前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価が堅調な動きとなり、午後に入り一時595円高まで上昇したことや、米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、午前中から狭いレンジ内の動きが続いたトルコ・リラは、欧州勢の買いなどもあり、一時10.27まで上昇し約1ヵ月ぶりの高値となった。また、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、欧米の主要株価が大幅上昇となったことから、投資家のリスク回避の動きが後退し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は一時114.22まで上昇した。しかし、12/15に付けた114.26を上抜けられずに失速となった。
米株式市場では、新変異株への警戒感から前日まで大幅続落となった流れが一服し、値頃感の買い戻しが先行した。さらに、スポーツ用品大手や半導体大手の四半期決算が好調だったことが、投資家心理の改善につながり、主要株価指数は4営業日ぶりに反発となった。ダウ平均株価は一時前日比576ドル高まで上昇したが、その後も高値圏を維持したまま560.54ドル高(1.60%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは360.15ポイント高(2.40%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の海外市場終盤の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも圧迫要因となった。仲値通過後は、日経平均株価が前日比500円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大し、595円高まで上昇したことや、米長期金利が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、前日の海外市場で史上最安値から大幅反発したトルコ・リラは、東京時間では狭いレンジ内での動きが続いたものの、終盤に一段の上昇となり、対円では8.25から10.27まで上昇し、11/23以来約1ヵ月ぶりに10円台を回復した。
(3)欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、天然ガスが大幅高となったことを背景に、欧州の長期金利が上昇したことも影響し、円が主要通貨に対して下落した。一方、行動制限発動の懸念がある英国で、首相がクリスマス前に新たな行動制限を設けないと発言したこともポンドの押し上げ要因となった。
(4)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がない中、欧米の主要株価が大幅上昇となったことから、投資家のリスク回避の動きが後退し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが欧州時間で付けた1.412%から1.496%まで上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の113.67から114.22まで上昇した。しかし、12/15の高値である114.26を上抜けられなかったことから、その後は失速した。
本日のトピックス
週末の海外市場のクリスマス休暇を控える中、海外勢を中心とした持ち高調整の動きも考えられる。そのため、週末にかけて方向性のつき難い展開が続くことも予想されている。ただ、変異株の感染拡大が世界的に懸念されていることから、関連する報道などで動きが出る可能性もあるだろう。また、政策への思惑を背景に、トルコ・リラの振れ幅が大きくなっていることから、引き続きトルコ・リラの値動きには注意が必要だろう。
米国市場では、第3四半期の米GDPと12月の米消費者信頼感指数の発表が予定されている。GDPは確報値であり、改定値から修正がなければ反応は限定的と見られている。一方、消費者信頼感指数は、前回から改善が予想されているが、消費者の懸念が払拭される程ではないことから、予想以上の改善とならなければ、インパクトに欠けると見られている。
12/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
3Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.1% | 2.1% |
前回の改定値では、速報値から小幅上方修正され、GDPの約7割を占める個人消費が上昇修正されたことが影響した。今回の確報値は、改定値から横ばいが予想されており、前期からは伸び幅の大幅縮小が予想されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月消費者信頼感指数
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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111.0 | 109.5 |
前回は市場予想を下回り、2月以来の低水準となった。現況指数、期待指数がともに前月を下回ったことが影響し、ビジネス環境の悪化が影響した。今回は、小幅改善が予想されているが、大幅な改善は期待できず、消費者の慎重な見方が反映されると見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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653万件 | 634万件 |
前回は市場予想を上回り、1月以来の高水準となった。2ヵ月連続の増加となり、雇用拡大と低水準の住宅ローン金利が影響した。ただ、感染拡大が落ち着いていないことから、先行き不透明感を指摘する向きもある。ただ、今回は、前回からの増加が予想されており、住宅需要が根強いことが示されると見られている。 |