前営業日トピックス
FOMCの結果発表を控えて様子見の展開か?
東京市場では、ドル/円がギャップダウンして始まったものの、その後は底固い動きとなった。一方、日経平均株価が序盤から350円超上昇したことも加わり、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、新規材料に乏しく、主要国の金融政策の発表を控えていることから、全般的に限定的な動きが続いた。欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。その後、欧州市場では欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、新規材料に乏しいことや、主要国の金融政策発表を控えて全般的に限定的な動きとなった。その中で、米主要株価指数が序盤から下落したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドル/円は113.37まで下落した。一方、英国でオミクロン株の感染による死亡が確認されたことが嫌気され、ポンド主要通貨に対して下落となった。
米株式市場では、変異株「オミクロン株」の感染拡大への懸念が強まり、投資リスク回避の売りが優勢となった。さらに、世界で初めてオミクロン株の感染による死亡が英国で確認されたことが投資家心理を悪化させた。ダウ平均株価は、一時前週末比361ドル安まで下落したものの、その後は下げ幅を縮小して320.04ドル安(-0.89%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは217.32ポイント安(-1.39%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末に発表された11月の米消費者物価指数が市場予想と一致したことや、バイデン米大統領がインフレ率はピークに達した可能性が高いとの見解を示したことを受けて下落した海外市場の流れを受けて、ドル/円はギャップダウンして始まり一時113.24まで下落したが、海外市場で付けた113.22には届かず、その後は底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が上昇して始まり 前週末比355円高まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、新規材料に乏しい中、ドル/円は上値の重い動きとなった。一方、日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上値の重い動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は持ち直して底固い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しいことや、主要国の金融政策発表を控えて限定的な動きとなった。その中で米主要株価指数が序盤から下落したことや、欧州主要株価指数が下落に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引において1.50%台で推移していたものの、米国時間に入り1.413%まで低下したことから、ドル/円は序盤に付けた113.68から113.37まで下落した。一方、世界で初めて英国でオミクロン株の感染による死亡が確認されたことや、今週の英中銀の政策会合での利上げの思惑が後退したことを受けて、ポンド主要通貨に対して下落となり、ポンド/円は150.76から149.88まで下落した。
(4)米FOMCの結果発表を控えてドルの下値は限定的となり、下げ一服後はクロス円とともに値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
英国でオミクロン株の感染による死亡者が世界で初めて確認されたことを受けて、欧米の主要株価指数が下落するなど、投資家のリスク回避の動きが優勢となった。東京市場でもその流れを受けて日経平均株価が下落して始まったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、主要国の金融政策発表を控えていることもあり、反応は限定的だった。
本日の米国市場では、11月の米生産者物価指数の発表が予定されており、先週末の消費者物価指数に続いてインフレ圧力の強さが示されると見られている。ただ、FOMCが始まる(結果発表は15日)こともあり、結果発表を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
12/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.5% | 0.6% |
前回は市場予想を上回り、6ヵ月ぶりに上昇となった。一方、前年比ベースでは、2010年以来の大幅な伸びとなり、物価上昇が続いていることが示された。今回は、前月から伸び幅の低下が予想されているものの、前年比ではさらに伸び幅の拡大が予想されており、インフレ圧力の強さが示されると見られている。 |