されたことが好感されて投資家の警戒感が和らぎ、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前週末比776ドル高まで上昇する場面もあったが、646.95ドル高(+1.87%)で終了し、終値ベースの上げ幅としては今年最大で、昨年11月上旬以来約1年1ヵ月ぶりの大きさとなった。一方、ハイテク株中心のナスダックは139.68ポイント安(+0.93%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったものの、失業率は1年9ヵ月ぶりの低水準に改善したことが好感され、FRBが利上げを前倒しするとの見方が広がったことが引き続き材料視され、序盤からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時113.08まで上昇したものの、その後は上値の重い動きとなった。一方、日経平均株価が前週末比335円安まで下落したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)その後、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことに加え、欧州市場序盤に中国人民銀行がが預金準備率を引き下げたことも好感され、主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中で、バイデン米政権の医療顧問である国立アレルギー感染症研究所の所長が、オミクロン株について感染者の重症化の度合いはそれほど高くないとの見解を示したことを受けて、主要株価指数が上昇するなど投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.368%から1.439%まで上昇したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は一時113.55まで上昇した。ただ、前週末の高値の113.61には届かなかった。
本日のトピックス
オミクロン株の感染者の症状は軽度との見方が示されたことを受けて、オミクロン株に対する懸念が和らいだことから、株式市場やドル円・クロス円は底固い動きとなっており、全体的に値を戻す動きとなるのか注目されている。
欧州市場では、10月のドイツの鉱工業生産の発表があり、改善が見られるのか注目されている。また、第3四半期のユーロ圏のGDPの発表も予定されているが、確報値であることから、速報値から修正がなければ反応は限定的だろう。一方、米国市場では、米貿易収支の発表が予定されており、前回は赤字額が過去最高を更新したが、今回は大幅に赤字額の縮小が予想されており、結果が注目されている。ただ、来週に14日-15日にFOMCを控えていることから、積極的な売買が手控えられるとの見方もある。
12/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-668億USD | -809億USD |
前回は市場予想を下回り、過去最大の赤字額となった。輸入が増加する一方、輸出が減少したことが影響した。また、財の貿易赤字も過去最大の982億ドルに拡大した。今回は、前月から赤字額の大幅減少が予想されており、今後継続的に改善が進むのか注目される。 |