前営業日トピックス
東京市場では、実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけてドル/円は堅調な動きとなった。その後は、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、終盤にかけて日経平均株価が150円以上下げ幅を縮小したことからクロス円は上昇となり、クロス円の上昇にドル/円も連れ高となった。また、欧州時間でも円売りの流れは止まらず、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したものの、対円ではクロス円の上昇に連れて堅調な動きとなり、序盤に115.02まで上昇した。しかし、欧州時間に付けた115.04には届かなかった。上昇一服後、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下げ幅を拡大したことや、冴えない米経済指標の結果を受けてドル/円も114.67まで下落した。その後、米長期金利が11月以来の高水準まで上昇したことを受けて、ドル/円は再び115.00まで上昇した。
米株式市場では、米国でオミクロン株の感染者が急増しているものの、重症化リスクが低いことや、症状がない場合は隔離期間が短縮されることから、経済活動の制約懸念が和らいだとの見方から主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前日比173ドル高まで上昇して史上最高値を更新した。終盤に上げ幅を縮小したものの、90.42ドル高(+0.25%)で終了し、2日連続終値ベースの最高値も更新した。一方、ナスダックは15.51ポイント安(-0.10%)で終了したが、SP500は終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、年末を控えた実需のドル買い・円売りが観測され、仲値公示にかけて堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比339円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、前引け前から日経平均株価は下げ幅を縮小する動きとなり、引け前にさらに下げ幅を縮小したことや、クロス円の上昇を受けて、ドル/円も堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値114.74から114.93まで上昇した。
(2)欧州市場でも、年末を控えて市場参加者が少ない中、円売りの動きが続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は約1ヵ月ぶりに115円台を回復した。米国市場では、欧州市場から円売りの流れが続いており、欧州通貨や資源国通貨は序盤から対円で堅調な動きとなった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したものの、対円ではクロス円の上昇に連れて上昇となり、115.02まで上昇した。しかし、欧州時間に付けた115.04には届かなかった。上昇一服後、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下げ幅を拡大したことや、米住宅関連の経済指標が予想外のマイナスとなったこともあり、ドル/円は114.67まで下落した。
(3)下げ一服後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の1.487%から1.556%まで上昇し、11月以来の高水準となったことから、ドル/円は再び堅調な動きとなり、115.00まで値を戻した。
本日のトピックス
ドル/円は、前日の海外市場で約1ヵ月ぶりに115円台を回復したものの、やや上値の重い動きが続いている。東京市場でも、115円台を伺う動きとなっているが、ここから115円台を維持できるのかどうかが注目されている。米国市場では、新規失業保険申請件数、12月のシカゴ購買部協会景気指数の発表が予定されているが、年末年始を控えて市場参加者も少ないことから、市場予想から乖離する結果とならなければ、マーケットの反応は限定的となるだろう。
12/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(12/25までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
20.8万件 | 20.5万件 |
前回は市場予想と一致し、前週比変わらずとなった。労働市場の改善が続いており、歴史的に低い水準を維持していることが示された。今週は小幅増加が予想されているが、引き続き低水準が維持されると見られており、市場予想と乖離する結果とならなければ、マーケットの反応は限定的だろう。 | ||||
23:45 | 米国 |
12月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業部門の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。また、米ISM製造業景況指数の1営業日前に発表されることから、先行指標とされている。
|
62.0 | 61.8 |
前回は予想外の低下となり、2月以来の低水準となった。下げ幅では6月以来の大きさとなった。今回は、小幅上昇が予想されているが、予想通り改善となるのか、今年の最低となった2月の61.0を下回るのか注目されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲上限ラインに沿って堅調な動きが続いていたが、ここにきて雲上限との乖離幅を広げて堅調な動きが続いている。ここから、年初来高値の115.518を目指す展開となるのか、115.00近辺で上値が抑えられるのか注目されている。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、ここまで1ヵ月間横ばいが続いたものの、29日に低下となり、週明けにかけてさらに低下となる。この動きに合わせて上値の重い動きとなるのか注目される。また、オシレーターのMACDでは、両線上向き継続中だが、小幅ながら乖離幅の縮小が見られることから、こちらの形状にも注目したい。
気まぐれ投資コラム
ドル/円の長期サイクル分析
ドル/円は、週足ベースの長期チャートで16.5年サイクルを見ることがでる。この16.5年サイクルの中には、3つの5.5年サイクルが存在し、直近では2011年11月に16.5年サイクルがボトムを付け、新たな16.5年サイクルが始まったと考えられる。そして、16.5年サイクル上の高値は、最初の5.5年サイクル内に付けるパターンであることから、2015年6月に付けた125.86が現行の16.5年サイクルの高値であると考えられる。
そして、最初の5.5年サイクルで付けた高値をその後上抜けないというパターンであることから、現行の16.5年サイクルの高値である125.86を今後も上抜けないと考えられる。しかし、125.86を上抜けるようなら、16.5年サイクルのトレンドが崩れると考えられ、その場合には149.53を目指す展開も予測できる。なお、次の5.5年サイクルのボトムは2022年11月(±6ヵ月)、また、現行の16.5年サイクルの最終ボトムは2028年5月(±6ヵ月)と予測できる。
一方、トップサイクル(16.5年サイクルの最初5.5年サイクルのトップと最後の5.5年サイクルのトップを結ぶサイクル)は、8.0年サイクルとなっており、現行の16.5年サイクル上の最初の5.5年サイクルのトップが2015年6月だったことから、最後の5.5年サイクルの高値は2023年6月(±6ヵ月)と予測できる。